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瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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22/51

22:リオの動揺。

 



 ♦♦♦♦♦




 温かい………………と思ったら、またマキが抱きついて来ていた。


「……………………は?」


 黒い髪。

 健康そうなクリーム色の肌。

 小さくてかわいい鼻。

 ぷっくりとした唇。


 寝顔がとても幼く、本当に二六歳なのかと思ったところで、停止しかけていた脳が動き出す。

 目が、見えている。

 マキの顔がわかる。


「っ!?」


 慌ててあたりを見回す。

 目隠しはマキの腕というか胸の中。なぜか抱きしめて眠っている。

 

 目蓋をしっかりと閉じて、魔力の感知を発動させた。そしてマキの腕から目隠しを取り返す。

 いったいどれだけ見つめていた?

 目隠しを外したのはマキ?

 なぜ?


 気持ちよさそうに寝ているが、起こさざるを得ない。


「マキ…………マキ!」

「んー。もちょっと……」


 マキの肩をゆらしつつ起こそうとしたが、なかなか起きてくれない。

 胸に縋り付いてきて、顔を埋めて左右に振られた瞬間、理性が危うく飛びそうにはなったが、ぐっと我慢。


「マキ、すまないが起きてくれないか?」 

「んー…………リオ……?」


 何度目かの呼びかけでマキが目を覚ましてくれた。

 そして少し残念そうな声を出された。


「あ、目隠しはめちゃったんですね」

「……マキ、なんで目隠しを外したんだ?」

「へ? リオが自分で外して眠ってましたよ?」


 ――――自分で、外した?


 記憶がない。

 だが、マキがくる前までは、眠るときは目隠しを外してから寝ていた。流石に、夜の私室なら間違いや事故は起きないだろと思って。

 寝ぼけて……いたのかもしれない。

 

「っ、すまなかった! 体調は悪くないか!?」

「いえ? 全然。なんでです?」

「魔眼のことを忘れたのか!?」


 きょとんとした声を上げるマキに少しだけモヤッとした。

 なんで覚えていてくれないんだ、と。

 

「忘れてませんよ。でも、炎のような綺麗な瞳だなぁとしか思いませんでした」

「目が……合ったのか?」

「え、はい」


 なのに、体調不良も起こしていない?

 疲れ果ててもいない?

 …………いや、そんな事があるはずが。

 でも、もしかして?

 

 少しの期待と疑惑が綯い交ぜになる。

 実験など出来るはずもない。

 既に何度、人の生命を奪ったことか――――。


 二人の部下は、事故だった。

 魔眼になった瞬間に、居合わせてしまった二人。だが、家族にとってはそんなことはどうでもいいだろう。私はただの殺人犯だ。


 重犯罪者の数人は、国王による命令での実験で。

 部下が死んだことにより、事実確認の為に行われたもの。そしてその日に、私を隔離することがほぼ決まった。


 ――――私は、殺人犯と大差ない。


 


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