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飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
第一章、イザナミ

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第十三話、ホメル

 飛行艇空母”キサラギ”の、人気のない格納庫のすみである。


「クルック様、分かっているでしょうな」

 感じの悪い上官が言った。

 上官は、クルックの実家である”エンバー伯爵家”の寄り子の子爵だ。

 

「ふんっ」

 クルックは、不機嫌そうにそっぽを向いた。


「その態度、エンバー伯爵様に報告させていただきますよ」


「……分かったよ。 選考から落ちればいいんだろっ」


()()の置き場所は、確認してあります」

 上官は、寄り家の伯爵令息であるクルックに、終始、見下した態度を変えなかった。

 しばらく、二人の密談は続いた。



 全員、”シラフル湖”の教導部隊の基地に帰っていた。

 早朝だ。


「ふっふっふ~」

 ファラクの前に、砂上用飛行艇”イザナミ”が浮かんでいる。

 桟橋の上だ。

 

――やっと動かせるう~

 イザナミを動かすのは、船巫女ふなみこの本能の様なものだ。


「美しい機体カラダだっ」


「えっ」

 ファラクが驚きの声を上げる。 

 イオリだ。

 いつの間にか後ろに来ていた。


「煽情的かつ、セクシーで、凹凸のはっきりした、グラマラスな、ボディッ」

「小悪魔で、悪戯いたずら)好きな娘を連想させる、可変後退翼っ」

「めくるめく”初体験”を期待させるエキゾチックな、無垂直尾翼っ」 

「凄いっ、ゲインが”ネコジャラシ”(←×ザ〇)の二倍あるっ

 と、思わず叫んでしまう、縦置たておき双発ジェットエンジンッ」(←ジェットエンジンが二つ、ついていること)

「動く密室っである、密閉式キャノピーッ」(←しかも与圧式)

「更に、銀色の植物の蔦のような、螺鈿細工らでんざいくのような、瀟洒しょうしゃなお化粧つきだっ」(←魔紋のこと)

艶女(アデージョ)だっっ」(←異世界の言葉) 


 ハアッハアッ


 イオリが一息に言い切る。

 ファラクが、全身を真っ赤に染めてしゃがみ込んでいた。

 船体=船巫女ふなみこの体である。


 イオリの大声に、周りに人だかりが出来ていた。


「……壮絶だな……」

 クルックだ。


――イッ、イオリの馬鹿ああ 

 午前中は、何故かファラクの腰が抜けて使い物にならず、午後からの活動となった。


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