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雨色こころ  作者: 雨世界
3/3

第3話 山吹つばさくん ねえ。デートしようよ。デート。二人でさ。

 山吹つばさくん


 ねえ。デートしようよ。デート。二人でさ。


 つばさくんは山吹つばさと言う名前だった。(とってもかわいい名前だと思った)

 つばさくんはこころと同じ歳の男の子で、高校の教室が一緒になったことで出会った。

 こころはつばさくんに、すとんって落っこちるみたいにして、あっという間に、一目惚れの恋をした。(自分でもびっくりした。恋をするつもりなんてなかったから)

 こころはその日、日曜日につばさくんとデートをすることになった。

「あのさ。一緒に遊びに行かない?」

 って言って女の子の制服を着ているこころが(勇気を出して顔を真っ赤にしながら)デートに誘うとつばさくんは「いいよ。暇だし。どこにいくの?」と言って、こころと一緒にデートをしてくれることになった。(やった。暇だしは余計だけど)

 大きな公園の噴水のところで待ち合わせをしてデートをすることになった。噴水の近くには白い石の階段がある。

 その白い石の階段の前でこころは真っ白な花が咲いたみたいなスカートのワンピースを着て、買ったばかりの白い靴をはいて、小さな水色のバックを持って、香水をつけて、顔にきちんとお化粧をして、つばさくんを待っていた。

 つばさくんは約束の時間の少し前に待ち合わせのところにきてくれた。

 ふんわりとしたひまわり色のセーターと白いシャツを着ていて、大きめの青色のジーンズをはいていて、靴はスニーカーだった。

 荷物のあんまり入っていない大きめのミルク色のトートバッグを持っている。

 つばさくんは小さく手をふっているこころを見て、にっこりと笑って「綺麗だね。よく似合ってるよ」って言ってくれた。(うれしかった)

 つばさくんはこころが男の子だけど、本当は女の子で、男の子が好きなことを知っていた。(恋の告白をしたときにこころがつばさくんにそう言ったからだった)

「あのさ、手つなぐ?」

 恥ずかしそうにしながらつばさくんは言った。

「うん」

 こころは顔を赤くしながら遠慮がちにつばさくんの手を握った。天気は晴れていて、気持ちのいい風が吹いていて、気持ちのいい陽気で、となりには大好きな人がいて、なんだかとっても幸せだった。

 この日のつばさくんとのデートは、こころの生まれて初めてのなれていなくてぎこちない大好きな人とのデートだった。(なんだか踊り出したい気分だった)

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