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コンクリートジャングルオブハザード ~ゾンビ世界で遊びましょう  作者: バッド
3章 初めてのコミュニティを助けよう

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22話 ゲーム少女は装備を整える

 あれから数日たった後である。


 周りのゾンビを倒しまくって財布が少し温まってきた遥は装備作成を行おうとしていた。


 この間のデカサルモンキーとの闘いで服がぼろぼろになったからである。今はジャージ姿にゲーム少女はなっている。


 ちょこんと体育座りで座っているレキは、他人から見るとかなり可愛いだろう。学校関係者以外は立ち入り禁止な感じだ。学校関係者以外立ち入り禁止な感じをだしているのに、横ではカメラでレキの動画を撮りまくっているサクヤがいる。拠点拡張時にどうやら超高性能カメラをナインに作ってもらったようだ。


 どこらへんが超高性能かというと、ゾンビを倒しに外に行っている間、カメラがヘリドローンに変形して常にその活躍を撮っていたぐらいの性能である。


 無駄に性能が高いカメラドローンだ。もちろんリモコンはサクヤが持っているので偵察などには使わせてはくれない。そろそろサポートキャラも変更できる機能が欲しいです。


 どれぐらい貴重なマテリアルを使ったのかと戦々恐々しているおっさんであった。


 何はともあれ、装備を作成しないとである。もうマシンガンの攻撃をペラペラの服で受けたくはない。


「コンバットブレザー他一式ですね」


 ここらへんがお勧めです。とナインが一覧を指さすとメカニカルなブレザー、スカート一式が表示されている。袖やらなにやらに装甲がついていて、ブレザーも胴体各所に装甲が張り付いている。


 まともなお勧めにナインの評価急上昇な遥である。


 どうやらナインはまともアピールをして遥を落とすつもりらしい。まともなアピールでなくても、もてないおっさんはあっさり落ちると思うのだがそこはナインの主観からくる感想であった。


 実際には条例を気にする遥がナインに落とされるのは、かなり先になるかもしれない感じがしてもだ。


「コンバットブレザー一式作成!」


 ゲーム少女は、可愛いちっこい手を掲げて、ごごご~と作成し始める。


 光り輝くマテリアル。


 光り輝くサクヤの興奮した顔。可愛い可愛いとカメラを撮りまくっている。もう何を言っても、このメイドはダメかもしれない。


 ピカーンと作成されて出てきたコンバットブレザー一式を着てみる。防御力は10みたいだ。前に作ったスカート一式より全然ごつい見かけなのに、10である。前は5であったので5しか上がっていない。どうやらこのゲーム的仕様は1の違いが大きいみたいである。


 装甲以外にも小さなポケットが各所に縫い付けられている。アイテムポーチを使わずにすぐに使えるアイテムをセットしておけそうだ。


 何しろ戦闘中にアイテムポーチを呼び出せるほど精神イメージが高くはないのだ。アイテムポーチなんか出していたら、その間に敵にやられること請け合いである。ポケットがあるのは重要なのだ。


「やりましたね。マスター。次は武器がいいのではないでしょうか?」


 今度はコンバットナイフを指さすナイン。さすがに遥も鉄パイプだけでは怖くなってきている。言われたとおりにコンバットナイフを作成する。


 ピカーンと光り輝きコンバットナイフが作成された。


 すぐにアイテムポーチにしまう。他人にこんなでかいナイフを持っているのを見られたくないという、いまだに銃刀法違反が怖い遥であった。


「銃はどうしましょうか?」


 今日のナインは押せ押せらしい。サクヤが勝手に評価を下げているので、その分頑張る所存である。


 ナインの方が年下であるはずなのだが。


「うーん、どうしようか」


 消耗が発生する武器は、敵から拾える弾丸を使うこと以外、嫌である。しかし銃が必要な場面があるかもしれない。渋々と一覧から探し始めた。


「スナイパーライフルだな。威力、距離ともに申し分ない。近中距離は格闘戦でいくよ」


 芋スナになれる素質をもつ優秀な遥である。弾丸消費も少ないでしょ、とスナイパーライフルを作り始めた。


 またもやスナイパーライフルが作成されたが、光り方が違った。


 いつもは、ごごご~、ピカーンなのに、今回は、ごごご~、しゅわわわ~ピカーンだったのだ。


 擬音の表現もしょぼいおっさんである。


 できたスナイパーライフルはこうだった。


『成功:スナイパーライフルレキ式(O)効果:敵を3体まで貫通』


「O? 何これ」


 疑問に思い首を傾げる。


「これはオリジナルです。最初に装備した人間しか使用できないアイテムですね。通常の1.5倍は効果が上昇しています。やりましたね、さすがマスター」


 ぱちぱちと可愛くナイン。


 やったぜと、ゲーム少女も嬉しくなった。同様にぱちぱちと可愛く拍手してみる。


 二人の拍手をしあっている可愛い女の子たちと、隣ではぁはぁ言ってカメラを撮っている銀髪メイド。もうこのメイドは捕まえてもらった方がいいかもしれない。


「でも、武器は攻撃力がでないんだね?」


 服は防御力がでたのに、不思議に思う。


「防具とちがい、武器は敵への当たり所や使い方により攻撃力が変わります。そのため、基本的に攻撃力は表示されません。でも、レアなマテリアルで高レベルな装備作成ツールで作れる武器の方が強いですよ?」


 こんなところで現実準拠かと思ったが、まぁ当然の理論でもある。後、強い武器の作り方が安心な仕様で助かった。


 画面の裏とか隅っこにある目立たない武器を改造して最強の武器を作るなんて無理なのである。ちゃんと一覧から選んで作成するマニュアル人間なのだ。


 弾丸はノーマルのライトマテリアルで作成する。一応99発作っておいた。もしもの時を考えてである。


 バレットマテリアルを使った強化弾を作成しない時点で、もしもの時はなんて考えることは必要ないと思われる楽観的かつセコイゲーム少女であった。


「回復薬はポーションっと」


 やはりごごご~とポーションを2個だけ作る。ノーマルのポーションが2個できた。さすがにレベル1では、そんなにぽんぽんレア度が高いものはできないみたいである。やばいときは治癒術で駆け抜ける予定。ポーションを使う気はない。


 しかしようやく一揃えの装備一式ができたのであった。これまでがおかしかったと思われる。ハードモードなら、最初の戦闘で死んでいた可能性が高い、本当にイージーモードで助かっているおっさんであった。


「次なる探検はメインミッションの一覧から考えた方がよろしいかと思います。ご主人様」


 ようやくサポートキャラらしくサクヤが次なる探検場所を伝えてくる。


「メインミッション一覧?」


 見てみるとクリアしているミッションと新たなるミッションが表示されていた。『生存者と出会う:500EXP、生存者を助ける:1500EXP』がクリアされていた。後者は見た覚えが無いのでナナたちと出会った後にできたミッションであろう。次のミッションは『生存者の拠点に行く:2000EXP』となっていた。


「あぁ、拠点までついていけばよかったかぁ」


 とそれを見た遥は少し後悔するが、あのまま行ったら抜け出すのが難しかっただろうと考え直す。


 そして重要なミッションが表示されていた。


『駅前ダンジョンをクリアする:5000EXP、アイテム???』


「ダンジョン!何これ?」


 冒険心をくすぐる内容である。もちろんゲーム少女以外では行く気はない。おっさんだと確実に死ぬはずであるからして。


「ミュータントの変異が進み、縄張りが異界化した場所ですね。それがダンジョンです。レアなミュータントがいる可能性があります。宝箱もあるかもしれません」


 サクヤがにこやかに言ってくる。もうここに行くのは決まりでしょという感じだ。


「宝箱かぁ、ゲームぽいなぁ、なんで宝箱?」


 疑問を問う。


「宝箱は浄化されずに微小なダークマテリアルが結晶化した物となります。それらは貴重なマテリアルが多い可能性が高いです。宝に罠はかけられていません」


 宝といっても水晶みたいな見た目ですよと教えてくれるサクヤ。戦闘、探索系では本当に役に立つサポートキャラである。いつもこうなら良いのにと思うが、でもポンコツの姿も良いなと思ってしまった遥である。


 罠がなくて良かったとも思う。盗賊が死んでいて罠が解除できなくても、危険な香りがするミミックっぽい不自然な場所に置いてある宝箱でも絶対に開けて中身を確かめないといけない使命感にかられるので。ゲーマーあるあるといえよう。


「とにかくダンジョンか! 良いね! 良いね!」


 次に行く場所は決まったねと、ダンジョンに向かうために家を出たゲーム少女であった。

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