娘がヲタの場合。
いわゆる反抗期も二度目になれば、堂にいったもんである。
小さかった娘もチャイルドシートから脱出し、今じゃ後部座席でスマホをいじって送り登校されるご身分。早いもんだ。
しかし、残念ながら成績はあまり良くなく、誰に似たかと夫婦で困惑する毎日だが、残念ながらトンビの子はやっぱりトンビなんだと自覚するしかない。当然である。
さて、そんな娘はヲタである。別にそれ自体は全く問題は無い。父親の自分だってテレビのアイドルより漫画やアニメキャラの方が知ってる人数多いのだ。やっぱりトンビの子はトンビなのである。
お陰様でHDDレコーダーはパンッパンである。容量一杯のアニメを一体お前は何時になったら消化すんだ? と疑問だが、まぁ、場所を取る訳じゃないのだから、目を瞑るとして……
……部屋中がジャン○だらけである。
いや、だから別にジャン○が悪いとは言わん。因みに俺は全く読まないけれど、それはともかく……場所を取るのだ。山積みのジャン○が俺の部屋まで侵食して来て困る。
「おい娘。ジャン○片付けろ」
「んー? そのうち片付けるよ」
そんなやり取りが半年続き、我が家が集英○専属の倉庫になりかけた時、それが訪れたのだ。
【鬼滅の○ 最終回!!】
世間はビッグウェーブに飲まれた!! 鬼滅の○ロスで自失茫然と化す若者が続出っ!! ……は、しないけど、我が家に平和が訪れた。
娘の部屋から山積みの書籍が搬出され、子牛を出荷するテーマソングが流れる中、近くのスーパーの本回収場所へと運ばれていった。俺の休みを浪費して。
……と、そこまでは良かったが、俺は信じていない。
近いうちに絶対、次のターゲットを見つけて、娘は新たな山積み書籍を構築し始めるだろう。
「おい娘。ヤングジャン○片付ける」
「んー? そのうち片付けるよ」
……嗚呼、ヲタな娘の未来が見える……きっと、立派なヲタに成長するのだろう。
でも、なろうだけはやめておきたまえ。
俺の居場所が無くなるから。
ま、場所は取らないけどね。