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「なぜだろう?」「もしかすると」のエッセイ

交通安全で大型車のカーブは、死角や内輪差だけじゃなく外側も危ない

掲載日:2026/07/17

交通安全は、新入学、夏休み、冬休み、春休み、大型連休など、様々なタイミングで話題になると思います。

交通安全教室や、テレビ番組では、「内輪差(( )ないりんさ)」と「死角(( )しかく)」に気を付けるように指導されます。

結論は「要するに、大型車に近付かない」ですが、具体的にどこが危険なのかを書きます。

子供の交通安全だけでなく、大人も気を付けてください。

その他、本題に関連する余談もご用意しましたので、お楽しみください。


○  ここで話題にする大型車とは?

○  そもそも「内輪差」と「轢かれる(( )ひかれる)」とは?

○  交通安全教育で採用が少ない事故対策

○  曲がって進むのに反対側に出っ張る?

○  実際に事故を目撃しました!

○  具体的に、どこが危ない?

○  結論








○  ここで話題にする大型車とは?




 特殊車両、はたらく車など、馴染みの無い大型車は多彩です。


 ここで話題にするのは、「大型バス」「4トンくらいのトラック」です。








○  そもそも「内輪差」と「轢かれる(( )ひかれる)」とは?




 自動車が、真っ直ぐ前に進めば、タイヤの跡(( )轍、わだち)は、左右の2本です。前輪と同じコースを、後輪も通ります。


 自動車が、カーブして進めば、タイヤの跡は4本になります。前輪のコースと、後輪のコースがずれるためです。


 この、前輪と後輪のコースがずれること、前輪よりも後輪の方が内側のコースになるのが「内輪差」です。


 ところで、自動車に轢かれる(( )ひかれる)とは、タイヤに踏まれることですが、自動車と接触しても事故です。


 ここでは「要するに危ない」を主題としていますので、自動車に「轢かれる」「はねられる」「ぶつかる」を、まとめて「事故」と表現します。


 タイヤのコースから外れていても、事故になることがあります。


 この「タイヤのコースから外れていても、事故になることがある」というのが、当文書の主題です。


 自動車の「外側最大軌跡線(( )がいそくさいだいきせきせん)」の範囲の中なら事故になります。


「外側最大軌跡線」とは、簡単に言えば、車体を上から見た長方形が移動する範囲で、この範囲の中にあるものが事故になります。


 馴染みが薄い「外側最大軌跡線」なら読むのが大変なので、ここからは「車体の移動範囲」と書きましょう。








○  交通安全教育で採用が少ない事故対策




「自動車には、近付かない」というのが交通安全教育で言われます。その理由として「死角」と「内輪差」を採用することが多いようです。


 大型車なら、「車体の下に入れば大丈夫」という迷信があり、「それは迷信だ」と明言することもあります。


 けれど、車体の移動範囲の話は、聞いたことがありません。


 大型車がカーブ前進すると、車体の移動範囲は、カーブの向きとは反対側にも出っ張るという、意外な動きをします。この範囲にあるものが事故になるので、「死角」「内輪差」と共に、採用してほしい気持ちです。


 この範囲は「大型車が右に曲がると、尻が左に出っ張る」になります。出っ張った尻が、歩行者にぶつかり、事故になります。


 自動車の「尻」とは、「オーバーハング(( )リアオーバーハング、Rear Overhang)」で、要するに「後輪よりも、後ろ側の範囲」です。








○  曲がって進むのに反対側に出っ張る?




 大型車であっても、前進しながら曲がります。「前進するから、反対側に出っ張るのは、あり得ない」というのは、勘違いです。


 問題は、「尻が、後輪よりも後ろに出っ張っている」です。


 極端で不可能な動きですが、尻が(( )後輪より後ろに出っ張った部分が)10メートルあり、大型車が直角に曲がれば、尻は反対側に出っ張ります。


 ここで、「直角よりも少し緩やかに」「もう少し緩やかに」……と考えます。


 尻が10メートルではなく、9メートルなら、8メートルなら……と考えます。


「どこまで緩やかに曲がれば大丈夫か」「どこまで尻が短ければ大丈夫か」と想像すると、実際に大型車でもあり得るのだろうと思えるでしょう。








○  実際に事故を目撃しました!




 テレビの衝撃映像やハプニング映像の番組で、大型車がカーブして、カーブの外側の何かに、大型車の尻がぶつかる場面を見た方もいらっしゃるでしょうか。


 私は、実際にその事故の場面を見たことがあります。といっても、人身事故ではありません。


 自社の敷地内に、社長が3台の自動販売機を並べて設置しました。清涼飲料水(( )缶コーヒーなど)の、馴染みのある自動販売機です。


 社長が外出する時、4トントラックを自動販売機の近くに止め、降りて飲料を購入。


 トラックに乗り、発進してすぐに、自動販売機から離れる方向にカーブ。すると、トラックの尻が3台の自動販売機を、なぎ倒しました。「1台を倒して、ドミノ倒し」ではなく、3台ともトラックがぶつかりました。


 4トントラックは、3台もの自動販売機を倒せるのですから、人が近付くのが危険なのは、明らかですね。








○  具体的に、どこが危ない?




 大型車の、内輪差の危険を知らせるために、「カーブの内側が危ない」は正しいことです。


 しかし、学んでいる人は、大人も子供も、「じゃあ、外側は安全」と誤解するのが危険です。


 この文書だけで終わらせず、視覚的に納得してもらいたいので、以下に記したことをテレビで実験してほしいものです。


 停車中の大型車があります。前輪と後輪、右側と左側の、4箇所のタイヤの横に、カラーコーン(( )パイロン)を置きます。


 置く位置は「前輪の右側の横」「前輪の左側の横」と、「後輪の右側の横」「後輪の左側の横」です。


 ここで、大型車がカーブしながら前進します。


 内輪差のことを知っていれば、「カーブの内側は、前輪も後輪も危険」と思うでしょうが、意外なことに、「カーブの内側の、後輪の横」のカラーコーンは、倒れません。


 尻が振るので、「カーブの外側の、後輪の横」のカラーコーンが、尻にぶつかって倒れます。


 大型車を真上から見下ろした図です。画面の上の方が前進方向で、右にカーブしながら発進します。


 ※ ここでは、テキストファイルという都合により文字で図形っぽく表現している。図形にする際は、車体の長方形が移動する様子を描き、「カーブの向きとは反対側にも出っ張るという、意外な動きが、ここで発生」がわかるようにする。


 前進しながら↑ 右カーブ→

 ・┌───┐

 ・│・・・│

 A■・・・■B(( )前輪)

 ・│・・・│

 ・│・・・│

 ・│・・・│

 ・│・・・│

 C■・・・■D(( )後輪)

 ・│・・・│

 ・│・・・│

 ・│・・・│

 ・└───┘

 4箇所のタイヤを「■」で表現しました。その横に置くカラーコーンは「A」「B」「C」「D」の位置です。


「A」……安全かもしれない。大型車の尻がとんでもなく長ければ、車体の移動範囲に入るので、事故になります。


「B」……危険。車体の長方形である車体の移動範囲に入るので、事故になります。


「C」……危険。内輪差とは無関係だから安全だというのは誤解。車体の移動範囲に入るので、事故になります。カーブの向きとは反対側にも出っ張るという、意外な動きが、ここで発生します。この意外なことの紹介が、この文書の主旨です。


「D」……安全かもしれない。カーブの内側ですが、驚くことに内輪差とは無関係です。「D」の近くのタイヤは横滑りはしませんが、回転の中心になるような、とんでもない急カーブをしたら車体の移動範囲に入るので、事故になります。


 念のため記しておきますが、「A」の位置と「D」の位置も、安全ではありません。「車両の近くは危険。大型でも小型でも危険。だから、近付かないこと」というのが、この文章の目的です。


 前述の「自動販売機なぎ倒し」は、「C」の位置の自動販売機を、3台もなぎ倒しました。「C」の位置がどれだけ危険なのかが、おわかりになるでしょう。








○  結論




 カーブの内側は、内輪差で危ない。


 カーブの外側は、尻が振って危ない。


 結局、車に近寄らないのがいい。


【終わり】



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