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夢日記の書き方について

作者: 杜松ニミル
掲載日:2020/10/17

 私は別の作品として、自分の夢をできるだけ端的に正確に文章化することにしました。それは少なくとも7年前から細々と続いていますが、私が精神異常をきたす徴候は、少なくとも私が感じる限りはありません。


 私は、また、これを読んだ方々がこれと同様の形式で各個人の夢を記載した文章を読んでみたいとも思っています。


 自分が見る夢は、自分しか知らない法則を持った、自分しか知らない世界の、自分しか知らない場面です。

 場面ではなく物語と表現しても良いかもしれませんが、明確なストーリーは必要はなく、整合性も起承転結もオチも必要ないのですから、やはり物語よりは場面という言葉が相応しいでしょう。

 それを記載するという行為のさらに面白い点は、その場面を自分が意識的に産み出したわけではないという点です。つまり、自分しか知らない場面である上に、自分が作り出したわけではない。それはただ単に「そこにあった」もので、自分が漏らさず記載する以外には、この世にとどまる術のない場面です。

 

 そこでは自分は当事者であり、傍観者であり、創造主でありながら被害者で、本質的には執筆者兼読者であることを自覚したレポーターです。


 記載する上での注意事項は、とにかく正確に、端的にという点です。

 他人に興味を持たれることが難しい夢というものを伝えるためには、最小限の文字数で、この世に存在しない風景、物品、概念、法則、雰囲気、感情、思考回路を表現することが重要です。


 その夢の中の自分が考えたことを記載することは大いに意味がありますが、夢を記載している現在の自分の感情や思考回路は不要です。


 また、自分にとって馴染みのある情報量の多い景色、たとえば自分の家などについては、得てして正確に書きたくなるものですが、重要なのはこの場合「自分の家だ」という点であり、本棚になにがおいてあるとか、隣の部屋はどうなっているとか、押し入れのなかには何があるかなどをいちいち書いていては冗長になってしまいます。


 私は夢日記に、実験レポートのような端整な佇まいを求めているのです。


 最後にあなたに魔法をかける、私の可愛いイタズラ心に付き合ってください。夢日記を書くことは小説家を目指す上で非常に有用なトレーニングとなるでしょう。

 自分の表層意識が介入できない場面の連続を、他人に伝えなければなりません。それは文脈も常識も存在しない混沌の世界です。

 その上、その世界はあなたがそれをみた瞬間からその全てが確定していき、あなたが文章の正確性を故意に損なわない限り改変できません。目覚めた瞬間から崩壊が始まるにも関わらず、です。

 それを限られた時間と指定されたフォーマットで正確に書き記すことができる人間にとって、フィクションの小説など朝飯前のことでしょう。夢だけに。


 今すぐに思い出す必要はありません。

 この先何年かの後

 瞼の裏に鮮烈に刻まれた異様な光景を

 なぜか忘れなかった朝に

 あなたがこの文章も覚えていたのなら

 そして気が向けば

 私にあなたの夢を届けてください


 私はそのさらに何年後かに、今日のようにふと思い立ち、それをみることでしょう。

 私はこれまでも、これからも、気まぐれに夢日記を書きながら、どこかで、平穏な日常を送っています。

キーワードに「夢日記」「ノンフィクション」の2項目を追加して頂けると助かります。

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