26:ガラクタ?
倉庫の中を見ていると、木箱の中に懐かしいものを発見した。
「わぁ、竹とんぼだ!」
「たけとんぼ?」
一枚の竹製プロペラ部分の真ん中に細い竹串が刺さっている、横から見るとT字の玩具。小さい頃におじいちゃんと遊んだ記憶がある。
木箱の中には、色々なものが雑多に入れられていた。
スマホの充電器、猫のおもちゃ、百円で売られていそうな木のオブジェ、ハンディファン、中身が半分入った化粧水、中身が半分入ったペットボトルのお茶、カチューシャ、ヘアゴム、猫缶、耳かき、コンパクトにたたまれたエコバッグ、空の栄養ドリンク、何枚か使われているポケットティッシュ。
ご……ゴミも一緒に入ってる!
とりあえず、リオに説明してゴミは捨てた。
飲みかけのペットボトルのお茶はなんというか、中身がヘドロ色になっていた。
「何の液体か分からなくてな」
「あ! そっか、あっちの世界と文字が違うから」
完全に失念していた。
目隠ししているから見れないのかと思っていたけれど、実は外せるし、目の機能は失われていない。
ただ、人や動物を瞳に映すと命を奪ってしまうから、目隠しをしているんだった。目視で確認したい場合は、外せばいいだけだった。
それでも何かを理解できないのは、文字だ。
「ん、マキは頭がいいな。そういうことだ」
よしよしと頭を撫でられ、ちょっとうれしい気分。
「そっか、アイブローも鉛筆型だから色鉛筆と区別がつきにくいと思ったけど、そもそも、なんですね」
「ん」
リオがニコニコしている。それだけでちょっと幸せ。
「ハンディファンは何かの役にたちそうですけどねぇ。入るかな?」
ハンディファンの電源を押してみたら、ブオンと羽根が回転を始めた。まだ充電が残っていたらしい。つい最近落ちてきたのかな?
そんなことを考えつつリオに向けると、とても驚かれた。
「いつの間に魔法を使えるように!?」
「…………」
チベットスナギツネみたいな顔になったのは、許してほしい。
「電気です」
「電気……あぁ、マキが話していた室内灯を付ける機能のやつか。『すまほ』と一緒のようなものか?」
「んーまー……電池的にはそうなのかな? 充電式だし」
技術的なものになってくると、とたんに答えられないのが私。
竹とんぼとか、耳かきとか、エコバッグとかの説明だけ饒舌なのも私。
この日は、ほぼガラクタのような落ちてきたものを見ては、二人でおしゃべりばかりしていた。
寝落ちじでまじたm(_ _)m
夜に……もう一話。
 




