コント「たらこくちびる毛」
二人「よろしくお願いしまーす!」
ボケ「僕、小説書いてるんですよ」
ツッコミ「へぇ……すごいですね」
ボケ「それでね、小説家になろうっていうサイトに登録したんです」
ツッコミ「なんて名前で登録したんですか?」
ボケ「たらこくちびる毛」
ツッコミ「……え?」
ボケ「たらこくちびる毛」
ツッコミ「……え?」
ボケ「あっ、『げ』は毛髪の毛ですね」
ツッコミ「いや……なんでそんな名前にしたの⁉」
ボケ「目立ちたかったんです……」
ツッコミ「目立つけどさ! 確かに目立つけどさ! 後で絶対に後悔する奴じゃないですか!」
ボケ「後悔しても、もう遅いってね!」
ツッコミ「なにを楽しそうに言ってるんですか! そんな名前で大丈夫なんですか⁉ そんな変な名前の人の小説読みたくありませんよ!」
ボケ「いや……これが結構読んでもらえるんですよ」
ツッコミ「へぇ、どんな小説書いてるんですか?」
ボケ「引っ越してきた隣人が庭に竹を植え始めた」
ツッコミ「え?」
ボケ「だから、『引っ越してきた隣人が庭に竹を植え始めた』ですよ」
ツッコミ「そうなんですか」
ボケ「小説のタイトルの話をしてるんですけど?」
ツッコミ「え? タイトル? どんな話なんですか?」
ボケ「引っ越してきた隣人が庭に竹を植える話です」
ツッコミ「そのまんまですね⁉ 何が面白いの⁉」
ボケ「これが割と読んでもらえるんですよ」
ツッコミ「へぇ……分からないものですねぇ」
ボケ「ちなみに、一年かけて書き溜めた連載小説よりも高く評価されてます」
ツッコミ「悲しいなそれ! 悲しいなぁ!」
ボケ「あと『自分の作った宗教を流行らせて世界を征服するゲーム』って小説を書きました」
ツッコミ「は?」
ボケ「だから『自分の作った宗教を流行らせて世界を征服するゲーム』ですよ」
ツッコミ「あの……正気ですか?」
ボケ「幸い、炎上しませんでした」
ツッコミ「炎上どころの話じゃないと思うよ⁉」
ボケ「いやー小説書くのって難しいですね!」
ツッコミ「君の書いているのは小説なの?」
ボケ「たまにパロディとかもやりますよ」
ツッコミ「へぇ、どんなパロディ?」
ボケ「私が作ったお味噌汁をトメが全力で投げ捨てる」
ツッコミ「え?」
ボケ「だから『私が作ったお味噌汁をトメが全力で投げ捨てる』です」
ツッコミ「え?」
ボケ「某掲示板のパロディですね」
ツッコミ「何がどうパロディなの⁉」
ボケ「そう言えばミステリーにも挑戦したんですよ」
ツッコミ「あの……勝手に話を進めないで! ツッコミが追い付かないんだけど⁉」
ボケ「密室の館の連続殺人っていうんですけどね」
ツッコミ「ようやくまともなタイトル!」
ボケ「犯人はステイシーなんですよ!」
ツッコミ「全力でネタバレしてるよ! いいんですか⁉」
ボケ「二人でパズルを解きながらゾンビを倒して洋館から脱出するお話なんです」
ツッコミ「某ゲームの丸パクリ⁉ 推理小説じゃないの⁉」
ボケ「詩も書きましたね」
ツッコミ「なんて言う詩なんですか?」
ボケ「『失敗しろ』っていう詩ですね」
ツッコミ「嫌なタイトルですねー」
ボケ「『失敗しろ』って言いながら、失敗しろよって諭す詩なんですけどね」
ツッコミ「ダメじゃねーか! 読んだら気が滅入るわ!」
ボケ「男の子同士の恋愛ものも書きましたねー」
ツッコミ「BLってやつですね」
ボケ「『ウジュルマカラ・エベレケセ・ハットトリック』ってタイトルなんですけど」
ツッコミ「どんなお話なんですか?」
ボケ「ウジュルマカラでエベレケセをしてハットトリックを決めるお話ですね」
ツッコミ「どんな話なのか全く分からない!」
ボケ「メイドさんが出てくるお話も書きましたよー」
ツッコミ「カワイイメイドさんなんですか⁉」
ボケ「男の子に無理やりメイド服を着せて楽しむお話ですね」
ツッコミ「まさかのBL!」
ボケ「あとね、僕の書いてる連載小説なんですけどね」
ツッコミ「もう聞きたくない!」
ボケ「ヒロインが全裸でウンコするんです」
ツッコミ「そりゃ、誰も読まねぇよ!」
ボケ「主人公の上司もウンコ漏らします」
ツッコミ「文字通りのクソ小説だなぁ! おいっ!」
ボケ「主人公は二度死にます」
ツッコミ「救いも希望もないな! クソが!」
ボケ「ちなみに、『うんこをして褒められたら人はどう思うか』っていうタイトルのエッセイも書きました」
ツッコミ「お前ウンコ大好きだな?!」
ボケ「これでも皆から慕われてるんですよぉ」
ツッコミ「絶対嘘だわ」
ボケ「はい、嘘ですね」
ツッコミ「どうせボッチなんだろ?」
ボケ「いや……僕は一人じゃない」
ツッコミ「『俺』がいるだろって言いたいんだろ?」
ボケ「庭に竹を植えた隣人がいます」
ツッコミ「ダメじゃん!」
二人「どうも、ありがとうございました!」
ほぼほぼ実話です