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飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
第一章、イザナミ

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第一話、イオリ

タイタンホエールは、シロナガスクジラ型のエンシェントドラゴン。

 ぬけるような青空が広がっている。


「きれいだ」


 最初に、”それ”を見た時に思った。


 ”それ”は、鳥のように見えた。

 

 でも、”それ”から、”妖精と人”が下りてきた。


 タイタンホエールが、マーマト湾の沖でブリーチング(ジャンプ)している。

 二人は、それを見ながら、翼の上で笑いながらコーヒーを飲んでいた。


「うらやましい?」

 誰に?

 何に?

 全てに?


 だから、”それ”を作った”カティサーク工廠こうしょう”に入った。


 飛行艇に触れてから5年。

 僕は、16歳になっていた。



 飛行艇、”ホウセンカ”の名の由来になった、”魔術式機関砲、ホウセンカ”

 

 ハナゾノ帝国製だから、花の名前がついていた。

  

 だが、この機体には、


 ”シルルート王国”の、”ニードルスプレット機関銃”二門


が装備された。


 これは、圧縮空気を用いて、小さな針(といってもタガネくらいの大きさはあるのだが)を連射するものだ。


 名前は”ゲッカビジン”である。

 

 後部に、魔術式ジェット一機。

 前部に、垂直離発着用に小型ジェットが一機。

 フロートと本体は、なだらかな曲線をかいて繋がっている。

 垂直尾翼が、主翼半ばに左右二対。

 カナード翼。


 (ジェットの震電しんでんにフロートをつけた感じ)



 青い空と青い海のコントラストが美しい。


「飛ばすよ」

 飛行艇、”ゲッカビジン”だ。

 大きく入り込んだ内海である、”マーマト湾”を飛行中である。

 武装が変わっただけで何度も、飛ばして、バラシて、組立ててきた”ホウセンカ”とほとんど変わらない。  

 

 シュパアアア

 

 ”ゲッカビジン”が海上を滑らかに走る。

「ふふ、良い()だ」

 軽やかに離水させた。



 少し離れた所で、”ゲッカビジン”の飛行を見つめる人たちがいた。

 真ん中に、長いローブを着て、フードを目深まぶかに被った人物がいる。


「あの人がいいわ」

「名前は?」

 若い娘の声だった。


「”イオリ・ミナト”ですが」

「あいつは、性格に難が…」

「おすすめしませんよ」

「会って話をしますか?」

 彼の上官だ。


「ええ、そのように」


「ふんっ」

 上官が聞こえないように、小さくつぶやいた。



 マーマト湾の海上をイオリに操られた、”ゲッカビジン”が滑らかに飛行していた。 

 しばらくすると、格納庫に降りてきた。


 ヒュウウ……


 魔術式ジェットの排気音が止まる。

 

「イオリ、お客さんだ」

 

「ああ」

 若い男が、操縦席から降りてくる。

 チラリと上官を見た後、機体の後ろに移動しようとした。


「おいっ」


「後にしてくれ」 

 機体のチェックに行くようだ。


「ふふふ、話、いいですか」

 フードの女が、上官を手で止めながら言う。

「これは、”ホウセンカ”ですか?」


「?、いや、主武装が違う、”ゲッカビジン”に名前が変わった」

「ま、基本は変わらないけどな」

 メンテナンスハッチを開ける。


「何故、直接陸上の格納庫に、着陸させたのですか」


「整備するから、クレーンで水面から陸地に上げるのが手間だからな」

 前部の補助ジェットで、垂直着陸させている。

 カチャカチャと整備していた。


「ふふふ、いいですわ」

 うんうんとうなづいている。

「水上以外でも降ろせますか?」


「出来るよ。飛竜空母に降りてたから」

 

「また今度、後ろに乗せてくださいな」 

 女はフードを下ろした。


「?、あんた誰だ」

 初めて視線を向けた。


「ファラクと申します」

 褐色の肌、黒髪、青い目。

 顔には銀色の文様が描かれている。


「砂漠の民、か」

 イオリが目を見開いた。


「どんな感じですか? ”ゲッカビジン”は」 

 ファラクがにっこりとイオリに笑いかける。


「うっ」

 イオリは、眩しいものを見るように目をそらせた。

「……良い感じだ、”ホウセンカ”より軽くなってるし」

「重量バランスもいい」


「本当ですか」

 

「飛空艇のことで、嘘はつかない」


「ふふふ」

 いい感じですわ

ファラクが、穏やかに笑った。



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