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白銀のヴァールハイト  作者: A86
2章 対白魔騎士団
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第17話 朝会

「早く食堂へ向かおう!」


 俺達は今、朝会のある食堂へと走っていた。

 まだ対白魔騎士団に来て間もない今、俺達にとってここはまだ迷路同然の場所だった。

 しばらくの間、右往左往していたがたまたま校内の地図を見つけ、場所が分かったため急いでいるところだ。


「間に合うかな」


「大丈夫、まだ数分はある。この先を進めばたどり着くからな」


 三分後、俺達は無事食堂にたどり着いた。教師の言われるがままに席に座った。

 テーブルには食事がすでに置いてある。

 あちこちのテーブルでは様々な人がおしゃべりに花を咲かせていた。その中で一番話題に出てる話は『称号』のことだ。

 称号とは幾分か訓練を受けた兵士がもらう役職のことだ。今から三ヶ月後にあるテストでどの称号が適応かを判断される。種類は全部で六つある。

 キング、クイーン、ルーク、ビショップ、ナイト、ポーンのことだ。それぞれ役割も立場も全く違う。ざっと言えば、攻撃側はクイーン、ルーク、ナイトで守備側がビショップ、どちらにも回れるのがキングとポーンだ。


「アークはどの称号がいいと思ってる?」


「キングかな。難しかったらビショップに選ばれると思う。デュークは?」


「俺はナイトだな。刀のこともあるし……」


称号について細かい説明はまだある。でも、その話はあとだ。


「皆さんお静かに!」


カレン・クラシア先生の一声で一同が黙る。学園長が前に出て朝礼台に立った。


「では、これから新入生に注意事項を説明しよう。まず、昨日も言ったが三階の右奥にある部屋に近づいてはならん。あそこはもろくて崩落の危険性があるからな。それから入ったばかりの生徒には大変物騒な話になると思うが、今年入った生徒は480人だ。これは例年とほぼ変わらない人数だ。しかし我々はここまで人数を必要としていない。そこで毎年のことだがこの480人を250人まで減らしているのだ。減らし方は、今から三ヶ月後のテストで上位から数えて250位までを範囲としておく、それ以下ははっきり言おう……退学だ」


 周りが一気にどよめく。そりゃ、そうだろう。俺だって少し、動揺している。入学したばかりなのに退学という言葉を突きつけられたのだから。


「もちろん途中で退学するという手も構わない。己の限界を感じ、これ以上先へ進めないと思ったならな……。だが私は、出来れば最後まで諦めないでほしいとおもっている」









◇◇◇


 夜、俺は何故か眠れなかった。就寝時間がかなり過ぎている。寮はしんと静まり返っていた。

 今日はことさら心が重かった。朝会での話はもちろん、一日中学校を歩き続け、学校内を案内された。だとしてもまだ道を覚えきれていない。

 480人から250人まで減らすというのは驚いた。三分の一近くの人数が削られると思うと震えが止まらない。それほど、この学校の門は厳しかった。

 明日から授業が始まる。ここからが本格的な戦いが始まる。

 熾烈な競争が、始まった。

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