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投稿します。

宜しくお願いします。


「おはよう父さん。そう言えば今日は休みだったね」


リビングで新聞を読んでた父さんに挨拶する。


「おはよう弘和。久し振りの休みだ。ゆっくりさせてもらうよ」


「朝は食べたの? まだだったら一緒に作るけど」


「ああ、頼むよ」


パンを焼き、目玉焼きを作り、カット野菜を盛り付ける。休日でも、朝ならこれで大丈夫だろう。


「「いただきます」」


「何時に出るんだ?」


「9時くらいかな。バスに間に合うように行くよ」


試合は後の方だと龍から連絡があったから充分間に合うだろう。

朝食を取り、準備を終わらせてゆっくりしていたところに家のインターホンが鳴った。


「はい、糸巻です」


父さんがモニター越しに対応するが2、3話した後に俺を呼んだ。


「おい弘和、お前にお客さんだぞ」


「? わかった。今行くよ」


栞里とはバス停で待ち合わせのはずだから来ないはずなんだけど。父さんとモニターを代わり相手を見る。志保だ。玄関まで行き、扉を開ける。


「おはよう、なんで居るんだよ」


「え〜 酷くないですか先輩。可愛い後輩が迎えに来ましたよ」


「迎えにって、お前も龍の応援に行くのか?」


「そうですよ、一応私もテニス部ですし」


「あっそ。俺は栞里とバスで行くから先に行ってろ」


「バスですか。じゃあ私もバスで行きます」


「ふぅん。じゃあな」


「じゃあって何ですかじゃあって」


「いや、そのままの意味だけど」


「一緒に行きましょう」


「まだ出る時間じゃねえんだよ」


「じゃあ私も時間まで待つんで家に入れて下さい」


「アホか、さっさと行け」


「先輩冷たい、栞姉えに言いつけるよ」


「栞里がいるから断ってるんだよ。分かれよ」


いくら栞里と面識があるとは言えバス停にこいつと一緒に行ったらどうなるか。栞里に悪い。


「ほうほう、これもですか。栞姉え愛されてる〜」


またか、と呆れる。そろそろいい加減にしてくれ。こいつは度々栞里に相応しいかどうかと俺を試してくる。最初は栞里のことが心配なんだと我慢してきたがもう4ヶ月以上経っているのにこれとは。ここまで来ると何か別の思惑があるように見える。


「わかったら1人で行け。後で栞里と行くから」


「とは言っても先輩」


志保は1度言葉を区切り、


「本当に私をこの炎天下の中に放り出すんですか?」


志保の後ろからアスファルトに反射した光が差している。耳を澄ませすとも聞こえてくる蝉の鳴き声。まだ炎天下、とまではいかないがもうじきだろう。


「今も外にいる私が途中で熱中症で倒れたら、とか思いませんか?」


確かに熱中症は怖い。本人が対策を取っているつもりでもふと倒れてしまうことがある。


「ちゃんと対策とってんのか?」


「飲み物だけあります」


バックを開けてペットボトル2本を見せてくる志保にこれはダメだと呆れてなかに入れた。


「お邪魔しま〜す」


「はぁ、なんでこんなことに」


栞里に志保が家に来たことを連絡し、どうせならと栞里も呼ぶことにする。


「始めまして、村瀬志保(むらせしほ)です。いつも弘和さんにお世話になっています」


栞里に連絡中、勝手にリビングに入っていった志保が父さんに挨拶している。


「始めまして、弘和の父だ。君は弘和の、友達かな?」


「はい。今は友達として仲良くさせてもらっています」


「アホか、お前後輩だろうが。父さん、折角だからもう1人呼ぶことになった」


「ああ、その子も友達かい?」


「・・・彼女」


父さんに彼女が来ることを話しているときに視界に入るニヤニヤと笑う志保に腹が立った。


  ♪〜♫〜♬〜


「始めまして、三島栞里といいます。弘和くんとは良いお付き合いをさせてもらっています」


父さんに挨拶する栞里を見て溜め息を吐く。今日は溜め息ばかり吐く日だな。高校を卒業してから挨拶の段取りをしようとしてたのに。


「始めまして、これからも息子を宜しく頼むよ」


まあ、過ぎたものは仕方がない。どの道遅かれ早かれ紹介する予定だったのだと飲み込む。


「父さん、彼女が俺の1番大切な人。これからもずっと一緒にいるから宜しくね」


栞里が俯いてしまったがここまで来たら勢いだ。


「おいおい、息子の未来が明るいのは喜ぶべきことだが早すぎるぞ」


「それだけ本気なのさ」


自分が居ると居心地が悪いだろうと父さんが2階に上がってからしばらくリビングで話し、時間が来たので家を出る。


「いや〜 暑いね〜」


「早くバスに乗りたいね」


栞里と志保が会話しているが、俺は暑くてだるいので涼むまでは話に入るのは止めておこう。


  ♪〜♫〜♬〜


バスの中は涼しかったがそこからの歩きは地獄だった。しかも会場は屋外で暑さはそのまま。人がいる分、更に暑いかもしれない。

暑い、が、更に俺の熱を上げてくるのは他校の男子達。栞里、ついでに志保をチラチラ見ているのが分かるので鬱陶しい。あわよくば声を掛けようと伺ってそうなやつもいるからどんどんイライラしてくる。早く龍を探そう。


「早く行こう。お前達は俺から離れるなよ」


龍と連絡を取り合い合流する。


「よう。暑いのにありがとな」


「いいって、試合頑張れよ」


「おう。応援頼むぜ」


「頑張ってね龍くん」


「ありがとよ。んで、志保じゃん。なに? 応援しにきてくれたんだ」


「別に浅沼先輩の応援をしに来たわけじゃありません」


あれっ、龍の応援しに来たんじゃないのか。


「志保ちゃんは意外と照れ屋なんだよ。ちゃんと応援するから、気を悪くしないでね」


「わかってるって。男女は違えど同じテニス部だ。その辺はちゃんと教育してあっからよ、応援頼むぜ、志保」


龍はそろそろアップに行ってくると言って志保の肩を軽く叩いて行った。


  ♪〜♫〜♬〜


全ての試合が終わり、龍の結果はシングルスベスト8位。本人は悔しがってたがまだ次があると息巻いていたので大丈夫だろう。他の部員と予定が入っているらしく、終わったらそのまま解散となった。栞里達を連れて帰りのバスを待つ。


「龍くん惜しかったね。もうちょっとで勝てたのに」


「そうだな。残念だけど、でも龍なら大丈夫だろ。帰るときはもう切り替えて次のことを考えてたし」


「まあ、浅沼先輩なら大丈夫ですよ。次の日にはいつも通りになってます」


「そういえば志保は龍の応援がメインじゃなかったのか?」


「いやいや、ちゃんと応援がメインでしたよ。ただ浅沼先輩に言うのが恥ずかしかっただけです」


「ふふっ、志保ちゃんは皆の前では強がってるけど本当は引っ込み思案だからね。本当に言いたいことは中々伝えられないんだよ」


「ちょっと止めてよね栞姉え。いつの話よそれ」


「へ〜 そんな一面があったのか。じゃあ俺達にも言えないことってあるのか?」


「えっと、どうだろうかな」


「まあ、志保ちゃんも女の子だもん。男の子には言えないことくらいあるよね」


「あはは、そうだよ先輩。女の子に不必要に踏み込む男の子は嫌われるぞ〜」


「残念だったな、俺は栞里以外の女子からはどう思われても気にしないんだ」


「もう弘くんったら、あっ、バスが来たよ」


バスに乗り、僅かながら涼をとって、降りる。


「じゃあ栞姉え、先輩、私はちょっと買い物があるのでここで失礼します」


「うん。じゃあね志保ちゃん。休み中に遊びに行こうね」


「いいよ。また連絡するね」


手を振って志保と別れ、栞里と帰る。俺の家の前まで来たときに栞里が、


「ねえ弘くん。志保ちゃんのことどう思う?」


と聞いてきた。


「どうって、生意気な後輩としか」


「志保ちゃんって可愛いよね。私、ちょっと不安になっちゃって」


「まさか、ないない。俺が好きなのは栞里だけだよ。本当だ」


「うん。弘くんは信じてるよ。でも、最近志保ちゃんのほうが弘くんに近すぎるっていうか、もしかしたら志保ちゃん。弘くんのことが好きなのかなって」


まさか栞里にここまで疑われていたとは。俺ではなく志保だが、確かに距離が近いような気はしていた。気を付けてはいたが、俺が気を付けるだけじゃ足りないな。栞里に心配を掛けないように少し突き放すか。


「ごめん栞里、心配を掛けた。もっと態度をハッキリして志保と距離を置くよ」


「うん。ありがとう弘くん」


栞里からキスしてくる。俺からも返そうとすると栞里がダメと言って離れる。


「今日は暑くて汗をかいてるから、その、これ以上は」


「確かに、ごめん。配慮が足りなかった」


「ううん、いいの。キスしたのは私からだし、私の方こそごめんね。えっと、明日ね、予定は入ってないんだ。あまり遅くならないうちなら」


栞里の言いたいことを察して、続きを引き継ぐ。


「栞里。俺の家、明日からまた父さんは仕事なんだ。良かったら来ないか?」


俺の言葉に、栞里は少し照れたように頷いた。



そんなに話数は多くならないと思います。良ければもう暫くこの作品にお付き合いしてもらえると嬉しいです。

別視点のためにちょっと露骨ですが伏線は張ったつもりです。ちゃんと回収できるか今から不安ですが、頑張って書いていこうと思います。


これを読んでくれた方、評価してくれた方、本当にありがとうございます。

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