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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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24/51

24:困惑する二人。

 



 私はスープとオムレツを作って、リオはパンを焼いてくれた。

 二人で準備するのって、なんかドキドキする。


「今日は、昨日魔獣が湧いた場所の確認をしてくる」

「はい。気をつけてくださいね」

「ん…………マキ」

「はい?」


 リオがなんとなくモジッとしている。


「その、さっきみたいに、だな…………」

「さっき?」

「ん、敬語を止めないか?」

「え――――」


 敬語を止めてどういう風に話せば良いのか、急に言われて一瞬思考の渦に飲まれた。

 そうしたら、リオがガタリと立ってバタバタと出かける準備を始めてしまった。


「え……リオ?」

「いや、気にしないでくれ。皿洗い手伝えなくてすまないが、もう出るよ。倉庫に行ってもいいが、なるべくなら小屋の中にいてくれ」

「え、うん。そうじゃなくて――――」

「じゃあ、行ってくるよ」

「え、あ、いってらっしゃい………………いってらっしゃいだけど、話、聞いてよ……」


 リオが小走りで出て行ってしまって、私はバタンと閉まったドアにそう話しかけるしか出来なかった。




 お昼ごはんの準備を終え、あとはリオが帰ってきてから仕上げの予定。

 リビングのソファに座って外を眺めながら、うっつらうっつら。船を漕いでいたら、小屋のドアが開いた。


「……んっ…………あ、おかえりなさい」

「ただいま……」


 リオがソファに近付いてきたので、少しだけ端に寄ってリオの座る場所を作ったつもりだった。

 つもりというか、私はそう思って端に避けた。なのに、リオは違う風に受け取ったらしい。


「そんなに嫌?」

「はい?」

「私は、マキとの距離を計りかねている」


 近付く許可が出たのだと思って一歩前進しようとしたら、三歩くらい引かれた気分になっていると言われた。

 どうやら敬語の話らしい。


 ――――私、嫌そうな顔とかしてたの? あれ? でも顔とか見えてないんだよね?


「漏れ出る魔力が物凄く困っていた」

「あ、うん。確かに。凄く困りましたもん」


 だって、男の人とタメ口で話したこと、なかったから。あと、なんで急にそんなことを言われたのかって困惑もあったから。


「困惑?」

「はい。だってなんのために敬語を止めるんです? 敬語を止めたら何があるんです?」

「なんのために?」

「うん」


 リオが口元に手を当て俯いて考える仕草をしていた。

 少し待っていると、パッと顔を上げてゆっくりと話し始めた。


「敬語は……距離を感じるだろう?」

「うーん。たぶん?」

「マキは敬語で距離を取ってないのか?」

「はい。強いて言うなら癖ですかね? たぶん」

「たぶん?」

「たぶん」


 うん、と頷きあって、じゃあこのままの話し方でいいのかも? という結論に達してしまった。

 なんか、この着地点って変じゃないかな?


 


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