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ダンジョン開通

4月9日 06:30


結果から言おう。



俺はまだ死んでいない。生きている!



理由は、ごく単純なことだった。



それは、俺が人間ではなくて、ダンジョンマスターになっていたからだろう。……たぶん?


だって、今日までずっと、飲まず食わずで生き続けている理由はそれぐらいしかないから。当たっている…と思う。



たぶんだけど、この体、飲まず、食わず、それに睡眠もあまり必要ないと思う。


寝ることはできるけど、直前に何時くらいに起きる、何時間寝るのかを決めておくと、そのとおりに起きられるからだ。


まぁ、今では、便利な体になったなぁ程度に思っているだけだ。




他にも、今日までに新たに分かったことがある。


それは、スマホのアプリ、ダンジョンツク〜ルについてだ!


最初は、0DPで何もできないと思ってしまったけど、なんと!0DPで交換できる、つまり、無料のものがあったのだ!


それで、手に入ったものはこれらだ。


地図 (マップ)

自分の周辺の地形、環境が表示される。

これで、外に出たら森が広がっていることが分かった。



次は、


魔法大全

魔法の属性、階級と種類、効果や範囲等が載っていた。



と、


武器集

様々な武器の名称と効果 (一部呪い)が書かれていた。



両方とも、今日までいい暇つぶ…ゴホン、役立つ情報を得ることができた。



最後は、


検索サイト G (たぶんグー○ル?)

何か調べようとしたけど、調べるには、1ヶ月分、100DPが必要だった。本体?だけが無料。くそっ。



このように、直接ダンジョンに関係がないものでも交換できるものが多数あった。

どれもDPを使わないといけないから交換できないけど……





06:59


後少しで、外に出ることができる。


7時まであと、5…4…3…2…1…0


「よっしゃ〜7時になったぞ〜、これで…」


し〜〜ん


あれ?


7時を過ぎたけど、変わったことは特に起きていない。


「え!」



まさか、外に出られない!



そう思った俺は、急いで透明な壁があった出入り口の所に行った。



ビリリ!



透明な壁があった部分より、一歩くらい離れた所に足が着いた瞬間、全身に静電気が走ったような感覚が起こり、立ち止まってしまった。



すると、



ブゥ〜ブゥ〜



持っていたスマホが鳴りだした。



画面を見ると、


警告

ダンジョンから外へ出るためには、現状、ダンジョンを解体する必要があります。解体しますか?

はい

いいえ



解体?



俺は、解体について分からなかったが、都合良く、解体についてと表示が一緒に出ていたので、先にそっちを押した。



解体について

ダンジョン内にある、罠や魔物等を全て消去すること。

なお、これまでに使用したDPの還元はありません。

解体する時は、充分な注意をしてください。


と説明されていた。



これなら大丈夫だな


そう判断した俺は、はいを押した。




すると、いきなり周りから光の粒子がたくさん出てきた。


そしてそれらが、俺の目の前に集まるように素早く動いていた。



ピカッ!



全部が集まった時、強烈な光となったため、俺は思わず目を閉じた。




数秒経って、光が弱くなったので、目を開けると、


六角形の金属が目の前で、浮かんでいた。



俺は、ビックリしたが、すぐに鑑定のスキルを使うことにした。



結果


ダンジョンコア

ダンジョンの核となる金属の名称。

これが壊れるとそのダンジョンも一緒に崩壊する。



そういえば、ここ一応俺のダンジョンだったな。


今まで、見たことがなかったから、ないのかと思っていた。



そして、ダンジョンコアを掴もうと、触れた瞬間、


今度は、ダンジョンコアが光の粒子になって、俺の体の中に吸い込まれるように消えていった。



「え!」



いきなりのことに反応できず、固まっていると、



ブゥ〜ブゥ〜



また、スマホが鳴りだした。


画面を見ると、今度は、迷宮(ダンジョン)化のスキルを入手したと出ていた。



迷宮化?詳しく見てみると、



迷宮化

所持者を中心に、半径 (100×Lv)mの円形の範囲内で、死んだもの、一定時間居続けたものから、DPを得ることができる。

また、所持者が自分の体や武器、魔法、道具で殺したものからも、DPを得ることができる。 (範囲内でならDPが2倍になる。)



ここにきて、DPを得る方法を手に入れてしまった。



遅い!!



まぁ、(俺の)ダンジョンはたった今解体したから、今後、DPを得たら、自分のためだけに使えると考えよう。


そう考えると、これからの楽しみが増えた、と納得した。



よし、これでもう外にも出ることができるだろう。


俺は、スマホをポケットの中に入れて、外へと歩きだした。




これが、俺の異世界レグルスでの冒険の始まりであった。







数時間後、


俺は地面に倒れていた……








ダンジョンを出た俺は、外の様子を確認した。


外は、マップで見たとおり、どこかの森の中だった。


そして、その周辺に、街や村のようなものは確認できなかった。


とりあえず、街や村が見つかるまで、マップを頼りに西に真っ直ぐ行こうと歩き始めた。

(東側にはでかい山脈があったから)



森の中を歩いたことや、サバイバルの経験がまったくなかった俺だけど、特に心配することはなかった。


なぜなら、この体は飲まず、食わずでも生きていけるのだから。


食糧の確保や水場を見つける必要はない。


だから、村や街、とにかく人のいる所まで進んでいこうと、気軽に思っていた。


その結果、数時間後に、まったく予想していなかった敵が現れた。



それは、疲労!!



ようするに、疲れて倒れてしまったのだ。


恥ずかしい!!




そう思いながらも、動けずその場で十数分経って、ようやく歩けるくらいには、回復できた。


もう同じ失敗はしないぞ!


そう決意して、今度は休みをいれながら、歩き続けた。




それでも、村や街は発見できず、夜になった。


さすがに、周りが暗くなって、月の光だけでは、遠くを見ることができない状況で、歩くのは、危ないと思い、朝がくるのを待つことにした。



朝がくるのを待つ間、歩いている時に、ときどき感じた違和感の正体に気付いて考えた。


それは、ここに来るまでに、俺は一度も動物等の生き物に遭遇していないことだ。


単純に考えたら、ここら辺には、生き物がいないで終わる。


それ以外の理由は……分からん!



結局、ここら辺には、生き物はいないのだと納得しようとしたら、



ド〜ン、ド〜ン



遠くから何かの音が聞こえてき始めてきた。


何だ?


俺は、音が聞こえる方向に視線を向けた。


暗くてまだよく見えないけど、何かが動いている?ことが分かった。


それが気になった俺は、近づいて見てみようと向かってみた。




聞こえてくる音がどんどん大きくなっている。


ときどき、木が倒れるような音も聞こえてきた。


少しずつ近づいていることが分かる。


だが、俺が近づこうとした時から、月の光が雲に覆われて、先が暗くてまだよく見えていなかった。




十分に近づいただろう。そう思い、俺は空を見た。


丁度、雲がきれて、月の光で辺りが少しだけ見えるようになった。


そして、音の発生源の方を見た。


さっき見た、動く何かが今度ははっきりと見えた。


いや、俺は、見たらヤバいものを見てしまった。



そいつは、


周辺にある俺の身長の何倍もある木と同じくらいの高さで、


その大きすぎる体を支えるのに十分な太くて大きい4本の足、


体表には、所どころ月の光を反射している鱗のようなもの、


背中には、どんな巨体でも飛ぶことができそうな大きな翼が、


顔には、力強い二つの目と、口から鋭い牙が見えた。


そう、俺が異世界に来て、初めて出会った最初の魔物は……



ドラゴンだった。




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