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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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28/51

28:帰らないリオを待って。

 



 リオが帰ってこないことをディーノさんに伝えると、少し難しそうな顔をされた。

 ここに来る途中、リオの魔法の残滓を所々で感じたのだとか。


「誰が魔法を使ったとか、判るんですか?」

「あー、リオのは特殊なんだよ…………呪われてるから、ね?」


 そう言われても、私にはいまいち分からない。

 そもそも魔法や魔力を一切感知できないから、何にも気付けない。


「あ、それで思い出した。ハイこれ」


 ディーノさんからもらったのは、子供向けの魔法書を数冊。絵本のような図解で解りやすく、これなら少しは出来るかも、と思えた。

 ペラペラとページを捲っていると、ディーノさんが使い方や考え方を教えてくれた。

 隣り合って座り、図解を指さして教えてもらっていると、ふと高校の時に通っていた個別式の塾を思い出して、クスリと笑ってしまった。


「なに? どうしたの?」

「学生時代に塾……家庭教師?に習っていた事を思い出しました」

「へぇ、いいとこの子だったんだ」


 どうやらこの世界では家庭教師などは貴族しか雇わないらしい。色んなところでこうも感覚が違うんだね。

 家庭教師や塾に行く子はわりと多かった。

 そして、私は講師に幼い子に伝えるような感じで教えられていた。いま、ディーノさんが教えてくれているのと同じように。

 そして、それは私にとても向いていたという悲しい事実。成績は物凄く伸びた。

 

「ちょっとやってみます」


 右手のひらを上に向け、念じる。

 すると、二センチほどの水球がふわりと浮かんで現れた。


「わ! 出た!」

「おお!? めちゃくちゃ凄い! 凄いんだけど……なぜ水球?」


 手のひらにべしゃっと水が出たらテーブルとか床に零すから。ディーノさんにはそんな理由でと笑われたけれど、お掃除面倒なんだもん。

 今度は、その水球を動かしたり消したりする練習。コツを掴むとスイスイと出来るようになった。

 リオとやっていたときは全く出来なくて、元の世界にも魔法なんてないから、適性がないのかと思ったけど、ただ単に理解力が子供並なだけだったらしい。めちゃくちゃ悲しい。

 



 お昼の時間になってもリオは帰ってこなくて、ディーノさんと二人で具材たっぷりのオムレツを食べていた。

 バン、とドアが強めに開き、そこには血みどろのリオが立っていた。


「え、リオ!? 大丈夫ですか! 怪我――――」

「怪我はしていない。すべて返り血だ。二人とも何をしていた?」

「へ? お昼ごはん食べてました」

「ディーノ…………お前はここに二度と来るな」

「あ?」


 リオの言うことが、理解できなかった。

 リオが怒っているのが、理解できなかった。

 そして、とても怖かった。今から起こることが――――。




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