表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/27

騒動

いや〜売れた、売れた。予想以上だ!


俺は喜びながら、商人ギルドから外へ出ようとした。



受付で待っていた俺のところに、行商人の…パサーさんがいきなり来たのは、驚いたけど、その後、受付から個室に移って交渉をした。


その結果、銀貨10枚ゲットした。


そういえば、銀貨を貰う時、パサーさんが、何か言ってたけど、忘れた。

というか、交渉で俺が何を言ったのかもあまり覚えていない。

俺も予想以上に高く売れて、少し混乱していたようだ。




外に出ると、すでに夕方と言っていい時間になっていた。


さて、あとは宿だけだな。


確か、ゲートさんオススメは、眠りの森亭だったっけ?


場所は……


俺はその場で、固まった。


場所、どこか、聞き忘れた。


……はぁ〜、しょうがない、周りの誰かに聞いてみようかな。


俺は、周りに宿のことを知ってそうな人がいないか探そうとした時、


「タツヤくん?」


急に名前を呼ばれて、目を向けると、そこには、今の俺の救世主ゲートさんがいた。


「ゲートさん!」


俺は急いで、ゲートさんに近づき、頭を下げて、お願いした。


「宿まで俺を案内してください。」


「え!」


ゲートさんは、俺の急なお願いに驚いていた。

がすぐに気付いてくれた。


「そういえば、宿の特徴は言ったけど、場所については言ってなかったね。これは、私のミスだな。ごめんね。」


「あ、いえ、今こうしてお願いしていますので。大丈夫です。」


「そう言って貰えると助かるよ。宿の案内については、私も今日の仕事が終わって、向かうところだから、一緒に行こう。」


「よろしくお願いします。」


俺は、ゲートさんと一緒に宿へと向かった。




「結構、大きい宿ですね。」


眠りの森亭の前に、たどり着いた俺は、見た感想を言った。


「まぁ、大きいだけで、従業員が少ないから、空いてる部屋が多いのが現状かな?」


「何で、ゲートさんがそんなことを知っているんですか?」


「中に入ればすぐに分かるよ。」


その言葉を聞いて、俺は中に入っていった。


「いらっしゃいませ。…あら、お帰りなさい。あなた。」


あなた?俺は後から入ってきたゲートさんを見た。


「ただいま。…タツヤくん、紹介しよう。私の妻ターナだ。」


妻?…えっ!ゲートさん結婚していたの!まじで?

俺が失礼な事を思っている間に、


「初めまして。ゲートの妻で、ここ眠りの森亭の女将をつとめています。ターナと言います。」


「あ!初めまして。俺はタツヤと言います。ゲートさんから紹介されて来ました。」


「と言うことは、タツヤくんは、ご宿泊を希望するお客様ね。期間は、どれくらいを予定しているの?」


「とりあえずは、長期での宿泊を希望しています。」


「長期ですか?分かりました。ここは、1泊銅貨5枚しますけど、代金の方は……」


「銀貨で大丈夫ですか?」


俺が、ポケットから銀貨を何枚か出すと、二人がすごく驚いていた。


「タツヤくん、銀貨なんて、どこで手に入れたんだい?」


「?ゲートさんには、言ったじゃん。売りたい物があるって。それを売って、手に入れました。」


「売りたい物って、確か、塩だったよね?」


「はい。商人ギルドで塩を売って、手に入れたお金です。」


………少しの間、沈黙が続いたが、


パンパンッ!

ターナさんが手を叩いて、


「はい。この話しは、とりあえず、ここで終わりにしましょう。それじゃあ、タツヤくんは、長期の宿泊で、費用は、銀貨1枚を先払いとして、足りなくなったら追加で、払う。これでいいかしら?」


「はい。それでいいです。今日から、よろしくお願いします。」


俺は、銀貨を1枚、ターナさんに渡した。


ターナさんは、銀貨を受け取ると、受付のところに行って、何かをこっちに持ってきた。


「はい。これが、部屋の番号と鍵よ。部屋は、そこの階段を上がった二階にあるから。一応、タツヤくん以外にも宿泊している人がいるから、部屋は、間違えないように!」


「分かりました。間違えないように気をつけます。」


俺は、階段に向かって、歩き始めた。



二階に到着した俺は、番号を確認しながら、部屋を探した。


「番号は、4か。しかし……」


俺は、一つ気になることがあった。


それは、ターナさんが、俺に部屋を間違えないよう注意をした後で、何かを忘れているような表情をしていた。


その場では、何も思わなかったけど、今になって、少し不安になっていた。


幸い?俺の部屋はすぐに見つかった。


「トビラにある数字は4、鍵の数字も4。間違えない。」


俺はトビラを開けた。


そして、部屋の中を見た。



なぜか、

下着姿のサラが部屋の中心に立っていた。



「は?」


「え!」



ヤバい!


とりあえず、俺は、無言でトビラを閉めて、耳を塞いだ。


キャアーーー!!


それでも、やっぱり悲鳴が耳に聞こえてきた。


「お嬢様!どうしま……あれ?タツヤさん?どうしてここに?」


隣の部屋から、スーさんが出てきた。


「スーさん、…また、会いましたね。どうしてって、この宿に俺も今日から泊まるからです。」


「タツヤさんも、ここに…それでお部屋は?」


俺は、無言で目の前のトビラを見た。


「え?……まさか!」


どうやら、スーさんは、何が起きたのか理解したらしい。


「さっきの悲鳴は何だ!一体何があった。」


今度は、下の階から、ゲートさんとターナさんが来た。


ターナさんは、部屋の前に立っている俺を見て、何があったのか気付いたみたいで、


「も、もしかして?」


俺は、無言で頷いた。


ターナさんも何が起きたか分かったようだ。


「えっ?えっ?」


ただ1人、ゲートさんだけが何があったか分からず慌てていた。




あの後、ターナさんから一階の食堂に行くように言われた。


俺とゲートさんは先に一階に降りていき、その後、スーさん、ターナさんは、サラを連れて食堂に来た。


サラは、食堂のイスに座っている俺を見つけると、今すぐ殺すと俺に思わせる程のすごいオーラを出した。


まともに話ができるか不安になる俺だった。



全員がイスに座ると、今回の事故?がなぜ起こったのか、原因を一番よく知っているだろう、ターナさんが、説明を始めた。



どうやら、昨日から泊っているらしいサラとスーさんは、節約?無駄遣いを抑えるために、一部屋だけ借りて宿泊していた。

(一部屋ごとに二つのベッドが置いてある。)

夕方になる前に、部屋に戻ってきた二人は、暗くなる前に、明日のための準備をしていた。先に終わったサラは、着替えと汗を拭きたかったが、まだ、準備が終わってないスーさんの邪魔をしたくなかった。

結果、ターナさんに空いてる部屋を使って良いか聞いてみた。

ターナさんも、汚さなければ良いと、OKを出した。

サラは、桶に水を入れて、二階へ戻る。

俺が眠りの森亭に来る

銀貨騒動?で、ターナさんは、空き部屋の使用許可をサラに出したことを一時的に忘れていた。

そして、運悪く?、サラが使っている部屋と、ターナさんが俺に渡した鍵の部屋が一致した結果

事故?が起こった。



サラとスーさんは、途中に出てきた銀貨騒動について、ターナさんに聞いた。


俺が、銀貨を複数枚持っていると知ったら、二人とも驚いていた。


そんなに俺が、銀貨を何枚も持っているのが、異常なのか?





その後、話し合いの結果、今回の事故?は、一応、宿側の失態として、今後も、事故が起こらないように、サラとスーさんにもう一部屋を無料で提供する形で終わった。


今回のこれは、不幸な事故で、誰が悪かったとかはない…はず。


だから、まだ俺を睨むなサラ。


お前が、夜になって、俺を襲ってくる可能性があると考えると、安心して眠れないぞ。


…別に眠らなくていい体になったけど、俺も、今日は、いろんなことがあって、疲れているから、寝たいんだ。


だから、来るなよ!と心の中で祈りながら、席を立ち、自分の部屋へ向かった。


時刻は、夜になっていた。


俺は、部屋の中に入ると、ポケットからスマホを出して、机の上に置いて、ベッドに入って寝た。


明日は、平穏であるようにと、願いながら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ