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消えない闇
自分が何者なのかわからない。自分の親が誰だったのか、自分の生まれ故郷がどこなのかさえわからない。
物心ついたときにはある犯罪組織に働かせれていた。
アフリカにある某国で少年兵として、要人の暗殺、他の武装組織との戦闘、麻薬や武器の護送などを担当していた。
毎日、人を殺した。老若男女問わずその者が抵抗しても、命乞いをしても躊躇わずに殺した。
一度たりともその行為に何の疑問も持たなかった。
自分は組織の他の仲間と比べて、肌の色があまり黒い方ではなく浅黒かった。別の国から売られてきたのだろう。自分と同じような肌の色の子供もちらほらいた。
その日もいつもと同じように殺しの命令が届いた。なんでも武器の密輸の妨げになっているため、国連軍という組織を一掃するように言われた。