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⒃『生と死に関する記録』
⒃『生と死に関する記録』
㈠
何かに死に絶える時、一つの怨念の様なものが現象し、昔の怪談では、様々な妖怪になって対象に復讐を行う、と言った話がある。小説上のことなのである。それが、いつか、現実でも起こり得る様で、その人の生から死への推移を記録すれば、一つの小説が出来上がるくらいであろう。
㈡
現代、復讐はあってはならないと、思考できる。つまり、復讐が芽生える前に、自己処理で、復讐心が生じない様に動かなければならない。物事は、複雑な様で、簡単でもある。自己と他者の間を、一種の線引きの様な形で、自己を守らなければならないのは、現代では必須である。
㈢
生と死の記録が、幸せな記録になる様に願うのは、誰の人生のためにも、必要な措置だろう。堂々巡りで、生と死の記録を、不幸のまま置き去りにするのは、人類上の悲劇である。誰にも復讐心を持たないまま、安らかに人生を閉じた時、周囲にも安堵と共に、生と死に関する記録が、成功譚に変容する姿が見える。




