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短めですが投稿します。
それに合わせて予定していた構成を変更します。
現状を確認する。龍は俺が栞里を好きなことを知っていて、俺に協力してくれている。その上で栞里と2人で会っていて、俺からの連絡を無視した。これが栞里との時間の邪魔だったからなのか、それとも俺への罪悪感からなのか。どちらにしても協力すると言ったことは嘘だったんだろう。情けないことを認めるが俺は栞里と手をつないだことすらない。龍もそれを知っていて、俺に悪いからと栞里と距離をとっていた。俺が居ないところなら良いと考えているならそれは協力する振りでしかないし、仮に栞里からのお願いだとしてもそれを受けるということはいざという時には栞里の味方ということになる。龍は俺の敵ということでいいだろう。
栞里はどうか。こっちは龍より深刻だ。2人っきりになった理由はともかく、栞里は龍と手をつないで2人っきりの状況を嫌がってなさそうだった。龍と比べると俺は栞里と距離を縮めたつもりでいただけで、何1つ前進していない。毎日の会話、休日のデート、今まで積極的にやってきたことは全て無駄だった。今も栞里は俺を良くて友達としか見ていない。考えたくないが、もう龍と付き合ってて皆に隠しているだけかもしれない。そうなるとどう頑張っても俺に勝ち目はない。
(無理だ)
頭のなかに浮かぶ現実を振り払い考える。このままでは駄目だ。もっと違う方法で。どんな手を使っても。
普通で駄目なら普通じゃない方法で栞里を手に入れる。
(そういえばどっかでこんなの見たような)
栞里と付き合うために効果がありそうなことや付き合った後にどんなことをしようかとネットで調べていたときに、それっぽいのを見た記憶がある。恋人がいる相手にってことで気分が悪くなって見るのをやめたが、今はそれが役立つかもしれない。検索をかけるとすぐに出てきた。
それは衝撃的だった。栞里とやりたいことのゴール地点がキスをする、だった俺にはその先のことなんて考えていなかった。もう精通はきているし、エッチなことにも興味はあるが、栞里とそうなるのはまだまだ先の話で、かつそれは子供をつくる行為という認識でしかなく、保健体育の教科書に書いてあることでしかなかった。
ただ気持ちいいことだけを求め、相手に依存させる。恋人がいても、自分に縛りつける。恋人の関係を滅茶苦茶にして自分のものにする。そんな世界があるなんて知らなかった。
♪〜♫〜♬〜
「おはよう」
「うぃっす、悪いな弘。昨日の電話出れなくてよ」
「何かあったの?」
「母親から夕飯で足りないものがあって買い出し頼まれてよ。買い物行った時にスマホ忘れちまったんだ」
「なんだ、良かった。何かあったのかと心配したよ」
「心配かけてすまん」
当然龍が嘘をついているのはわかっている。嘘をつかれて怒りが湧くかと思いきや、気持ちはどんどん冷めていった。きっと俺は龍に期待していたのだろう。昨日のことを話して、謝ってくれることを。
ならいい。逆に安心した。これで遠慮なくできる。龍は親友であることは間違いない。今でもそう思っている。ただ、栞里が絡むと龍は完全に敵になる。これからはそう認識しよう。
当初の予定では例えると、
弘和で①→②→③をやってから、
栞里で①→②
龍之介で②→③
をやるはずだったのですが、
弘和①
栞里①→②
龍之介②→③
に変更させてもらいます。
次は栞里視点で行きます。これはこれで明日投稿できるか怪しいです。すいません。
最後に、読んでくれた方、評価して下さった方。ありがとうございます。