6月の花嫁
学生の頃、君が欲しいと言って僕があげると言ったもの。未だにあげれてなくて、ごめん。
あの頃は本気であげれると思ってたんだ。
絶対に、他の誰でもなく、自分が、君に。
変わらず隣で笑ってくれてる君を見ると、なんだか自分が情けなくなって、こんなんじゃ益々ダメダメだって分かってるんだけどさ。
本当にこんな奴でいいの? 後悔しない? 聞きたくなるけど、返事が恐くて閉ざす口。やっぱり、ダメダメだね。
君に着せれなかった真っ白な夢。
こんな僕でごめんね。
こんな僕を選んでくれた君を、必ず幸せにする。
左手の細い光の環を決して崩さないよう、必ず努力する。
今日以上に君の笑顔を愛おしく思う日はないと、僕は毎日思ってる。
“この季節に結婚式を挙げると幸せになるらしいよ”
誰かが言った幸福論で、君に幸せを掴ませたかった。