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おはよう、不登校  作者: ひめりか
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3/9

オレンジ

 憲は二日に一度くらいの頻度で充希の病室に通った。

 充希の両親は良く見舞いに来ていた。

 二人きりのときは学校の話や病院生活の不満を言い合った。


「あ、アイス食べたい」

「え、アイス?」

 それは唐突だった。彼女がアイスを好きだったという記憶がなかった。入院してから食の嗜好が変わったのかもしれない。

「下に購買あったから買いに行こ?」

「いいよ」

 病室に戻ってくると、彼女はアイスを美味しそうに食べた。嬉しそうな顔が見られて良かった。


 奈央と二人で見舞いに行ったときは、帰りに受付の隣に血圧計が置いてあったので、二人で測った。

 お互いの数値を見たが、高いのか低いのか良く分からなかった。

 帰り道で近くのラーメン屋に寄った。濃厚でなかなかに美味しかった。


 学校はどうするんだろうなーと、吞気なことを考えていたが、彼女の容態は思いのほか、深刻だった。

 充希の様子は悪くなっていった。寝てばかりになって、風呂にも面倒がってあまり入らなくなった。

 元気付けようと、充希が良く食べていたオレンジを買っていったが、反応が曖昧で口が回っていないようで、結局渡せなかった。悲しくて寂しかった。

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