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18/42

18、パート仲間に言っちゃう?

うわっ、もう朝

スマホ画面シン君が停止している。

観ながら寝ちゃったんだ。

「おはよー!」


仕事しないと、シン君のグッズや配信ライブチケット買えない。

いつあるか分からないんだから。


頑張らないと〜!

CDだってきっと出るんだから。


いつものように、パートタイムが始まった。


「メビウス見た? もうタスク君にキュンキュンするよね」


隣の席で仲良しの中山さんが言ってきた。

知らないわ。ドラマっていうかテレビほとんど見てないからな……


「あーー見ましたタスク君かっこいいですよね」

中山さんの隣の席の子が言う。


「見てないな〜最近テレビ見てないから」

私が言うと


「えーー見てないの? じゃあ、何見てるの? 前はドラマ見てたよね?」


新番組ドラマが始まるとパート内はだいたいいつもこんな感じの会話になっていたんだけど、今回は参加出来ない。

全く見てないんだから……


タスク君か〜シン君と同じぐらいの年齢のイケメンで前回のドラマでも話題になったな。


メビウス、始まるのは知ってたから録画はしたけど、見る気にならない。

シン君の動画とTwitterにどうしても

気が行くんだから。

それでなくても耳と時間がもっと欲しいぐらいだ。


「YouTubeでピアノ弾いてる動画観てるから」


ちょっと照れくさいけど、みんなにも言いたくて知って欲しくて、思い切って話してみた。


意外そうな仲間の顔


「そうなの? 須田さんってピアノ弾けるの?」

「弾けないけどハマってるシン君って言う人、知ってる?」

言いながらもう笑いが止まらない。


不思議そうな仲間達。

「知らない、YouTube見ないからな〜」


同じ席を囲む三人も首をひねる。


「可愛くて、カッコいいの」

顔がニヤけてしまう。ヤバイ〜


「そうなの? 何歳?」

「22歳! 後で見せてあげる」

「若っ! 名前は?」


「高木伸一、シン君よ」


本人が名乗らない本名を知っていることがちょっと自慢に思えた。


「どうやって見つけたの?」

「他のYouTube動画観てたら、偶然なのよ」

ほんとに偶然、ラッキーだった。


「じゃあ、YouTuberの〇〇さんは知ってる?」

続けて聞いてみた。


「知らない、ペケペケさんなら流石に知ってるよ。子供もよく観てる」


そうか、YouTubeではあんなに登録者も人気もある〇〇さんでも、まだ世の中には知られてないんだ。

シン君を知らなくても当たり前なのか……。

みんな、シン君というより、ピアノ動画やYouTubeに興味が無いようで残念。

楽しいのに知らないなんて勿体ない

と思うけど自分だって最近知ったんだから何とも言えない。


〇〇さんとそのコラボ仲間の動画の内容を色々話して、面白いよ。シン君の動画も見たら楽しいよと伝えた。


お昼休憩、食堂でシン君の動画を再生して数人に見せる。

寝ている人もいるからあんまり音を出せないのが残念だ。

それに、イヤフォンやヘッドホンで聴く方が数倍素敵なんだけど……


「最近TVの歌番組に出ている女の子なら知ってるけど、この子は知らないな〜」


「TVか、シン君もそのうち出るようになるから」


ちょっとムキになって言いながら少し寂しい気持ちになる。

そうなったら……遠くなるな〜。


みんなが笑いながら

「顔がよく見えないな、歌ってるのがいいな」


「ピアノ興味ないな〜歌ってるのもっとないの?」


と感想を言う。

やっぱり、ピアノって人気ないのかな?

歌う……シン君きっとすっごく上手だけど、あんまり動画になってないからな〜


数日後、

「サヤカちゃんがシン君知ってるって言ってるよ」

中山さんが教えてくれた。


サヤカちゃんは違う席のグループで

小学生と中学生の子供がいるらしい。あんまり話したことのない人だ。


「えっそうなの?」

すぐに話したいけどチャイムが鳴ってしまった。

なんだか嬉しいな。


だけどサヤカちゃんって、Twitterやってたりするのかな?

私がシン君カッコイイとか言ってるの知られたら恥ずかしいな。

と、複雑な気持ちになる。


お昼、サヤカちゃんから


「シン君知ってますよ。指の動き凄いですよね」

と、話し掛けてくれた。


「嬉しい〜こないだの曲良かったよね。指がぐわーーって」

サヤカちゃんが笑う。


「ですよね」


「サヤカちゃんってTwitterはやってるの?」

気になっていたことを聞いてみた。


「にわかファンだから、そこまではやってないです」


「Twitter楽しいよ。今日動画上げるって言ってた」


Twitterをやっていると情報が早いのも魅力だけど、無理には勧められない。


「そうなんですね。私はシン君がいいんですけど、娘はミックンがいいって言うんですよ」


ミックン人気だな〜


「家の娘もどっちかって言うとミックンって言ってたわ」

あいのことだ。


丁度通りかかったお茶を持ったシン君より若い新人の女の子に


「YouTubeでピアノとか歌ったりするシン君って知ってる?」

って聞いてみた。


「シン君? 知らないです。弾き語りならサラサさん知ってますけど」


ああ、サラサさんか……流石。


「サラサさん、いいよね。シン君もYouTubeで見れるから見てね」

と言いながらサヤカちゃんの方に話を戻した。


だけど、私も入れて40分の2がシン君を知っている。

まだ、聞いてない人もいるからもっとかも……

なかなかの確率じゃないかな?

取りあえず、40分の40にしよう。


「昨日のシン君のスクショ! 可愛いでしょ」

パート仲間に見せる。


「最近須田さん楽しそうで羨ましいわ」


「そうですか? 楽しいですよ」

笑いが止まらない。


それにしても、シン君の名前なかなか覚えてもらえない。

みんな、興味がないんだろう。

でも、

「昨日の動画どうだった?」

仲間が聞いてくれる。


「もう、凄いのよ!」

「えっと、名前なんだったっけ?」

「シン君、高木伸一」

これで何度目だろう?


あっちの方から、シーチキンの話しが聞こえる。

「シーチキン炒め美味しいよね」

気になって会話に参加すると、


「食べ物の話に入ってくるって珍しいね」


会話中のもう一人が

「分かった! シーチキンのシが気になったんでしょ」

えっ無意識にキャハハハそうかも知れない。


段々と、私に頼み事をする時は、

シン君を褒めればいいとか、話を聞いてない時はシン君って言えばすぐ振り向くとかって言われて、それも嬉しい。


「シン君の動画見ましたよ」

「ありがとう、カッコ良かったでしょ! その仕事私手伝うよーー」


「シン君が……」

「えっ? 何なに?」

ほら〜振り向いた。

キャハハ。当たり前でしょ(笑)


シン君の話題が増える。


「今月のシフト、須田さんいつ休む?」

あ〜決めてない。


「シン君ライブやってくれないかな〜合わせて休み取るのに……」

つい、小さく口から出る。


「はい、須田さんの休みシン君待ちね」


なんか、仕事も楽しいって思える。

キャハハ!

「今日もお仕事頑張ろう〜」



読んで下さってありがとうございました。

ママへ感想をお待ちしています。

ブックマークと評価?して頂けたら嬉しいです。


今、どうしても書きたかったので 

至りませんが宜しくお願いします。

ブックマーク評価して下さった方

感想を送って下さった方

ありがとうございます。「ルン!」


19−1、妄想

  

 ……続いていきます。




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