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北方の獅子王、友とライバルとの再会

この物語を始めます

私は蘭堂透、日本人だ。ただし、今はだが…

何故そのような事を言うか?それは私には前世の記憶がある。


前世での私はスウェーデンの国王グスタフ・アドルフだった。

私は蘭堂となってから私が軍事史で讃えられていることを知った。どうやら近代軍隊の父らしい…

また私より後に世に出たナポレオン・ボナパルトという英雄に七人の天才の一人に数えられ、近世近代で最初だそうだ。

アレクサンドロス大王、ハンニバル・バルカ、ユリウス・カエサルといった大英雄と並べられるのは嬉しい反面私の最後からいえばそれほどのことを出来たとは思えない恥ずかしい気持ちもある。


ちなみに蘭堂透としての職業であるが軍事にも興味はあるし、日本にも愛着がわいているので自衛隊に入隊するため、防衛大学校通称防大に入った。

一応防大生も国家公務員扱いなので給料のようなものがある。

今22歳なので、もう少ししたら自衛隊に入隊する。ただ本格的に任務につくのはまだ先ではあるが。


現在の日本の状況であるが、私の統治していたスウェーデンよりかなり状況が悪い。

様々な要素があるが最大の難点は軍事面だ。憲法九条により交戦権がない。そもそもそんな状態になったのは二度目の世界大戦に敗戦後、軍事力が高かった日本の力を弱めるためだ。

一度軍隊を解体されたもののその後の情勢変化により自衛隊が出来た。

さらにその後の教育の結果によって戦争そのものに対するアレルギーも激しい。どうやら平和を維持することの意味を忘れてしまった国民が多いようだ。

私は世界大戦の惨禍を目にしていないため、詳しいことを言えないが…ひとついえるなら戦争の恐ろしさは知っている!

ただ…私以外に前世の記憶がある人間をまだ知らないため言えない。


そんな時だった。同じ防大生で同学年の瑞風明日香から話しかけられたのは。

「蘭堂さん、一緒に来ていただけませんか?」

「瑞風さん、いいけどどうしたの?」

「それは後ほど。」

そう言われ、私は人目のないところに言った。

「瑞風さん、話は何かな?」

「やっと見つけましたよ。蘭堂さん…いえグスタフ・アドルフ陛下」

「何故…それを。まさか、オクセンシェルナか!」

「はい、陛下。やっと気づきましたか…確かに性別が違いますから気づかないのは仕方ありませんね」

「私としたことが…こんなに近くに私の理解者であり友がいたのにきづかないとは」

オクセンシェルナとはアクセル・オクセンシェルナといい、私の治世の時に宰相として私をささえ、娘のクリスティーナも最初だけだが宰相として三十年戦争集結まで尽力した私にとって最高の友だ。

「ちなみにオクセンシェルナ、他に前世の記憶を持つ者は周りにいるか?」

「陛下、申し訳ないのですが…いるにはいますが今の名前は石動哲也で前世での名はアルブレヒトフォンヴァレンシュタインです」

「そうか…ヴァレンシュタインもな…」

アルブレヒトフォンヴァレンシュタインとは私も参戦した三十年戦争で神聖ローマ帝国軍の司令官として戦ったいわゆるライバルだ。私の最後の戦いでリュッツエンで私は…


だがヴァレンシュタインも最後は悲惨だったらしいから、恨む気にはなれない。


「オクセンシェルナ、申し訳ないが、石動…いやヴァレンシュタインと話がしたい。呼んで来てくれないか?」

「よろしいのですか?」

「構わない。頼む」

「わかりました」

そうして瑞風は石動を呼びに行った。

「蘭堂さん…もしかして、グスタフ・アドルフか?」

「やっとわかったか?まぁ私も瑞風をオクセンシェルナと知ったのはつい先ほどだが。まさかヴァレンシュタインまでいるとは思わなかった!」

「で北方の獅子王が私に何の用かな。だいたい察しはつくが」

「その予測は正しい。私たちと手を組まないか?ヴァレンシュタインほどの才能があれば今の日本の困難な状況を少しでもよく出来ると思うのだが…」

「それはそうだがな…今の日本の政治形態では俺たちだけでは無理だ。行政上の協力者が必要になる」

「私たちは軍事…日本では国防だな。私に関しては今日オクセンシェルナとヴァレンシュタインとあったのだからな」

「なら一人俺が知っているな…ただグスタフ・アドルフには複雑な気持ちになるとは思うが…」

「私がそうなるのは妻のアンナとクリスティーナだな…」

「一人は当たりだ。クリスティーナだな…そしてもう一人いる。グスタフ・アドルフ、お前の父親であるカール九世だ」

「なんと、父上が…もしかするとお前のところの一族が揃うかもしれないな」

「どうやらクリスティーナの後の君主もなかなか優秀らしいな。私としては嬉しいが…後の展開を聞いているとな…」

まず父上であるカール九世だが、私の才能開花にかなり手助けになった。私がすることに否定的な意見はなかった。まあ、私が17歳の時になくなってしまったから悲しくはあった。

クリスティーナの後に国王となったのは私の甥であるカール十世だ、私同様軍事的才能があるが、情勢悪化でかなり苦慮したようだ。


その息子であるカール十一世は軍事的才能はあまりなかったが内政面ではかなり有能なため、クリスティーナに近いタイプのようだ。


そしてカール十二世だが…控え目に言って個人の才能としてはおそらく私よりある。何せ私の時には小国だったロシアの全盛期であり、あのピョートル大帝なのだからかなり頑張ったなとは思う。

私の血統はここで絶えたが…それは仕方ないことであるからカール十二世を責めるつもりはない…


そんな出会いがあり、私は信頼を深め合い自衛隊に無事入隊した。ちなみに皆陸上自衛隊だ。海戦の才能があるものが周りにいないからな…かく言う私も船に大砲積みすぎて沈没させたことがあるからな…


訓練などは済まないが省略する。あまり進展がなかったからな…

そして正式に配属された訳だが…まず石動ことヴァレンシュタインだが、ざっくり言えば迫撃砲という大砲の発展型の運用だな。

あいつにはいい勉強になるだろう。ちなみに私は知識としては全て頭に叩き込んである。

瑞風ことオクセンシェルナは統合幕僚監部で近現代から出てきた参謀本部の発展型で、オクセンシェルナはそういう才能もあったのでちょうどいいな。

で私だが…また研修を受ける羽目になった…

私の才能は軍事面や政治面に注目されがちだが、実は語学も割と自信がある。スウェーデン語以外にオランダ語、ドイツ語、フランス語、イタリア語はネイティブ並ではあるし、ロシア語やポーランド語、英語も理解できたから、蘭堂となって勉強して、マスターしたと言っていい。

前置きが長くなったが、私はいわゆる通訳に配属されることとなる。

完璧に外国語をマスター出来るものはそうはいないので軍人に対しても通訳は必要不可欠だからな。

ちなみにその際は日本語禁止で通訳を担当する言語だけで生活をする。そうすることで語学力を上げ、正確な翻訳能力を培う。


私の担当言語だが…正直に使える言語を話したところ、ドイツ語となった。まぁ、当然の事ながらドイツはヨーロッパの中核となっているから。ただ…ドイツ語はメインであるものの、かつての母国語であるスウェーデン語はもちろんのことオランダ語やポーランド語、ロシア語もいけるため、かなり重宝するだろう。

そちらに駆り出されることも確定だな…


とはいえもしかすると前世の記憶があるものがいるかもしれないので、こちら側につけたい狙いもあるからな。


そんなこんなで私たちの自衛官としての生活が始まるのだが…

この時はまさかあんなことになるとは思っていなかった。


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