お落ち葉さんのおくりもの。
___寒い冬になるとね?
僕たち落ち葉は、冷たくて寒い寒い風に吹かれて舞っているんだよ。
葉っぱがクルクル回転しながら、地面に落ちていくんだ。
ヒュルルル~ヒュルルル~と強い風が吹くとね?
木の枝から葉っぱが落ちてくるんだよ。
次から次へとだ。
落ちる前の僕たちは、“葉っぱ”なのに?
地面に落ちると? 落ち葉になるんだよ!
赤や黄色の葉っぱが、クルクル風に吹かれながら
落ちてくるんだ。
*
___そんな時にね?
僕たち落ち葉の前にある!
ベンチに少し寂しそうに小さな女の子がポツンと座ったんだ。
___でもね?
女の子が小さな公園のベンチに1人でいるのは......?
なんだか、おかしいね?
僕たち落ち葉が、そんな風に思っていると?
その女の子が、急に泣き出したんだよ!
___ひょっとして?
この女の子は? 迷子になったのかな?
ママと離れ離れになってしまったの?
急に心配になってきたよ。
どうにかして、この子のママとこの子を会わせてあげないと?
___そして、僕たち落ち葉がこの子に話しかける事にしたんだ!
風に吹かれて、この女の子の元へ葉っぱが落ちるようにね!
パラパラと落ちてくる葉っぱが、女の子の頭に降り注ぐ。
女の子は、先まで泣いていたのに! パッと泣き止んでニコニコしているよ。
【___良かったね! 笑ってくれたよ!】
【___今度は、この子のママを探さないとね?】
【何処にいるんだろう? 木の上に付いている葉っぱくん? 聞こえるかい?】
【___うん! 聞こえるよ!】
【___この子のママを、一番高い場所に付いている葉っぱくんに探してほしい
んだよ! 頼まれてくれるかな?】
【___もちろん! いいよ!】
僕たち落ち葉は、この女の子の笑顔を見るために必死だったんだよ!
さあさあ~もっと笑って!
風に吹かれて、僕たち落ち葉が深呼吸をすると......?
一枚一枚が、違う動きをするから!
それを見た! 女の子は、キャーキャー嬉しくなったのかな?
急に、元気に走り回って楽しんでいるよ!
両手を空に向けて、木から落ちてくる葉っぱを取りたいみたい!
『わーあ! すごい~ わーあ! すごい~』
*
___その頃、一番高い場所に付いている葉っぱくんがこの子のママを
見つけたみたい!
【___おーい! 見つけたよ~この子のママがこの子を探しているよ~】
【___はやく! 会わせてあげないと!】
【___そうだよね! あの子ママに知らせてあげよう!】
【・・・でも? どうやって?】
【___風に乗って、あの子のママの所に行くんだよ!】
【___うん! いいアイデアだね!】
___早速、木に付いていた葉っぱ達と協力して風に乗ってあの子のママ
のところへ!
『___あら? 葉っぱ? 何処から落ちてきたのかしら?』
【___ここだよ! あの子のママ! ここにあなたの大切な女の子が
いるよ! はやく! 会いに来て!】
*
・・・僕たち落ち葉は、女の子にも話けていたんだ!
___きみのママは? 近くにいるよ!
きみも、はやく! ママのところに戻りたいでしょ?
僕たち落ち葉も、きみをママのところまで連れててあげるよ!
【ビュービュービュービュー】
*
___そんな時に、小さな女の子がママを見つけたよ!
女の子は、ママを見つけたとたん! 大泣きしながらママに
駆け寄って行ったよ。本当はものすごく、不安だったんだね!
『___ママー! ママー!』
『___さっちゃん! 何処に行ってたの? 心配したのよ!』
『___ゴメンナサイ! もうママと離れないよ!』
『___ママもさっちゃんともう離れないわ!』
___そう、お互い言うと?
ふたりは、ギュッとまた抱き合ったんだ!
女の子はママに抱きしめられても、まだ泣いているみたい!
ママも、少し泣いているみたいだね!
やっぱり、心配だったよね! 娘がいなくなったんだから。
・・・でも?
会えてよかったね!
『ねえママ! 落ち葉さんがね! わたしとママを会わせてくれたんだよ!』
『___えぇ!?』
『___わたしね! 落ち葉さんの声が聞えたんだ~!』
『___さっちゃんは、落ち葉さんがなんて言ってたのか、分かったの?』
『___うん!』
『___落ち葉さんは、なんて言ってた?』
『___“わたしとママをはやく! 会わせてあげなくっちゃ!”って!』
『___じゃあ~これは! “お落ち葉さんのおくりもの”だね! ママと
さっちゃんを会わせてくれたんだから!』
『___う、うん!』
おしまい。
最後までお読みいただきありがとうございます。