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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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27/51

27:毎日のんびりと過ごしていたのに。

 



 夕食を終え、お風呂に入り、二人でベッドの中。といっても、ベッドの真ん中に境界線はちゃんと敷いているけども。


「おやすみなさい」

「おやすみ」


 こうやって私たちの一日は更けていった。




 それからは、結構毎日をのんびりと過ごした。

 週一くらいでディーノさんが来て、必要物資などをくれる。

 冷蔵庫にあったお肉は、いつまでも新鮮だけど賞味期限はいつなんだろうと思っていたら、冷蔵庫に入れておけば『ずっと新鮮なまま』らしい。

 魔法って、凄いね。


 その魔法も、リオに教えてもらいながら特訓したけれど、全くと言っていいほどに発動しなかった。

 もし発動できたら、魔獣退治に行くリオについていけるかも、と期待していたのに、しょんぼり。

 ただ、魔獣退治も週一行くか行かないかくらいなので、結局は毎日をのんびりと過ごしている。


 この世界に来て約二ヶ月、倉庫の中の荷物はすでに見終わった。

 かなり役に立てていたらしく、ディーノさん経由でこの国の王様から、十年は余裕で暮らせそうな金額の謝礼をもらった。

 それはリオに内密に保管してもらっている。

 なんとなく、この小屋を離れたくないから。


「ふぁぁ。おはようございます」

「ん。おはよう、マキ」


 ベッドで顔を見合わせて、挨拶。

 恋人でもないのに、未だに同じベッドで寝ている。しかも、最近は境界線を端っから取り払っている。

 理由は、どうやっても私が寝相の悪さで乗り越えるから。

 申し訳なすぎるんだけど、なんでかリオに吸い寄せられる。人肌って暖かくって、良く眠れるからかな?


 リオはニコッと口元に笑みを乗せて、抱きついている私の頭を撫でるだけ。


 この二ヶ月ほど、リオは目隠しを一切取らない。

 寝室を分けることもしない。

 

 目隠しを外せるプライベートな時間を作ろうと言うけれど、リオは首を縦に振ってくれなかった。

 ただ「このままでいい」と言うだけ。


「今日はディーノさんが来る日ですよね?」


 ベッドから起き上がりつつ、朝食は彼の分も用意したほうが良いかななんて話しかけると、リオがムッとした雰囲気になった。


「どうしたんですか?」

「最近、マキはディーノが来る日を心待ちにしている気がする」

「え…………っと?」


 心待ちかと聞かれれば、割と心待ちにしているかもしれない。

 だって今日は頼んでいた魔法の本を持ってきてもらえるから。

 小さい子が学ぶ魔法の本で、もしかしたらそこらへんをしっかり学べば、使えるようになるかもと聞いたからだ。


「っ……今のは気にしないでくれ。少し、外の空気を吸ってくる」


 リオが手早く着替えて、軽装のまま外に出て行ってしまった。

 そして、ディーノさんが来る時間になっても、小屋に帰ってきてくれなかった。

 



しばらく不定期更新になります。

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