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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

5分で読める淡い百合両片想い8〜エクレアの憂鬱編1〜

作者: 水色桜

いつもの休み時間、私は大好きな百合漫画の絵を描いていた。このカプは地味な主人公とぐいぐいくるギャルという正統派な感じなのだが、その心理描写がとっても綺麗でお気に入りなのだ。特にお気に入りシーン(主人公がギャルのことを好きだと気付くシーン)の絵を描いていると、同じクラスの陽香さん話しかけてきた。

「絵ちょーうまいね!どうやったらそんな上手く描けるわけ?あたし絵下手だから尊敬するわ〜。」

陽香さんはいわゆるギャルというやつだ。ノリが軽くて誰とでも仲良くなれるタイプの人種。何故か最近気に入られたのか話しかけられることが多い。

「そそうでないですよ。誰でも練習すればこのくらい描けます....。」

私は少し吃りながら答える。

「ねぇ今度あたしに絵の描き方教えてよ!美術の成績とかまじあげたいし。」

「えっえと。その私なんかが教えられることなんて何も....。」

「少しだけでもいいから。この通り。」

手の平をを頭の上で合わせる大袈裟な仕草で頼まれる。

「えっとじゃあ時間が合えば...。」

私はつい根負けしてそんなことを言ってしまった。まあきっと流れておしまいだろう。この時はそう思っていた。

--------------------------------

その日私は陽香さんと私の部屋で対面していた。あの日以来あれよあれよという間に流されて家に招くことになってしまったのだった。今日の陽香さんは眼鏡をかけ、髪を後ろで結んでいた。学校の時とは違う真面目そうな感じだ。なんか違う人間がいるみたいで調子が狂う。

「ここはバランスが大事で....。」

陽香さんはかなり呑み込みが速く、あっという間に上達していった。

「ありがと。かなり上達したわ。これなら美術で5取れちゃうかも。」

そんな冗談を言っていたが、言い終わると何故か深妙な面持ちになった。

「それと、さ。私ずっと言えてなかったことがあるんだけど。舞香のこと好きかもしんないんだよね。気持ち悪いとか思うかもだけど。」

私は雷に打たれたような衝撃を受けた。これは地味子とギャルという王道パターンではないか!いやっでも。いい人だとは思うし、とっても可愛いとも思うけど、好きかどうかなんて分からない。

「気持ち悪くはないよ。でももう少し待ってほしいかな....。」

そう言ってその日は終わった。



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