表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
第一章、イザナミ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/70

第十六話、ヨット

 今、飛行艇”イザナミ”は、”シラフル湖”の水面を、白波を立てて走っている。



 2イザナミ”は、収納式のマストを装備していた。

 マストに帆を張ると、小さなヨットになる。

 また、元々は、飛行船から発展した”ホウセンカ”や”イザナミ”は、フロートの中に気嚢(飛行船の風船部分)を装備していた。

 ヘリウムガス発生装置も小さなものを備えている。

 いま、気嚢の中にヘリウムガスを満たすことで、浮力を足している。

 そのため、機体重量にしては、フロート部分の喫水は高かった。



「そういや、なぜマストがついてるの?」

 イオリがファラクに聞いた。

 流石にヨット(船)の操船は出来ず、舵を持っているだけだ。

  

「砂漠では、大きな砂嵐が起こるの」

「その中を、そうね」

 ”シラフル湖”に着水している空母、”キサラギ”を指差して、

「同じくらいの大きさのデザートドラゴンが回りながら、上がっていくわ」

「そんなところに、空飛んで、突っ込んだらどうなると思う?」


「バラバラ?」


「そ、防御障壁を備えた飛竜と竜騎士でも、無理でしょうね」

「だから砂上を走る必要があるの」

「小っちゃな砂上船になるってことね」 

 帆を器用に操りながらファラクが言った。


「船としての機能は、大丈夫のようね」

 ファラクは、しばらく”イザナミ”をヨット状態で走らせた。


「飛んで帰ろっか」

 帆を畳んで、マストを収納している時に、南の方から巨大な白い飛行船が飛んできた。



 シラフル湖の南には”シルンの森”が広がっている。

 約5年前に、森を越えた南にある、ヘタリナ王国の”アキンド”の街”オウザク”と飛行船の航路を開拓した。

 昔の名前は”トバズの森”。

 ワイバーンの巣があり、大変危険な森だった。

 しかし、ワイバーンは、自分より大きなものは襲わない習性があるらしく、巨大な飛行船は安全に飛行できている。

 

 ちなみに、ヘタリナ王国の”アキンド”や”シゴトニン”、”オンミツ”という言葉は、”エドジダイ”という異世界から伝わったと言われている。


 白い飛行船は、シルン領が保有する、観光船だ。


 ”ムツキ級飛竜空母”をホテルに改造した観光船、”シュリンプ・オブ・シラフル”である。


 シラフル湖の南に広がる湿地帯で取れる、エビ料理が評判だ。

 クルーやホテルマン全員、見るからに厳つい男性ということが知られている。

 船長に腕には、なぜか、赤いロブスターの入れ墨が入れられていた。

  

「明日、街に市場が立つな~」

 ”ムツキ級飛竜空母”の有り余るペイロード(搭載能力)で交易品を大量に乗せている。

 領都”シルン”で、必要なものを市場で売るのだ。

 次は、”シルルート王国”の王都”エルダーウッド”に向かうはずである。

 明日は、付近の村人も集まって来て、お祭りのようになるだろう。


「……一緒に行かないか?」

 イオリが、そっぽを向いて言った。

 

「……良いわよ」

 ファラクもそっぽを向いて答えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ