表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瀕死の私を助けてくれたのは、真紅の目隠しをした魔眼の騎士様でした。  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/51

20:照れ屋さんなリオ。

 




「出ちゃ、駄目だよね――――?」

「っ…………ハァ。あぁ、出ないでくれ」

「リ、リオ!?」


 リビングの窓の外に映る暗闇をぼーっと眺めながらボソリと呟いたら、リオがいつの間にか真後ろに立っていた。

 いつの間に帰ってきたの?

 ドアが開く音が聞こえなかった……のは、たぶん私がぼーっとしてただけだけども。


 慌てて駆け寄って怪我をしていないか確認した。

 手、足、身体、顔、背中。


「怪我、してないです?」

「ん。してない」


 無事だと聞いてホッとした。

 リオはなんだか嬉しそうな口元で私の頭を撫でてきた。


「遅くなってすまなかった。待っていてくれてありがとう」

「っ、はい」

「不安にさせたな」


 更にくしゃくしゃと頭を撫でられたせいで、髪がぐちゃぐちゃになってしまった。

 

「もー。ボサボサになったじゃないですか」

「ふふっ」

「あ、先にご飯にします? お風呂にします?」


 こんな時間まで討伐?に時間かかったんだし、絶対にお腹減ってるだろうけど、どっちがいいかな。そう思って聞いてみたら、リオが手の甲で口元を押さえて顔を真赤にしていた。そして、お風呂に入ってくると足早に立ち去ってしまった。

 今回で流石に気付いた。

 リオ、めちゃくちゃ照れ屋さんだ!




 リオがお風呂に入っている間に、ボロネーゼソースを温めつつ、パスタを茹でて用意した。

 そういえばパスタしか用意してなかったなと、慌てて葉野菜のサラダを用意した。ドレッシングはオリーブっぽいオイルと塩とブラックペッパーとレモン。


「いい匂いがする」

「パスタとサラダだけだけど」

「ん、ありがとう」


 リオはいつも直ぐに『ありがとう』をいう。

 真面目というか、優しいというか。

 物腰は柔らかいし、食べ方も綺麗。自分のことを『私』と言う。


「リオってもしかしていいとこの家の人? 貴族とか」

「…………あぁ、ん。折角の料理が冷めてしまうな。食べてもいいかい?」

「あ、うん!」


 ――――いま、話を逸らされたよね?


「ん! このソース、とても美味しい!」

「お昼のスープの転用だよ?」

「そうなのかい? マキは魔法が使えないと言っていたが、魔法のような料理を作るんだな。凄い才能だ」


 褒められてとても嬉しかった。

 料理は好きで作っていたけど、誰かに食べさせたりはしたことがなかった。

 こんなふうに食べてもらえて本当に嬉しい。


「ありがとう、リオ」

「ん」


 お互いに何度目かの『ありがとう』を言いあった。

 それからリオは、今日あったことを教えてくれた。


「小型の魔獣が、百匹以上も?」


 リオは、小型犬より少し小さいくらいのネズミの魔獣と戦っていたらしい。しかも百匹以上と。

 本当に怪我はなかったのかと心配になったけど、リオは銀色の美しい髪をサラリと揺らして、勝ち気な笑みを口元に乗せた――――。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↓ ↓ 笛路の別作品 ↓ ↓

新着投稿順

 人気順 

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ