朝から晩まで
いつの間にか、
ぶら下がっている。
春の合間を、
行き来するうちに、
いつの間にか、
ぶら下がっている。
甘酸っぱくなれたか。
まだ大きくなれそうか。
たくさん実れと
言ってはいたけれど、
こんなになるとは
思っていなかった。
花壇の端、段々の土に、
植えて増やした苺。
去年から今年にかけて、
氷点下に枯れたかと
思った日もあった。
冬越しは上手くいった。
朝から晩まで
暮らしのために
働いている。
だから今、
暮らせている。
朝から晩まで
苺のために
働いてはいない。
だけど今、
苺はぶら下がっている。
忙しい日々に、
目にしない命も、
粛々と赤く燃えている。
もっと見つめたい。
朝から晩まで。
もっと気づきたい。
詩を創るために。