19、妄想―1
「おはよ〜」
カレンダーを見ながら
「旦那の甥っ子の結婚式があるから、ごめんこの日休むね」
シフトの休みをお願いした。
「そうなの? 結婚式か、いいわよ」
仕事仲間がみんな、いいよと言ってくれる。
「コロナで伸び伸びになった式がやっと出来ると知らせが来たのよ」
「じゃあご主人とデートですね」
サヤカちゃんが言う。
デートって、だけど二人で出掛けるのは久しぶりだ。
「でも、旦那せっかちだから、一緒に出掛けてもすぐに帰りたがるし、買い物なんて足早で付いて行くの大変なのよ〜」
「そうなんですか? だけど、須田さんのご主人って優しいですよね」
アカネちゃんが言う。
「そうよね〜料理も出来るのよね」
中山さんが続く
「うん、優しいかな。今日は休みだからカレーライス作っとくって、さっきラインが来てた」
そう、良い旦那様だと思っている。
「そんなライン来たことないわ」
中山さんが言う。
「そんなラインが来たら何て、返事するんですか?」
静香ちゃんが笑いながら聞く。
「それが〜最近シン君にハートとか送ってるから、同じように送ってしまうのよね。ありがとうハートみたいなやつ」
自分でもびっくりするやつ送ってるわ。
「そんなの旦那に絶対送れないわ」
中山さんが冷静に言う。
「旦那さんもびっくりしてるでしょう?」
アカネちゃんだ。
「そうかな〜?」
でも、素直に嬉しいから。
「そうだ、このあいだ、みんなが須田さんのご主人優しいね。って言ってたって話したら、いつもしないのに食べ終わった食器運びだして。笑ったわ」
「分かりやすい旦那さんですね」
アカネちゃんが言ってみんなが笑う。
「また、褒められてたって話したらいいですよ」
キャハハ〜
「ほんと、笑っちゃったわ」
だけど、
そんな旦那様に惚れたんだよな〜。
シン君も優しいのよね〜。
もう、楽しいーー。
「それなのに、シン君シン君って〜」
静香ちゃんが可哀想って顔で言う。
「シン君は別!」
んーー別なのよ!
「じゃあ、もしシン君が結婚してって言ったらどうしますか?」
キャ~無いわ
笑いが止まらなくなるなる。
「しますよね?」
「無い無い!」
「勿論、同じ年齢だったらですよ」
「無いわ、シン君と結婚したら大変だから〜」
キャハハハ〜
「そうなの?」
「ずっと焼きもち焼かないといけないし、家のこと何もお願い出来ない。任せられないわ。手が大事だし心配で堪らないわよ」
キャハハハ〜無理。
「何にも任せられない……ですか?」
アカネちゃんが笑う。
「うん、心配でついて回る。キャハハ (笑) シン君が結婚か……想像出来ないな」
「それ、何なんですか? 私だったら速攻お願いしますけど」
アカネちゃんが不思議そうに言う。
「シン君は物語の中の人みたいな感じでいいの」
夢を見せてくれる……
「それって、王子様ですね」
サヤカちゃんが真顔で言う。
王子様って、
「キャハハ王冠似合うかしら?」
想像して言ってみた。
「それは、王様でしょ〜」
そうか、王子様も王冠被ってるよね〜?
「須田さんドレス着ないと」
「キャードレス、何色にしようか?」
「私ならピンク」
「赤も目立つよね」
「いや〜やっぱり白じゃない?」
もう誰も止まらない……
それから暫らく須田さんは、お姫様とあだ名が付けられた……。
結婚式かぁ〜言いながら頭の中がめでたくなっている。
ノートを書きながら無意識に
「たまたま新郎の知り合いで現われるとか無いかな〜」
独り言のように口に出る。
横で、呆れ顔の中山さんが、
「シン君? 絶対無いよ! 式はどこであるの?」
「岡山」
「やっぱり、絶対に無いね」
周りの仲間たちも不思議な会話に
「何々?」
中山さんから今の会話を説明されて
笑い転げながら、いつも面白い事を言う、アカネちゃんが、
「妄想、入ってますね。分かりますよ。最近私も韓流にハマってて、ミュー君の妄想止まりませんから」
「そうなの? 私のは、妄想じゃないよ」
希望だから……
「いや、妄想でしょ? で、もしそうなったらどうするんですか?」
うわ〜どうしよう。
多分、フリーズするんだけど
「シン君のファンですって言って、シン君の曲をお願いする、一番好きな曲! 神曲! 後、指鳴らして欲しい!」
「ピアノがあるって前提なんですね。指鳴らすって、指差しじゃないんですか? キャハハハ」
「指差しって何? ピアノ? そりゃ〜あるでしょ、シン君がいるんだから、グランドピアノ! ライトも青色がいいかな〜」
「間違いなく妄想ですね」
「……」
そうかな? 分からないよ〜。
「じゃあ、もし、シン君が結婚したらファン辞めますか?」
「辞めない!」
それは、即答出来る。
「結婚しても、今まで通りのシン君でいてくれたら応援するよ」
「あ〜イチャイチャされたら無理?」
するどい質問
「それは、無理かな」
本音が出る。
可笑しい、想像してしまう。
そうなったら、無理だな〜
「イチャイチャか、やっぱり嫌」
見たくても見れなくなるかも……
私の前では、今まで通りのシン君でいて欲しい。
シン君って、私の中でどんな存在なのか、時々考えるけど、分からない。
息子のように? 違う違う〜
アイドルのように? どうかな〜
やっぱり、物語の主人公かな。
今流行りの時空を超えて出会った不思議な世界の存在って感じかな?
見てると心が踊る人。
私が迷うようにシン君も色んな姿を見せる。
守ってあげたくなったり
カッコ良かったり
彼の中に沢山のシン君が居るように思える。
どのシン君も素敵だ。
「結婚式、シン君来ないかな?」
「まだ、言う?」
「……ねえ、指差しって何?」
「……」
読んで下さってありがとうございました。
ママへ感想をお待ちしています。
ブックマークと評価?して頂けたら嬉しいです。
今、どうしても書きたかったので
至りませんが宜しくお願いします。
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19−2、妄想
……続いていきます。




