トンネルを抜けたらそこは…?
とりあえず一話目を投下してみる。
トンネルを抜けたらそこは雪国だったーー。
なんて始まりをする有名な小説(あれ?小説だっけ?ドラマと火だったっけ?)があるらしいけれど。
今ボクが潜り抜けたトンネルはそんな嬉しいサプライズをしてくれるはずもなく。
いやまあ、多分暦的に行ったら5月か6月くらいの初夏だと思うから、降られてたらむしろ困惑…という混乱するんだけどね。
長時間歩いているからか額に滲む汗を袖で拭いながら一息つく。
いやぁ、トンネル怖いわぁ。
たまになんでか電気が通ってる(いや本当になんで?お化けみたいなの居たら嫌だから調査はしてないけど)場所があったりするんだけど。
ここのトンネルはそんなことも無く、途中で大きく複数回曲がってるから中が薄暗い&光量不足のせいなのか、何時もよりも崩壊しそうな雰囲気を醸し出してたから走りはしなかったけど早足になっちゃったから、すごく疲れた。
どっかに休むのが楽そうな場所は無いかな~?と、ひび割れしてそこら中を蔦や雑草、はたまた細身の木なんかが我が物顔で占拠している道路を歩く。
幸いなことに、通ってる場所が山道だからか。
道路の上はさっきまで通っていた人工のトンネルではなくて、自然が作り出したトンネルが架かっているから直接日光に当たらない分、楽に思える。
キラキラと光が木々のトンネルの中を舞い遊ぶ様を目で楽しみながら進む。
耳を澄ますと小鳥の声が聞こえ、そよぎ風が起こす優しい葉擦れの音が耳に楽しい。
そして遠くからはどこからともなくさらさらというせせらぎの音が…。
せせらぎ?
ってことは小川がある!涼みに行こう!
思い立ったが吉日、ではないが小川の位置を探るために少し立ち止まり、感覚を普段より鋭敏にして聞き耳をたてる。
既に頭の中ではブーツを脱いで小川に足をさらす、といったところまで妄想している。
水量が十分なら水浴びもしたいところだ。
先程までホコリっぽいトンネル(当たり前だけど人の方ね?)を通っていたのと、汗で身体がベタつくのだ。
旅にら慣れているとはいえ、やはり多少なり不快感を抱くし、そんな時に水浴びを出来る場所があるならするのが、人間として生物として当然じゃないかな?
いや、当然であるはずだ!
まあ、そんな風に煩悩にまみれていたからなのか、少し時間はかかってしまったがおおよその検討はついたので、移動を再開する。
…まあ、方向的に言って道路から大きく外れて、道なき道を行くことになるんだけどね?
これも水浴びの為だ、致し方ない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はぁ、はぁ、はぁ、…はぁーーっ!
や、やっと着いた…。
水浴びに目が眩んでいたとはいえ、よく考えてみたら水浴びするために汚れるのって本末転倒のような…?
しかも水浴びできるとは限らないという罠。
神様仏様、お願い申し上げます。
この哀れな旅人にどうか恵みを…。
なんて祈ったのが良かったのか、水深的に腰ぐらいまで浸かれる小川を見つけた。
これって小川?そういえば小川と川、大河の違いの基準ってあるのかな?
まあ、そんなどうでもいいことに頭を割きながらスルスルと服を脱いでいく。
丁度、程近い場所に大きな樹があったのでその根元に、衣服や荷物を預ける。
恐らくは誰も居ないだろうけれど、やはり外で肌を曝すのは恥ずかしいものがある。
でもこれも水浴びの為!
さっさと浴びちゃおうかな。
まず、足先を水面に浸ける。
…水温確かめる前に服を脱ぐとかどんだけ興奮してんだボク、ちょっと反省。
足先から感じられる水温はまだ初夏だからか、なかなかにひんやりとしている。
でも、それがむしろ気持ちいい。
ボクの肌をさらさらと流れていく感覚が心地良い。
その心地良さに少し身を震わせながら、少しずつ小川にこの身をさらしていく。
ふぅ…。
身体の中にあった熱が徐々に下げられていくのが、汗が引いていくのが分かる。
身体が低めの水温で引き締まっていく。
あー…、このままちょっとの間水遊びでもしようかな?
そんなことも考えてしまう程には気持ちが良い。
まあ、水温低めってことは身体が冷えるのも早いってことだから早めに上がらないといけないんだけどね。
後ろ髪を引かれつつ、ボクは小川から身体を引き上げる。
少し冷えた身体に当たる太陽の光が暖かい。
あー…、眠くなってきたなぁ。
この後、身体拭いて服を着てタオル干したらお昼寝しちゃおっかな?
おあつらえ向きの樹もあるんだし、こんなに良い日差しの午後でお昼寝しないなんて人生損してるよね!
なんて誰に言うわけでもない、よく分からない理屈を頭の中でこねくりまわしながらお昼寝準備を進める。
着替えよし、洗濯物よし、お天気よし、気温よし!
さ~ってと、寝るぞぉ!
おやすみなさいー…zzz
とりあえず雰囲気はこんな感じです。
基本、作者は書きながら行き当たりばったりで進行しているので、今後どうなるかは作者にも分からなかったりする←