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悟よ、我と神を目指してみないか?

第四話 『悟よ、我と神を目指してみないか?』




大正108年6月1日 0時0分

神野悟の夢(?)@夢と現実の間はざま


「イヤァァァァ!!」


イクシーズに突撃を掛けた悟が、鬨の声を上げながら飛び起きた。


モジャメガネはいつも部屋を真っ暗にしないと眠れないので、真っ暗で何も見えない。


「ロボ子ちゃん、戦況はどうなってる?」


と聞いてしまったが、状況からしてさっきの事が夢だったことに気付き、


「・・・夢か・・・。できの良い夢だったな」


先刻まで座っていた筈の、憧れのダイブルガーのパイロットシートの感触を思い出して、しげしげと自分のベッドを眺めた。

寝惚けているのか興奮しているのか、よく分からない、複雑な感情が彼を包んだ。


「現在戦闘中ではありません。マスター」


甲高い金属的な声が悟の独り言に答えた。


「毛が生えたか悟よ?・・・いや、気が付いたか悟よ?」


今度は夢で聞いた低く野太い声が悟に声を掛けてくる。


「はぁ?・・・ロボ子ちゃん?ダイブルガー?・・・毛ガ生えた?・・・何?まだ夢?」


夢かと思っていたのに返答が帰って来て混乱する悟。


大型の電源ブレーカーをガチャンと上げるような音がして、暗闇が真っ昼間のように光り輝く。


「眩し・・・」


真っ暗闇から突然の光りで目が眩む。


「悟よ、我が見えるか?」


上空から(?)夢で聞いていた自称ダイブルガーの特徴的な野太い声が響いた。

キョロキョロと辺りを見回したが、ダイブルガーらしきものは見当たらない。

目の前には巨大な壁があるばかりだ。


「おはようございます。マスター」


振り返るとベッドの後ろにメイド服を着たロボ子ちゃんが立っていた。


「うわっ、ロボ子ちゃん。やっぱりまだ夢なのか?」


「夢ではないぞ悟よ。現実でもないがな。我はお前の目の前に居るぞ。よく見ろ」


ダイブルガーの声はやはり上空から聞こえる。

ベッドの上の彼はふと上を見上げた。


悟の視界一杯に広がる金属の壁。


その遥か上に、この形……見覚えがある。

あのトンガリ、あの出っ張り、あれはダイブルガーの膝だ。


下から見るとこんな感じなんだ。


そう、ダイブルガーの身長は六百三十四メートル。なのであの膝の遥か上に頭があるのだ。そこから声が聞こえるらしい。


「デカイ・・・って言うか会話する距離じゃないだろっっっ」


果てしなく遠いダイブルガーの顔に向かって怒鳴る悟。

リアルに見るダイブルガーはデカイと言うレベルではなく、超高層ビルそのものだ。


「安心しろ悟。喋っているように思えるが、実は思念波で会話しているのだ。お前は普通に喋れば良いぞ。怒鳴る必要はない」


自慢気に思念波をぶつけてくるダイブルガー。


「そうか、それについては理解したよ。でもここは何なんだ?今僕に何がおきている?」


どうやら夢では無さそうだと感じたねずみ色のスウェットの彼は、全く理解不能なこの状況にしたであろうダイブルガーに怒りを抱きつつ、まずは疑問をぶつけた。


「そうだな。時間はたっぷりある。順を追って話してやろうではないか」


悟が憧れたダイブルガーは、かなり傲慢な物言いだ。もっとも本来(?)のダイブルガーは喋ったりしないが。


「その前に、その大きさは何とかならないのか?見上げすぎてもうすでに首が痛いんだ」


首を押さえながら言う悟に、超合金の唐変木は答える。


「それならそうと言えば良かったではないか。SDチェンジ」


ダイブルガーがそう叫ぶと、彼はみるみる小さくなっていき、全長六百三十四メートルは一気に縮んで二十センチまでに縮小したのだ。


「縮み過ぎだろ!」


手乗りサイズになったSD(スーパーディフォルメ)ダイブルガーに大声でツッコむ。


SDダイブルガーはフワッと宙に浮き、悟の肩に乗ってきた。

重さはこのサイズのプラモデルを乗せている程度にしか感じないのだが、実際にはそれはおかしい。


何故なら体重四万一千t(トン)のダイブルガーは、通常状態でも歩行するだけで地面にめり込みまくっている。

それは全長二十センチの二頭身キャラに凝縮された『SD(スーパーディフォルメ)ダイブルガー』になったとしても変わらないはずだ。


『質量不変の法則』からすると、どんなに大きくなっても小さくなっても重さは変わらない。

SD(スーパーディフォルメ)ダイブルガーがもし体重が変わらなかったら、乗った肩から下は液体になるまで地中深く押し潰されるだろう。


しかしそうはならず、外見も体重もプラモデルのように軽かった。


「マスター、お気付きかとお……もいますが、ここは現実の世界ではありません。夢の……中でもありません。ここはマスターの世界から見ると平行宇宙に当たります」


白黒メイド服のロボ子ちゃんが、何も知らない悟に説明を補足してくれた。


「平行宇宙って?僕は帰れるの?」


悟が疑問を口にすると、ナビゲーターアンドロイドのロボ子ちゃんが答える。


「ロボ子たちが居るこの世界は、余多いらっしゃる神様たちの中でも、特にとても偉い神様が、……ウー……神様候補の神様昇格試験の為に作られた宇宙です。ここに来るためには条件があって、神様とペアを組んだ者……グレートマスター【鉄巨神(きょしん)ダイブルガー】様と組んだマスター【悟】様が眠ることによって、本体は現実に残したまま、精神体だけが…ウーッ……この世界に強制的に送りこまれます。逆に本体が目を覚ますと、その瞬間精神体は本体に強制送還されます。ですからマスターの答えは『帰ってこられる』です」


ロボ子ちゃんは相変わらず上から糸で吊ってあるような、操り人形みたいなカクカクした動きをしながら言う。


「さすがロボ子ちゃん。大量の答えが返ってくるな」


「そこでだ悟よ。我と一緒に神を目指さぬか?」


二頭身のプラモデルになったダイブルガーが、肩から話し掛けてくる。


「神を目指すって何?それ僕にメリットあるの?」


「先ほどお前は【(ほのお) (もえる)】の代わりとなって我を操縦しておったであろう?あれは我との相性を試すテストであった。同時に何人もの候補者をテストしておったのだ。そしてお前は選ばれたのだ、悟よ。喜べ」


「それで?僕の質問には答えてもらってないんだけど?」


「そう急くな。順を追って話しておる。ある日我は神候補として生まれ出た。以後神候補として何百年もたくさんの世界で【戦闘の神 英雄ダイブルガー】として修行し、徳を積んできた」


SD(スーパーディフォルメ)ダイブルガーはキコキコと両手両足をを動かして喋る。


「もっともグランドマスターは破壊神として恐れられ、奉れられる事が多かったですけどね」


ロボ子ちゃんが水色の頭をカクッと悟の肩に向けて補足してする。


「ちょっと待て!ダイブルガーは三十年前の作品だ。何百年も修行っておかしくないか?」


「悟よ。神の前に時間や空間など意味を成さない。お前の時間感覚で解りやすいように言っておるだけだ。その時間感覚で言えば、数日前に我は生まれ()で、数百年の修行をして、現在ここに在る。という訳である」


二頭身プラモのダイブルガーは悟の肩にちょこんと座り、続けた。


「【万能の神 ゼウス】より、神候補から神へ昇格できるテストを受けられる招待状が届いた。この試験は我が神に成るための試験ではあるが、我は直接手を下せない。我は能力(ちから)を与えるのみで、我の【信者】が彼の世界で能力(ちから)を発揮することができるようになるのだ。だからより我とのシンクロ率が高い信者を選ぶ必要があった。その選抜試験にお前は見事に合格した」


「おめでとうございまぁす」


神候補ダイブルガーの話しに合わせて、ロボ子ちゃんがどこからともなく出した紙吹雪が入った藤の編みカゴを左腕に抱えていて、右手でパーッパーッっと悟の頭上に撒き散らす。


「イヤイヤイヤ、おめでとうじゃないよ。僕が聞いてるのは試験のことではなくて、僕にとってなんの義理もない。その試験を請けるメリットがあるのか?って聞いているんだ」


一方的に試験のことを喋るダイブルガーにイラッとした悟が質問を怒りと共にぶつける。


「その試験をやるかやらないかは、別の話しだ」


ちょっと強目に言った。言ってやった。


「あー、悟よ。お前はダイブルガー、つまり我の大ファンだよな?その我の頼みが聞けぬということか?」


悟の剣幕に気圧されて、いつになく弱気なダイブルガーが悲しげな顔で聞く。


「……とりあえず、聞いてやるから全部の内容を話してくれ。それからだよ」


悟に促されて野太い声が続ける。


「試験はいわゆる『国盗りゲーム』だ。神候補のアバターは四十七体選出され、日本に見立てた四十七都道府県にランダムに振り分けらる。

神候補は与えられた土地を整備して、同時に城と兵力の増強をしていき、他国を滅ぼし、生き残ることがゲームの目的だ」


その後もプラモブルガーの説明は続き、内容は以下の通りだ。


一回の戦闘は三時間。

勝利条件は試合時間内に敵施設を六十%以上を破壊、または王城の破壊、または大将ユニット(神候補)を倒すことだ。

三時間以内にその条件を満たさなければ攻撃側の負けである。


負けた側はその時点で『G(ゴールド)タンク』に貯まっている分の半分と200神ポイントを、勝った側に強制的に支払われる。


試合中に敵大将ユニット(神候補のアバター)が討たれていた場合、終了後の200神ポイントが支払えなかった場合、その国は戦闘終了後に消滅する。


全試合はバトルロイヤル形式で戦い、残り三体以下になるか、制限時間の七百二十日が経った時点で、神候補を五体以上撃破している神候補が合格となる。


ただしタイムアップした時点で三候補以上居る場合は、何らかの方法で三体以下に絞られる。


つまり四十七体の神候補のうち、最大三体までしか合格できないのだ。


肩に乗っかっているダイブルガーは両手両足を組んで不遜な態度だ。


「国が消滅すると言ったけど、アバターはどうなるんだ?」


長い説明を聞き終えて、気になった部分を聞いてみた。


「もちろん消滅する。因果率も含めて全てが消滅するから、そいつは生まれてさえいなかったことになる。そいつに関する記憶も痕跡も全てが消滅するのだ。元々居なかったことになる。後腐れは全く無いぞ」


「生まれたことさえ無くなるってどういう……」


ダイブルガーのその発言を聞いて怒りやら恐怖やらの変なスイッチが入った刹那


「アラート、アラート、アラート、『ゼロ時間』の魔法が解除されます。じー……かんが動き始めます」


ロボ子ちゃんがけたたましいベルを鳴らしながら喋り出した。


「さて、そろそろ時間だ。試験会場の惑星オワリコマキーンに行くぞ」


巨神ロボの野太い声が響くと、ダイブルガー・ロボ子ちゃん・そして悟の身体がポッと光り輝いた。


「おい!ちょっと待てっっっっ!僕は行くとは言ってないぞ。ましてやお前に協力する義理はないからな。それにメリットについて一言も聞いてなぁッァァアァアァァァァァァァ」


夢の世界の悟の部屋から一つの光が超高速で飛び出し、そのまま大気圏を抜けて惑星オワリコマキーンに突入していった。




名前:ガチャの確率一覧


G(ゴールド)ガチャ (星一~星三のキャラ及び武具)

一回10000G 十回100000G

※カプセルとして出てこずに、直接プレゼントボックスに送られる。



星一

キャラ 15.0%

武具 35.0%


星二

キャラ 10.0%

武具 20.0%


星三

キャラ 8.0%

武具 12.0%




チケットガチャ (星三~星六のキャラ及び武具)



星三 カッパーカプセル(オレンジ色)

キャラ 27.0%

武具 27.0%


星四 シルバーカプセル(銀色)

キャラ 17.0%

武具 18.0%


星五 ゴールドカプセルと光

キャラ 9.5%

武具 9.5%


星六 ピンクゴールドカプセルと光

キャラ 0.3%

武具 0.7%

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