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1、雨
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傘から一粒ぽとりと落ちた雨粒が、僕の目に入った。
思わず目をこすった僕に、亜紀は首をかしげて「どうしたの」と呟いた。
「目にさ、水が」
「何の?」
「雨」
「朝雪、大丈夫?」
何が大丈夫なんだ、と聞こうとして目から手を離すと、僕は気付いた。
「あれ?」
「今のってボケ?」
空は青くて、雲1つなくて、僕の手に握られてるのはさっき買った菓子パンで。
雨なんて降ってなかったんだ。
僕がもう一度目をこすると、そこには土砂降りの、あの暗い風景があった。
((続きます
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