4、初めての生YouTubeライブ
初めての生YouTubeライブ!
ママはパソコンの前にコーヒーと
お菓子を用意してマウスを握った。
ヘッドホンからは、まだ何も聴こえてこない。
ドキドキする。
チャットと書かれたところを押すと
もう、ずらりとコメントされている。
ママと同じように
「ドキドキする」とか
「待ってます」
「シン君楽しみです」
とみんな言ってる。
後、二十分トイレに行っておこう。
忘れ物は、ないかな?
ドキドキしながらの二十分は楽しくて、
あっという間だった。
たった二つしか無いYouTubeライブ動画と同じ部屋に、清潔感のある白いシャツと黒いピアノが彼を爽やかに見せる。
何やら何時もと違う彼のアングル、雰囲気に気合いみたいなのが感じられてワクワクした。
「こんにちは〜」
手を振る彼にチャットが答える。
「嬉しい、こんにちは」
「久しぶり!」
「こんばんわーー」
スーパーチャット(スパチャ)
と呼ばれるお金を投げる(投げ銭)のことだ。
他のチャットコメントより目立つ黄色やオレンジなんかのコメントと数字が書かれたり可愛いキャラクターが付いたコメントが上の方に並ぶ。
それがどんどん送られていく。
彼へのお礼の気持ちや、応援、読んで欲しいファンの気持ちが籠っているのだろう。
凄いな〜
人気者なのね。
そのやり取りが終わると
「何から弾こうかな?どんどんリクエストして下さいね」
彼の言葉を聞いてコメントの流れが速くなる。
すごい!色んな曲を知ってるんだ。
ピアノの上に置かれたタブレットのチャットコメントを拾いながら、手は鍵盤へ目はコメントなのに流れるようにテンポ良くどんどん奏でていく。
白い綺麗な手が踊る。
彼の記憶力の凄さに感動する。
曲名だけでそのフレーズが手から飛び出してくるんだから。
こんなに沢山の曲を弾いているのにリクエストされた曲に、
「それさっき弾いたんだよね」
って、覚えてるんだってびっくりする。
こっちはチャットと彼を見るのに夢中で、手なんかピタって止まってるっていうのに……
数曲続けて弾くと
疲れたのか彼は手を止め画面を見つめる。チャットでは、
「ゆっくり休憩して!」
「可愛い!」
「大好きです!」
誰もがそう思っただろう。
後ろにあるペットボトルに手を伸ばし、カメラの方を向いて一口飲んでから
「そろそろTwitterでリクエストしてもらった曲行きましょうか」
彼はピアノに向かってから、小さく深呼吸した。
「LOVE歌います」
この曲を彼が歌うのは、初めて聴く。
難しい曲だ。
ドキドキする。
緊張しているのか声が少し小さいものの一生懸命が伝わってくる優しく綺麗な歌声だ。
気合はこの曲を歌う為のものだったように思えた。
続いてリクエストのアニソン2曲をフルではないが、歌ってくれた。
「リクエスト沢山ありがとうございました。歌えなかった曲、ごめんなさい」
彼は丁寧にそう言う。
楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
このライブ好きだ。
歌ってるのも素敵。
アーカイブでもう一回観てから寝よう。
コーヒーもお菓子も手付かずになっている。
カチカチ、マウスを動かす。
えーーアーカイブが無い。
消してしまったのか?
だから、YouTubeライブ動画が少ないの?
そう言えば、サラサさんのYouTubeライブにもアーカイブが無い。
もう二度と観られない。
チャンネル登録しておきたい。
見逃したくないもの。
それほど楽しかった。
だけど、〇〇さんを観ていた時にチャンネル登録をしておこうと思ったことが何回かあって、何度か試してみたけど、登録ボタンを押すだけでは出来ないらしくて諦めていた。
もっと簡単ならいいのにと思う。
チャンネル登録したい人はもっといると思うのに残念。
チャットやYouTubeコメントもしたい。
YouTubeにコメントなんてしたことも見る事もなかったのに……
ママはご機嫌で
「ライブすっごく楽しかった!チャットでリクエストする人もいたのよ」
羨ましいって顔に書いてあるんだけど……
「で、リクエスト通った?」
「うん、でも他の人のチャットコメント拾って弾いてくれたみたいで
(ベラベラ)歌は無かったわ」
嬉しいんだか悲しいんだか?
「ママもチャットやりたいの!」
言うと思ったよ。
「じゃあYouTube動画でやり方説明してくれてるのあるから頑張って」
「分かった」
ママはそう言うとパソコンに向かった。
「本名使ったらダメだよ」
「了解!」
「見ようか?」
「大丈夫よ、分からなかったら教えてね」
え〜と、チャンネル登録のやり方
いっぱいある。
あいにも登録してもらおう。
数が多い方がいいもんね。
コメントの仕方、うんとーー
ピロリン!
スマホに着信、あいからだ。
ラインにYouTubeのリンクが貼られていて、この人分かりやすいよ!
と書かれていた。
「ありがとう、あいちゃん!」
読んで下さってありがとうございました。
ママへ感想をお待ちしています。
ブックマークと評価?して頂けたら嬉しいです。
今、どうしても書きたかったので
至りませんが宜しくお願いします。
5、ドキドキする!
初めてのYouTubeコメント
6、Twitterと初めての
インスタライブお知らせ!
……続いていきます。