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飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
第一章、イザナミ

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19/70

第十八話、リチャクサ

 飛行艇空母”キサラギ”は、レンマ王国の西にある、”カティサーク工廠”に帰ってきた。

 あと少しで、”イザナミ”のパイロットが決まることになる。


「それでは、”イザナミ”の、離着砂りちゃくさ訓練に入る~」

「”マーマト湾”の砂浜に着地してもらう~」 

「これが最後だ、気合を入れるように~」

 メルル―テ大佐だ。


「リチャクサ?」 


「そ、離着砂」

「砂地に降りてもらうの」

 ファラクが言った。


「魔紋には、”操砂の魔術”があって、船の周りの砂を操る力があるわ」


「船巫女のいない、砂上船にも装備される基本的なものよ」


「砂の上に降りるのか?」

 クルックが心配そうに言う。


「ふーむ」

 イオリは、腕を組んで考え込んでいた。


()()()は大丈夫のはずよ~」

「これまで以上に、慎重に行きましょう~」



 砂上用飛行艇”イザナミ”が可変翼を最大に開いて、()()()()()()()()()()

 微かに振動しているのだろうか、機体を中心に丸く波紋のような模様が、砂に描かれていた。

 ”マーマト湾”の海岸には。簡易の滑走路が作られている。


「ジェットエンジンが縦に二機、装備されているのはこういう意味かな?」

 イオリが、つぶやいた。

 機体の周りの、砂の粘性は、水よりも少し高いくらいだ

 上下のジェットエンジンは別個に操作可能である。

 下のエンジンは、半ば砂に埋まっていた。

 最初は、上のエンジンで前に進め、速度が出たら下のエンジンを吹かして離陸という感じである。


「イオリ機、離陸どうぞ」

 管制から無線が来た。


「操砂の魔紋は十分よ」


 シャラララン


 ファラクが、魔紋を励起させた。 


「分かった、離陸する」

 上部ジェットのスロットルを開ける。

 ゆっくりと機体が前に進み始めた。


「重い」

 水上より粘りがある感じだ。


 ザザザザザアア


 離陸できる速度まで加速して、機体を持ち上げた。

「離陸成功っ」

――今度は、着陸(砂)か


 普通は、離陸よりも着陸の方が難しい。

 狭い滑走路めがけて、機体を下ろさなければいけないからだ。

 墜落の危険も上がる。


「慎重に~、ゆっくり~」

 イオリが、ランディングアプローチに入った。

 高度をゆっくりと下げる。

 滑走路が近づいてきた。


「危なくなったら、垂直離陸をしなさい~」


「了解」

「ファラクッ、行くよっ」

「はいっ」

「ランディングッ」


 バンッバンッバンッ


「くっ」

 砂の上を、水切りの石のように跳ねる。

 結局、滑走路からオーバーランした。

 砂地の海岸だから問題はないのだが。


 最後の最後に、イオリとクルックはてこずった。

 十分満足できるような”離着砂”が出来るようになるまで、約一か月かかった。


 もはや季節は夏である。

 

 ”イザナミ”のパイロットが決まる。


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