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赤い津波  作者: ニカラグア
2/2

ノーチラス

6/24 00:05 ヴィルヘルムスハーフェン第6ドック


海風で錆びたドックのシャッターが長い旅路の産声を上げた。

腕の中で大人しくなった記者を見てミスラは言った

「これが対戦前、我々の先代が隠し通した遺産だ。ある程度の航行ができるよう、改修はしてある。何か質問はあるか?フロイライン」

マリアは再度元気を取り戻し以外な返事をした

「いちいち鼻につく言い方しかできないのかしら?ドイツ人って連中は!?まぁいいわ、折角だしついて行ってあげる。それより早く離してくれるかしら?」

ミスラは拘束を解くとしばらく彼女を警戒し副官のヴィットマンに号令を飛ばした。

「フランツ、錨をあげよ!舵を取れ!」

フランツは勢いよく乗り込んだ

船内から勢いよく無線が鳴り響く

「jawohl!!」

「ヴィルヘルム航路クリア、フランツ!両舷前進微速!さぁ、フロイライン艦内へ」

ミスラは大変紳士的な態度であった。彼の力強い腕に引かれマリアはアメリカ航路へ向けての旅に出る。


7/4 08:43 北大西洋洋上


海上数百メートルを常にアメリカ軍P-8哨戒機が闊歩する海域に来た頃であろうか、彼らは非常にリラックスしていた。

「フロイライン、コーヒーを淹れてくれるか?」呑気な声が艦内に響いた。

「ハァ、それぐらい自分で淹れたらどうです?大佐殿?」洋上で釣りをしていたヴィットマンが艦内に降りてきたようだ、どうやら戦果は上々だったらしい。

「本国からの日報、そんでもってコーヒーです。どうやら東部も動き始めたらしいですよ。」日報に目を通したヴィットマンが忌憚なく彼に報告した。

「そうか、しかしながら我々には関係のない事だそうは思わんかね?フランツ君」

ミスラは眠そうに常光灯を見ながら言った。

「多少は興味を持つべきですよ大佐殿、そういえば先程から彼女の姿が見えませんね?」

「ふむ、点検がてら探してきたまえ」

「jawohl!」

もう一眠りと言わんばかりの大きなあくびをかまし、ミスラは机にもたれかかった。

数分せぬ内にミスラの元に2人が走ってきた。

フランツは酷く激昂し、マリアを追いかけ回している。一方マリアはバスローブ一枚で逃げ回っていた。フランツが肩を掴んだあたりで「大佐!!!」2人は同時に大声を上げた。

2人は同時に事情を話し出した。

「「このアマ男が、私風呂の裸お湯を見たの!2Lも使いやがったんです!」」

何が何だかわからない、取っ組み合っている2人から事情を聞いた。

フランツの言い分はこうだ

「貴重な真水を風呂なんぞで2Lも使いやがった、しかもあの女は1日に3度も風呂に入ってやがる。」死活問題だ。


一方マリアは

「あの男が急に激昂し入浴中のシャワー室に入ってきた。プライバシーの侵害よ!」何とも記者らしい言い分だ。


ミスラが2人の仲裁に入ろうとした時、警報が鳴った。


哨戒機から放たれたであろうソノブイが至近数キロで着水したのだ。

「フランツ、全速潜航!」

ミスラの怒号が響く

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