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初めてのダンジョン生活 (1日目)

「うう〜ん、…ここは?」


目を覚ますと、横に倒れていた俺は、とりあえず起き上がり、辺りを見た。


「暗い……何も見えない?」


光源がまったくないせいか、目を閉じている状態とあまり変わりなかった。それでも、


じゃり!


手から伝わった土や小石の感触で、地面の上にいることが分かった。


そして、ここが建物の中じゃなく、どこか外にいることを俺が認識した時、



ブゥ〜ブゥ〜



どこからか着信音?が聞こえてきた。


いきなり聞こえてきた音に、少しビクッ!と驚いたが、音の発生源は、すぐに分かった。


そこだけ、さっきは見た時はなかった小さな光が出ていたからだ。


俺はゆっくりと近づいてみると、すぐに音と光の正体が分かった。



それは、スマホだった。



スマホだと分かり、手に持つと同時に、神域?でのことも思い出した。


「あいつ〜」


俺はつい言葉に出すほど、怒っていた。


結局、あの場で、知ることができたのは、神域とか言う場所にいたことと、あの女性が俺の心の声を聞くことができたことだけじゃねえか!


実際は、時間のほとんどをナレーション?の言い訳に使っていたの俺が原因のような気もするが、それを棚に上げて怒っていた。




そして、ある程度、(無意味な)怒りが収まった俺は、今いる場所を知るために、スマホの光で照らしながら辺りを見て回った。


その結果、いくつか分かったことがある。


一つ目、ここがどこかの横穴のような場所だということ。広さは、1人でいる分には、十分広いと感じる程度で、当然、出入り口は1つしかなかった。


二つ目、その出入り口には、透明な壁みたいなものがあって、外に出ることができなかったこと。


三つ目、この横穴には、俺以外誰もいないこと。


こうして、危険がないことが分かった俺は、横穴の真ん中くらいの所に座って、気になっていたスマホの中身を確認した。



スマホにはいくつかのアプリが入っていた。


4月2日

現時刻 00:10

電話 (登録者俺1人だけ)

メール (受信一件)

カメラ (動画可)

ライト

設定


ダンジョンツク〜ル

魔物図鑑



日付と時間を知ることができたのは、少し嬉しかった。

そっか〜今は夜か〜だから暗いのは当たり前か〜。


そして、 俺はダンジョンツク〜ルや魔物図鑑が気になっていたが、その前に、受信されているメールを読むことにした。





ダンジョン開通予定日通知


ヤッホ〜今回のゲームマスターの創造神じゃ。今ごろみんなサポーターからゲームの内容を教え終わった頃だと思って、メールを送ってみたぞ。長い文章は、嫌われるからさっさと本題に入るのじゃ。タイトルに書かれているように、ダンジョンの開通を1週間後の4月9日07:00に行う。各自それまでに充分な準備をしておくように。以上じゃ。


追伸

とりあえず開通してから1週間以上生き残った者には、1つの褒美をやる予定じゃ。それを期待して頑張るのじゃ。





「……はぁあ!!」


なんだこのメールは、いろいろとツッコミ所満載じゃねえか!


そして俺は、更なる事実に気付いてしまった。


誰も、俺の疑問に答えてくれるやつがここにはいないことに……



「はぁ」


俺は、ため息を吐いてこのメールは見なかったことにしようと決めた。まぁ最低限、1週間後に外に出れる?かもしれないことだけを覚えておけば良いか。



それじゃ次、

ダンジョンツク〜ルこれを開いてみよう。


ポチッ


おお〜出てきた、出てきた。ふむ、ふむ…なるほど。


どうやら俺の今いるこの横穴は、俺のダンジョンだということが分かった。


そして、DP (ダンジョンポイント)を使って、広くしたり、階層を増やしたり、自身の配下(魔物)を召喚することができるようだ。



とりあえず、最初は今いる所を広げてみよう。


空間拡張 (100DP) ポチッ


し〜〜ん


あれ?もう一回ポチッ


し〜〜ん


あれ?もしかして、もうこれ以上広くならないのかな?



とりあえず、次!魔物を召喚してみよう。


まぁ、最初は無難?にスライムを召喚しよう。


スライム召喚 (20DP) ポチッ


し〜〜ん


あれ?これは、絶対に何かおかしいぞ!


俺は、画面をよく見ると、隅のほうに自身のメニュー項目があり、自分の所持ポイント見ることができた。


結果、


0DP


俺は、持っていたスマホを思わず投げたのだった。



ガタン


しまった!


俺は、慌てて自分が投げたスマホを取りにいった。


ふぅ。 どうやら、壊れてはいないらしい。


そして、スマホを投げたおかげ?で、落ち着いた俺は……



ダンジョン作りを諦めた。



だって、しょうがないじゃん!何もできないだしさぁ。


現実逃避と同時に、また、見なかったことにする俺。


次、次いってみよう。


俺は、次に気になった魔物図鑑を開いてみた。


期待はしない。期待はしない。どうせ、何も載っていない可能性があるから。 ポチッ



おお〜


こっちは逆にすごすぎる結果だった。


図鑑の中は全種類載っているんじゃないかと思うほど、数百種類の魔物の詳細なデータが書かれていた。


定番のゴブリンやスライムから、 限定された地域にしか出てこない魔物や、稀少種まで載っていた。


期待していなかった分、想像以上の中身に、興奮した俺は、しばらく、魔物のデータを見続けていた。



ある程度見た俺は、とりあえず図鑑を閉じ、他に何か機能がないかスマホを操作した。



その結果、俺は発見してしまった。


俺自身のステータス表を


名前 赤城達也 (アカギ・タツヤ)

種族 ダンジョンマスター


Lv.1


HP 100

MP 100

筋力 50

頑丈 50

魔力 50

速さ 50


スキル

アリスの加護 (100%)

鑑定



まずは、ステータスの数値から確認していこう。


俺の数値をさっきの魔物図鑑に載っている魔物と比べてみた。


すると、俺は、ゴブリンやスライムなどの底辺級の魔物よりは、強いということが分かった。


正直、微妙な強さだったことにガッカリした。


これが、極端に強かったり、弱かったりのほうが面白かったのに…


いや、弱かったらダメか……うん、弱いよりは良かったかな?


そして、次は、スキルについてだ!


まずは、鑑定からだ。


これは…うん、小説で読んだのものと同じだろう…たぶん?


その理由、鑑定を使う対象が小石と俺の服しかないからだ。


ちなみに、使った結果は、


小石、ただの小さな石


(異世界の)服、デザインが異世界のもので、素材は、現地調達が可能。特殊な効果は特にない。


知らなくてもよかったと思えるようなものだった。


後、スマホにも試したが、鑑定不可と出てきた。



さて、気を取り直して次は、非常に気になるアリスの加護についてだ。


アリスってあの女性のことか?


詳細は、次のように書かれていた。


アリスの加護 (100%)

封印されていた女神アリスの加護。

他に対象者がいなかった結果、100%になった。


効果

加護の効力の範囲内にある、あらゆる制限 (条件)を解除する。(所持者のみ)

成長補正 (大)、



とても、ヤバいものだと思った。


封印されていた神って、何やったんだあいつは?


効果もいまいち分かりにくいし、呪い…じゃないよな?


う〜〜ん、考えても分からないからパス。忘れよう。



そして、ステータス表を見終わった俺は、今何時か気になりスマホの画面を見た。


01:50


いつもはもう寝ている時間だったのを確認した俺は、とりあえず壁に背を預けるように座って、目を閉じて眠ろうとした。


眠るまでの間に、朝になって起きた後、どうするか考えた。


顔を洗う?→水がない。


朝食を食べる?→食糧が………


ハッ!


俺は急いで目を開け、立ち上がり左右を見回した。


時間的にまだ暗く、ほとんど何も見えなかったけど、代わりにさっき見て回ったことを思い出した。


この場所には、水場がなければ、食糧もない。


おまけに、出入り口には透明な壁があって、外へは出られない。


おそらく、1週間後に外へ出られる可能性はあるが、それまでの間俺は、何も食べる物がない。


このままここで……死ぬのか…俺

ダンジョンマスターから冒険者になりました!

第2話を読んで頂きありがとうございます。


今後、1週間に1話の投稿を予定しています。

次話も読んで貰えるとうれしいです。

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