25:所変われば。
お昼を食べつつ、昨日の現場の事を聞いた。
やはり特殊な個体が生まれていたらしく、またネズミの魔獣が大量に襲ってきたらしい。
「え、どうしたんですか?」
「んー? 全部殲滅してきたよ」
どうやら昨日はどういう対応をしたら良いかで迷って、あまり有効な手立てが打てなかったらしい。
今回はもうわかり切っていたので、殲滅作業に切り替えたのだそう。
もしかして…………リオってかなり強いのかも?
「ふぅ、お腹いっぱいだ。美味しかったよ、ありがとう」
「どういたしまして」
今度は二人でお皿洗い。
少しずつお互いの性格やスタイルが見えてきて、二人で何かをするのが楽しくなってきた気がする。
午後からは、また倉庫の中の確認。
先ずは少し気になっていた、大きなキャリーケースから。
一週間強くらいのサイズでピンク色。
ということは女の人の荷物かなぁ。
「あ、鍵がかかってるのかぁ」
上下にひとつずつある小さなロック。上部にだけ小さな鍵穴がついており、これを解錠すると、ぱかりと開く作りだ。
「それは重いからなにか入っていそうだが、全く開かなくてな」
ケースの作りと鍵の説明をすると、リオがふむと考えて、鍵穴に向かって手を掲げた。
カシャリと軽い音が響いて、キャリーケースが解錠された。
ケースを横に倒して、リオに開け方を教えつつよっこいしょと開いてみせると、中には服が大量に入っていた。
サイズはあまり変わらなさそう。
洋服は不必要とのことだったので、使わせてもらうことにした。
「あ! リオ、ジュエリー類が下の方にありましたよ」
「ん、助かる」
ジュエリーは、イミテーションの方が人気らしい。
なぜかと言うと、この世界では宝石はたくさんあれど、イミテーションのようなものを生み出す技術がない。なので、レジンのようなもののアクセサリーのほうが、人気かつ高価になっているそう。
「ほへぇ。所変わればー、ってやつですね」
それから、出てきた化粧品類もかなり重宝されているらしい。
アイブローペンシルなど、かなり画期的な発見だったらしく、それまでは筆で書いていたらしい。
なぜアイブロー用かわかったのかというと、パッケージのイラストのおかげだったそう。
そういえば、パッケージでどれだけわかりやすく商品をアピールできるか、みたいな考え方だから、ひと目でわかったんだと思った。
「ふふっ」
「ん? どうした?」
「ちょっと、変なこと、考えちゃいました」
あっちの世界に、リオを連れて行ったら、物凄く驚くんだろうなぁと考えたら、笑いが込み上げていた。




