27、早くみんなに言いたい!!
「おはよー」
早くみんなに言いたくて仕方ない。
「ちょっと聞いて〜」
休憩室に入ってすぐにパート仲間数人を捕まえて報告ーー!
「何? 何? 朝から元気ね」
視線が集まる。
「シン君に会えるの!」
言えてやっと現実に思える。崩れ落ちそうな気分
これが言いたかった。
言ってて泣きそう……。
「えっ?」
「え〜?」
みんな目が点になってる。
そりゃそうだ、自分でも信じられないんだから……
「どうやって?」
「全国生ライブツアーで福岡ホールに来てくれるの」
言ってて嬉しいーー!
「嘘? シン君すごっ! 全国ツアーって、思ってたのと違う」
静香ちゃんが振り向いた。
「すごい! 突然ですね」
新人さんが驚いた顔をする。
「行くんですか?」
サヤカちゃんが言ってからすぐに
「そりゃ〜行きますよね」
と言い直した。
「うん、行くよ」
「いつですか? 娘さんと?」
「6月20日、一人で行くよサヤカちゃんも一緒に行く?」
「YouTubeのシン君のファンなんでそこまでは、いいです」
残念、チャンスなのにな〜
「わざわざ会いに来てくれるのよ」
「そうですね!きっと須田さんに会いに来るんですよ!」
それは〜言い過ぎだけど、
「ありがとう」
「一人でって、須田さんなんかカッコイイ」
後ろにいたミカちゃんが駆け寄ってきた。
「ライブって行ったことあるんですか?」
「ないよ」
「私ひとりなんて絶対無理ーー」
顔をしかめながらのミカちゃんの言い方に笑う。
「勢いよ! 絶対会うから」
また、笑顔が止まらないキャハハ〜
ほんと、初めてのライブに一人で行くなんて勢いと、会いたい気持ちが無かったら無理だと思う。
慣れないライブで浮いてしまうかも知れない……それでも行きたい。
「え〜凄い一人でですか?
でもその頃ならコロナも落ち着いてるでしょうし良かったですね」
新人さんが言ってくれる。
ほとんど、話したことがなかったけど、良い子だな〜
名前、何さんだっけ?
前の私だったら、誰にも言わずに
行ってたかも知れない。
コロナ禍なのに、とかミーハーと思われるんじゃないか? とか考えると面倒だから……
でも、今回は、黙ってられない!
頭より口が先に動く。
何と思われてもいい。
「チケット買えたんですか?」
アカネちゃんが驚いて聞いてきた。
「まだ、発売日発表待ちなの」
アカネちゃんが、
「ああ、そうなんですね〜」
と笑う。
「抽選ですか?」
「どうかな〜?」
もうチケットを手に入れた気分で嬉しくて、フフフッと笑ってしまう。
あっちの方から
「チケット発売まだだって言ってたよね?」
「喜んでるけど大丈夫なの?」
「これ、買えなかったときは大変なことになるよ」
「須田さん幸せそう〜」
と聞こえてくる。
それにしても口コミって凄いと思う。
私、会社の全員に話したつもりは無いのに、シン君を知らない人はもう居ないみたい。
あちこちで、みんなが声を掛けてくれる。
「幸せそうですね」
「シン君観に行くんですね」
「良かったね」
「こないだの曲、聴かせてよ」
キャーいいよ〜ありがとう。
ピンポン!
キタキタ! チケット発売日のお知らせ。
お知らせはYouTubeライブで発表された。
いつもと違うよそ行きのシン君が、
ライブで歌う曲、演奏する曲、発売日なんかをお知らせしてくれる。
自信に満ち溢れているのが分かる。
もう、リラックスしたお家じゃないんだ。
ちょっと寂しい気がしてボロボロ泣いてしまう。
ずっとリラックスしたシン君の近くにいたかった。
同じことを思う人がいるんだろう。
「寂しいなんて思わないで下さいね。何も変わりませんから」
シン君が優しく言ってくれる。
もう、変わってるけど……そんな気持ちを押し込める。
でも会えるのよね?
必要項目……やっぱり……
「チケット年齢書かないといけなくて、さば読もうかな」
これは、譲れない……
だって、シン君に知られたくないから〜
絶対さば読む気で言うと、
「そんなことしたらライブ会場入れないよ!」
中山さんが呆れて言う。
えっ! そうなの?
「でも、絶対いや! スタッフさんだけが見るとか書いてないから」
「会場で本人確認が無かったら大丈夫ですけど、年齢上の方が前の席、当たりますよ」
静香ちゃんが言ってくれる。
えっ! そうなの?
「年配の人の方がアーティストさんに悪さしないからですよ」
えーーそうなの?
高齢にさば読もうかな……
悪さって、何するの?
それヤバイね。
また笑いが止まらない。
うちわ、ペンライト作成
「あいちゃーん百均に行こう!」
「何買うの?」
だいたい分かるけど……
〇〇モールの大きな百均へ行くことになった。
ママは、目当てのコーナーで、黒いうちわを手に取って、
「大きいな〜これ恥ずかしいわ」
そっと戻す。
店員さんを捕まえて、
「もっと小さなうちわ無いですか?」と聞く。
「ありません」
キッパリと言われて、迷いながら結局その大きなうちわをニ本買った。
あと、蛍光シートピンクと黄色、青
ペンライトを二本、恥ずかしいって言いながら結構沢山買ってる。
「うちわって変じゃない? ピアノライブでしょ? 弾き語りっていっても変じゃない?」
ママ浮かないかな〜
「あーーこれ出せるかな〜」
足をバタバタさせながらテンション上がり気味のママ、キャッキャ言ってる。
「大丈夫なの?うちわとか浮かない?」
聞いとかないと……
だってピアノライブ……でしょ?
「大丈夫よ、Twitterでみんな用意してるって言ってたから」
心配をよそにママはご機嫌な様子。
うちわが袋に入らなくて苦戦しながら
「あいちゃん、隣りの百均も行っていい? 小さいのがあるかも知れないから」
結局小さいのは無くて、同じ大きさの色違い赤い枠付きのやつと、ハートシール購入〜もう恥ずかしさはどっかに行ったみたい。
店員さんの方が照れてる。
シールを裏返してうちわの上にサッと乗せてくれる。
「ありがとう」
優しい店員さんにお礼を言うと
「あい〜買ったよ!」
いやいや、私のじゃないから……
出張に行っているパパ。
今回は、長くなりそうだ。
ママには都合がいいかも、
パパに見られたら笑われるって言ってたから。
着々と準備を進めるママ。
いや〜パパが知ったらきっとドン引きだよ。
だけど、楽しそうで真剣なママを見てたら笑えないな……。
(ライブうちわ)で検索
写真がいっぱい出てきた。
や〜派手だわ、目立っちゃうじゃない。応援うちわだってキャハハ!
(ペンライト)で検索
キンブレって何???
「あいーー大変、なんか凄いんだけどこんなの作れるかな〜?」
「姉ちゃんに聞けば? 私そういうの興味ないから」
そうね。ママも興味なかったのに
この年で応援うちわ、キンブレなんてね。
イヤーー目立つよこれ〜
「あいーーどうしよう〜キャハハ」
ず〜っと笑ってる……
ママの方が目立つよ。
読んで下さってありがとうございました。
ママへ感想をお待ちしています。
ブックマークと評価?して頂けたら嬉しいです。
今、どうしても書きたかったので
至りませんが宜しくお願いします。
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ありがとうございます。「ハート」
すっごく楽しいです。
28、チケット発売日!!
……続いていきます。




