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コンクリートジャングルオブハザード ~ゾンビ世界で遊びましょう  作者: バッド
2章 初めての生存者と遊ぼう

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17話 ゲーム少女は障害物競走をする

 なるほどねぇと、遥はロープを渡りながら眼下を見た。わざわざ戦う必要はないわけだ。ゲーム的ではないなと、このアイデアに感心した。


 地上ではスケルトンたちが未だにバリケードを破壊しようと無駄に頑張っていた。 リッチっぽいのは、ぼっーと立っているのも見える。魔法的なものを撃たないのかと心の中で突っ込む。見掛け倒しなのだろうか。


 スルスルと渡りきり隣の屋上に辿り着く。次はあそこに移動するからと、ナナが次に張られているロープまで案内した。


 この人々は何なんだろうか? サスケ経験者の集まりかな? と遥が疑問に思うぐらいに皆スルスルと移動している。可愛いレキの装備は鉄パイプのみである。ベルトに挿しながらロープを渡っている。チートなステータスもある。連続でロープを渡っても疲れもしない。


 おっさんぼでぃなら疲れたので今日は酒飲んで寝ます。あぁ運動したと言って、もう絶対に次のロープは渡れないレベルである。


 だが、この人々は銃は勿論のことパンパンに入っているリュックを背負いながらロープを渡っているのだ。特殊部隊の方々かな?と少しビビります。


「恐らくはマテリアルの力ですね」


 先程から黙っていたサクヤが推測を教えてくるので、遥は周りに聞こえないように注意しながらサクヤに問いかける。


「マテリアル? 俺以外でも力を得た人がいたの?いないと言ってなかったっけ?」


 レキぼでぃにチェンジした頃にそんなことを言われた記憶がある。


「結晶化された力からは得た人はおりませんでした。これはゾンビたちがご主人様に倒されて浄化されたライトマテリアルの力を得てパワーアップした人々ですね。良心が少しはあるのでしょう」


「待った待った! 俺が倒した結果? この人たちは近くにいなかったよ?」


 寄生してパワーレベリングは嫌いな遥。昔やっていたネットゲームでも、そういった行為は断っていた。


「近くにいなくても良いのです。ご主人様が倒した残飯が空気中を漂い、彼らに入っていったのでしょう」


 残飯は酷くない? と思いつつ、もう一つ気になったことを聞く。


「遥ぼでぃには? 遥ぼでぃには入ってないの?」


 おっさんぼでぃでも強くなれるかもと期待を持ってみる。


「残念ながら、遥様のぼでぃは結晶化されたライトマテリアルのゲーム的な法則に縛られて創られております。空気中のライトマテリアルを吸収して勝手にパワーアップはしません。レキ様なら経験値という形で吸収しておりますが」


 残酷なことを言うサクヤ。後、かなり気になることを言われたがスルーすることにした。遥は魔法少女ではないし、体に絶望して魔女にもなりたくないのだ。今が良ければ良いでしょスタイルの駄目なおっさんであった。


「それじゃ、この人たちも人外レベルになるわけ?」


 勇者的な存在が生まれるかも。そうしたらゲーム少女も目立たないよね?


「残念ながらそこまで強い人間は生まれないでしょう。精々オリンピック選手より少し強いぐらいのレベルになるぐらいです。空気中に漂うライトマテリアルの残滓ならそれぐらいにしかなれません。結晶が星1つの大きさの力としますと、残滓は微粒子レベルですね」


 と、あっさり否定されてがっかりする。まぁ、アイテム作り放題に理不尽なスキルやらステータスの力を上げ放題の力とは比べ物にならないかと納得するゲーム少女であった。


           ◇


 移動はまるで軍隊で訓練に使う障害物競走をしているかと思うほど過酷であった。


 ロープでの移動は当たり前、壁に僅かに刺さっているボルトを足場にホイホイと移動。更にはビルとビルの間をジャンプというアクションスタントマン並みの移動であった。


 これで少しの強化なのだから恐ろしい。この人たちも人外に足を踏み入れているよねと、ドン引きする遥である。


「大丈夫? 疲れていないかな?」


 さすがに汗だくになっているナナがこちらを見てくる。


 疲れるというレベルなのだろうか? 普通の女の子なら、絶対についていけないよね。どうやってついていかせる気だったの? と物凄い問いかけたい。


 しかし致命的なことにも気づいた。


 汗をゲーム少女は全くかいていない。演技では限界な、どうにもならないところである。


「結構疲れましたね」


 汗もかいていないのに、顔を拭いハァハァ言い始めておく。どうか気づかないでくれと祈る。


 聞かれたら、私、汗はかかないほうなんです。と無理はあるだろうがそれで押すしかないと決意をした。


「一休みした後に、最後の移動をする!」


 さっきのゴリラとは違うゴリラが皆に言う。


 ふぅ~と座り込む周りの面々。やはり過酷な移動みたいだったようである。


 ふぅ〜と全く疲れていないが、私はクタクタですよアピールをして座り込むゲーム少女。


 皆の服が汗でビショビショなのに、全く濡れていない。こりゃやばいと思ったがどうしようもないのである。


 もう汗のことは諦めて、一休み中に気になっていたことをナナに聞いてみる。


「あの、さっきから気になっていたんですが、ゾンビ以外のあれは何なんですか?」


 私、初めてスケルトンとか見ました! アピールをしてみる。


「あぁ、あれを見るの初めて?」


 見慣れているのだろう、あっさりナナは教えてくれる。


「10日は過ぎた頃かな? ゾンビたちから、あんな化物に変化するやつが出てきたんだよね」


 市庁舎の屋上で監視員をしていたナナは当時を教えてくれる。


「何か体が黒くなったゾンビがいるなぁと、見てたら体がグニャグニャっと変化したんだよね。まぁ、力はゾンビ以下になったみたいだからラッキーだったけど。段々劣化しているのかな?」


 と気楽に話すナナ。


「長い時間が経過したことにより、ゾンビの中から更に変異したミュータントが出てきたみたいですね。変異したオリジナルに影響を受けたゾンビもいたでしょう。先程のスケルトンたちのように」


 今更教えてくれるの? 事前に教えてくれよと、サクヤが伝えてくれた内容に心の中で反論したい遥であった。だが、更に気になることがある。


「スケルトンに、みんな変異したんですか?」


 デカゾンビとか黒ゴブリンとかもいるはずである。あれらはかなりの脅威になる。


「うん? そうだよ、スケルトンばっかりだよ」


 もしかしたら全部スケルトンになるかもね、そうしたらもっと移動しやすくなるかも? と楽観的なナナ。


 反対に緊張する遥。


 デカゾンビたちに出会ったことが無いのはかなりまずい。初見では死人が出るかもしれない。


「あの、ゾンビたちはスケルトン以外にもなると思いますよ? 私は移動中に遠目で、見たことがあります」


 と、今迄出会った事のあるボス的ミュータントの情報をナナに話す。


 一気に真面目な顔になったナナは、隊長先輩に話してみると立ち上がろうとした。


 しかし遥はその行動が遅かったことを気配感知で知った。凄い速さでビルの壁を登ってくるミュータントが何体もいることを感知したのだ。


「フラグをたててしまったか」


 映画あるあるで、化物の情報を伝えた途端に来るパターンである。


 どうやって周りに力を気づかれずに戦うかと遥が考え始めたところに、ビルの壁下からミュータントが飛び出してきたのであった。


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― 新着の感想 ―
ゴリラ部隊がゴリラミュータントに負けるはずないだろ?常識的に考えて、だってゴリラだよ?最強だよ!! え?敵もゴリラ?いやだなー黒いだけのゴブリンだよハッハッハッ
[一言] この章をありがとう
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