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飛行艇を愛でていたら、砂漠の踊り子さんに愛でられることになったのです。熱砂の潜砂艦物語  作者: トウフキヌゴシ
第一章、イザナミ

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第十話、エンセイ

「離発着はもう心配ないだろう~」

「次は、遠距離飛行を行ってもらう~」

 メルル―テだ。

 飛行艇空母”キサラギ”のブリーフィングルームである。


「ここを飛んでもらう~」

「大体4時間くらいのフライトだ~」

 机の上の地図を指でなぞる。

 地図には”白眉はくび山脈”と書いてあった。



 ”白眉山脈”は、レンマ王国の南に横たわる山脈である。


 三千メトル級の山々がつらなり、渓谷沿いを飛ぶ”ルート”があった。

 直接飛び越えるより安全に移動できるのだ。

 今回飛ぶのは、シルン領から南東にあるシルルート王国に通じる”ルート”である。

 昔は、飛空艦に乗った空賊が出没していた。

 今は、”キサラギ”や”ミナヅキ”が定期的にパトロールしている。


 目的地は、山上湖である”マルーン湖”だ。 


 ”マルーン湖”は、シルン領からシルルート王国の丁度半ばくらいの距離にあり、最近は観光地として人気がある。



「今回は、”飛竜飛行艇二段空母、ミナヅキ”の協力を得た~」

「先に、マル―ン湖で待機してくれる~」

「ミナヅキに着艦せよ~」

 ”ミナヅキ”に着艦するのは初めてだ。


「それと、後席にファラクを乗せてもらう~」

「以上だ~」


 出発は明日の午前八時と決まった。



 ”キサラギ”の飛行甲板から、二機の可変翼飛行艇”ネコジャラシ”が飛び立った。 

 切り立った崖の間のルートに、二機が侵入していく。

 何かあった時のために”キサラギ”が後をついて行くのだ。

 クルック機の後席には、ファラクが乗っている。

 帰りはイオリ機に乗る予定だ。


 飛行艦が一艦、ギリギリ飛行できるくらいの幅を二機は飛ぶ。

 翼は全開にされていた。


「今度は吐くなよ~」


「機内では、吐いてないわよっ」

 ファラクは、あれから訓練して鍛えられている。

「実際、この機体はどうなのよ」


「ふんっ、縦も横も安定が全然足りてねえ」

「ちょ~と油断するとすぐ、スピンだ」 

「でもなっ」


「きゃっ」


 いきなり鋭角に急上昇。

 前部小型ジェットを吹かした。


 つばさの軸を中心に、前後に機体がクルッと回る。


 垂直離発着用のジェットを使った強引なベクタード・スラスト(推力偏向)だ。

 元の高度に戻る。


「はっ、可愛い声出してんじゃね~よ」

 クルックが笑う。


「いっ、嫌なやつね、あんた」


「クルック、遊びすぎだ」

 イナバの声が無線から聞こえる。


「了解」

 クルックは、飛行艇を操る腕だけは確かなのである。



 昼少し前だ。

 くねくねと曲がったルートを抜け、目の前に山上湖である”マルーン湖”が見えてきた。

 もう既に、空母”ミナヅキ”が湖に着水していた。

 

 飛竜飛行艇二段空母”ミナヅキ”は、甲板の後部にある飛竜用の竜舎の天井に、飛行艇用の甲板を取り付けたものだ。

 左右にティルトローター式のプロペラ推進器が四機。

 後部に、術式プロペラ推進器が×字状に四機、搭載している。

 仮設空母に近い。


「こちら”ミナヅキ”、着艦訓練どうぞ」


「せまいな、こりゃ」

 イオリ機が、先に着艦。

 イオリ機がすぐに離艦してから、続いてクルック機だ。

 一機ずつしか離発着は出来ない。

 ”キサラギ”が到着する昼過ぎまで訓練は続いた。


 ”マルーン湖”は月見の名所である。

 今夜は月見をしながら、ファラクやクルック、新たな整備士の歓迎会を行う予定である。

 今夜と明日一日を休暇日とした。



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