10、ヤッホー!配信ライブ!
配信ライブ
いよいよ当日、土曜日夕方6時半開演だ。
ママがソワソワしている。
ウロウロ キョロキョロ
なんか、怪しい人よ……
「今日はちょっと観たいのがあるから夕食5時半ね」
昼食を食べながらママが言った。
「早いなぁ〜別にいいけど」
パパは別に気に留めていない様子で答えた。
もし、なに見るの?って聞かれたらママは、何て答えるだろう?
多分
「ピアノ演奏見るのよ」とかって
嘘にならない微妙なことを言うんだと思う。
ちょっと聞きたかったのに……
パパは、休みの日には、お昼にもビールを飲みながら食事をする。テレビはスポーツ番組が好みだが、今はやっていない。
テレビのリモコンでチャンネルをあれこれ変えながら答える。
ママはスポーツ番組に興味がない。
そのせいで、自分の部屋でテレビやYouTubeを見るようになったんだろう。
今日は片付けの簡単なカレーライスにしようか、ママの頭の中では開演に間に合う段取りがされていく。
パパのビールのあては〜
ちょっと贅沢だけど、パパの好物のサザエのお刺身を買って来ようと考える。
「あいちゃん、スーパーに行こう!」
気合いを入れて言うことじゃないと思うけど……
「いいよ」
ママが、スーパーのカゴにテキパキと食材を入れていく。
早く帰りたいんだろうか?
サザエのお刺身をカゴに入れると満足そうに
「サザエあって良かったわ!ない時もあるからね!」
満面の笑顔だ……
そんなに大事な買い物だったの?って笑いそうになった。
6時10分、配信のページに飛ぶ。
ここにはチケットを買ってから何回も来ている。
このライブはまだ始まっていません。と表示されていた画面に今はシン君とミックンの写真が表示されている。
その横にチャットコメントが流れている。
早い!チャットはもう始まっているんだ。
本当はもっと早く来たかったんだけど、これがギリギリだ。
このチャットにはアイコンがない
だけど、名前を見る限り、いつもの二人のファンだと分かる。
ペンネームを決める。
(ゆう) と入力。
「こんばんわ宜しくお願いします」
と、参加した。
あいにも観せてあげたいけど、チャットを見られるのは、やっぱり恥ずかしい。
別に変なことを書くつもりは無いけど、1人で観たい。
後でアーカイブを観せてあげよう。
この配信ライブには、一週間のアーカイブが付いてる。
画面が変わってステージが現われる。
ピアノが2台、後ろにドラムセットが見える。
色んな楽器が並んでいる。
白いライトがそれらを照らしている。
シン君とミックンがお揃いの衣装で
続いてギターとドラムのメンバーが入って来る。
ギターとドラムの人が所定の位置に付くと、始まりの音を鳴らす。
それに合わせて二人が手を振る
「こんばんわ〜」
と、ミックン!
「ヤッホー」
シン君だーー!
二人の手にはマイク、いきなりの歌から始まった。
何本ものライトが二人を照らす。
二人は歌いながらそれぞれのピアノへとリズミカルに踊りながら向かう。
これは気分が上がる。
いつもの照れくさそうなシン君ではない。
「カッコイイ」
「シン君〜素敵」
「ミックン上手!」
チャットが滝のように流れる。
歌は二曲で後は、ピアノ演奏。
ひとつのピアノでの連弾は、お互いの顔と手元を見ながら仲良く合わせていく。
楽しそうで、無邪気な笑顔がママを含めた観客の心を掴む。
トークタイムには、ギターとドラムメンバーが二人の会話進行役になってチャットも読みつつ盛り上げる。
二人共、演奏中とトークタイムじゃ全然違って見える。
トーク中は普通のちょっとシャイな二人、それが曲に入ると光るようだ。指が身体が楽しそうに動く。
笑顔が魅力的な二人、もう釘付けだ。
ソロのミックンのしなやかな演奏にうっとりする。
ソロのシン君のふっと見せる切なそうな表情にときめく。
二人の世界に入り込む。
自然と笑顔になる。
あっ!シン君が足元のコードに引っ掛かってつまずく
チャットが騒がしくなる。
「どうしたの?」
「大丈夫?」
ママも息を呑む。大丈夫? 頑張って!
シン君は、ちょっと痛そうな顔をしたけど、すぐに何事もなかったように笑顔になる。
生ライブだ、何があってもおかしくない。
笑顔になってくれて嬉しい。
自分も笑顔になる。
約二時間、最後は二人で作ったあの曲で締めくくられた。
YouTubeライブで聴いた時よりずっと感動する。
ライトと会場が二人を輝かせる。
何よりスイッチが入った二人、たくさん練習したんだろう、息がピッタリ合っている。
楽しそうな二人の笑顔に見惚れる。
ママにとっては初めてのライブ、配信ライブだ。
配信者の二人にとっても初の会場を借りての配信ライブは大成功に終わった。
「楽しかったーー」
「ありがとう」
「感動しました!」
二人が履けてからもしばらくチャットは動いていた。
「終わったね」
「楽しかったね」
「ありがとう!シン君ミックン」
「皆様もありがとうございました。一緒に観れて楽しかった」
「バイバイ」
良かったーー
Twitterが盛り上がる。
二人とギターさんドラムさんからも
ツイートが来た。
自分達も楽しかったことや観てくれたことへの感謝の言葉だった。
自分も配信を観た今の気持ちを伝えたい。
一生懸命考えてそれぞれに返事を返す。
すぐにその返信にファンからのいいねが付けられていく。
自分も付けていく。気分が上がる。
パソコンでアーカイブを観ながらスマホでTwitterを見る。
まだ、興奮している。夢の中に居るみたいだ。
なのに眠れない。
他の人達も眠れないのだろう、Twitter内がお祭り騒ぎになっている。
ピンポン!夜中の二時過ぎにスマホが鳴る。
眠れない中ミックンに送ったTwitterのコメントにミックン本人からの初めてのいいねだった。
この配信ライブをきっかけに、ミックンのTwitterもフォローしていた。
シン君からじゃないけど、ミックンからだよ。
嬉しいに決まってる!やったーー!
ミックンもまだ起きてるんだ。
シン君からも来るかも知れない。
益々眠れなくなってしまった。
スマホを見つめる。
こんな気分は久しぶりな気がする。
ミックンにも頑張って欲しい。
応援したいと思う。
少しの睡眠時間になってしまった。
それでも清々しい朝を迎える。
ミックンからのいいねのスクショも忘れない。
いいねのお礼が言いたいけど、もらってない人がいたら可哀想だ。
ミックンだけにお礼が言いたいけど、その方法が見つからない。
沢山の人がリプライしているんだから、全員にいいねは無理だと言ってる人のツイートを見た。
Twitterの仕様で数が限られているらしい。
ミックンのファンには、申し訳ないけどラッキーだ。
お礼が言えないのは残念だけど、
本当に嬉しかった。
ありがとうミックン!
でも、やっぱり推しはシン君。
いいね、貰えなくてもシン君……。
読んで下さってありがとうございました。
ママへ感想をお待ちしています。
ブックマークと評価?して頂けたら嬉しいです。
今、どうしても書きたかったので
至りませんが宜しくお願いします。
ブックマーク評価して下さった方
感想を送って下さった方
ありがとうございます。
11、ピンポン!Twitter!
推しが不在〜
12、ワンマンライブお知らせ!
……続いていきます。




