第0話 赤色の雷
「は……? 」
これが今の僕の気持ちだった。
何があったか説明しよう
大雨の中、赤信号を無視して横断歩道に自転車で突っ込んでいった結果スリップして大型トラックに轢かれかけていたのは覚えている。
「ああ、死にたくないな」や「せめて地獄以外のところに行きたいな」
なんて思いながら僕はその時が来るのを待っていた。しかしここで僕の常識は粉砕された。
目の前に落ちるはずのない赤色の雷が落ちたのだ。
思わず目をつぶってしまった。
そして次に目を開けたときには見慣れた街ではなく暗い洞窟の中、もっと言えば怪しく光る魔法陣の上にいたにいた。
周りには黒色の白衣(黒衣?)を着ながら
「やりました~」とか「これで救われる! 」とか言っている美男美女たちがいる。
こんな事があって最初の感想に至るわけだ。
忘れていたがそろそろ自己紹介をしないとな。
僕の名前は川口優樹、二十歳だ。
陰キャとして生きてきたら「石像」のあだ名が付けられ「石像の川口」になってしまったという伝説を
持っていた。
イケメンとして親戚や友達の中では有名だった。こんな感じ平凡な暮らしを送っていたのだが
どうやらそれも終わりのようだ。
そんなことよりも何があったのか説明してほしい。早く普通を返してほしい。
なんて考えていたら近くにいた研究員たちに言われた
「「「ようこそ裏側の世界へ!」」」
日常はしばらく帰ってこないようだ。