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ヒロインの兄弟喧嘩が終わってた件

ユリがヤンデレています。そしてシリアス(?)です。

「なに・・・・・してるの・・・・?」


 音もなく扉が開いたと思ったら、そこにはユリが立っていた。


 え・・・・・?あれ・・・・?ユリって私の前にいたよね・・・・?とりあえず、私に真紅のドレスを着せようとしていた方のユリを見つめてみると、なぜかゆっくりと頷かれた。なに!?どういうこと!?


「なぜに・・・・二人・・・・・?」


 いや、私の幻覚じゃなけりゃ、ユリが二人いるよね?同じ顔した人が二人いるよね?なに?これ?ドッペルゲンガー?え、じゃあヤバくない?


 私が意味不明な妄想をしていると、ユリがゆっくりと口を開いた。あ、扉を開けたほうのね。


「なんで・・・・かたわれれが・・・・。どうして・・・・。まさか・・・・。」


 え、まさかなに?


「ふざけるなっ!!かたわれはまたうばうのかっ!!」


 扉を開けたほうのユリがいきなり怒鳴ったと思ったら、目をカッ!!と見開いた。あれ、眼、朱色に光ってない?


「ぐはっ!!」


 え、なに?どうしたの?あれ?真紅のドレスの方のユリが消えた。あ、違う。なんか紫色・・・・ディアポロを床に引きずり込もうとしていた手が、真紅ドレスユリの五体を抑えて、壁に押し付けていた。きゃっ、壁ドン!?って、そんな場合じゃねーわ!!


「いや、ちょっ、ユリ!?大丈夫!?」

「どうして・・・・・どうして・・・・・あかつきは・・・・・・かたわれをしんぱいするの・・・・・?ゆるせない・・・・ゆるさない・・・。あかつきもかたわれのみりょくにとりつかれちゃったんだね・・・・。ぜんぶ・・・・ぜんぶかたわれが悪いんだ・・・・・・。あかつき・・・・・かたわれにうばわれるくらいなら・・・・。」


 その言葉と共に、真紅ドレスの方のユリの首を抑えている全く同じものが私の首をしめあげていた。ってこんなのんびり解説してる場合じゃない!!


「くるじい、くるじい!!!ユリ、おぢずいて!!」

「あかつき、あかつき・・・・。すきだよ・・・・・。だいすき。ゆり・・・・僕だけのあかつき。」

「好ぎなんだっだら離しでよ!!!」

「すきだから・・・・・。ゆり・・・・僕だけのあかつきじゃなかったらゆりは・・・・僕は・・・・。」

「ううっ!!」


 さらに首の締め付けが酷くなった・・・・。苦しい・・・・。


「ああ・・・・・。あかつきがしんじゃう・・・・・。うふふふふ、僕だけのあかつき・・・・・。だいじょうぶ・・・・。こわくないよ・・・・。」


ひえっ!!もしかして、このユリは私を殺そうとしてる!?いや、絶対にしてるでしょ!!というかこの手はなにっ!?


「あかつき・・・うふふふふあははははははっ!!!僕もやみの手にすぐに連れてってもらうから・・・。よみの国のやみの手につつまれた僕とあかつきだけのせかい・・・・どうしてこの気持ちに気付いたときにこうしなかったんだろう・・・・。そうしとけば・・・・。そうしとけば・・・・・!!」


 駄目だ・・・・。意識が・・・・・・。


「駄目だよ。片割れ。」


 一気に息が楽になり、ぼやけていた視界も晴れた。


「なんで・・・・・。手は・・・・・・・。」

 

 あれ・・・・・・・?真紅のドレスの方のユリが自由になってる・・・・。


「忘れたの?私は光属性。しかも『光の手』。片割れの『闇の手』と正反対の存在。お互いをぶつけあって消すことなんて余裕!余裕!!」

「うわぁっ・・・・!!」


 手の形をした、光り輝くなにかがユリの足を払った。だが、手の形をした紫色のなにかがすぐさまユリをささえて転倒を防いだ。


 あれ?真紅ドレスのほうのユリの目の色って朱色だったよね?いつのまにか金色になってない?


「ゆるさない・・・・・・・。どうして・・・・どうして・・・・・。」

「違うよ、私は片割れのフリをして一週間前、この子に近づいただけ。別に奪おうとなんてしてないし、この子も私を好いてるんじゃなくて片割れを好いているだけ。」


 んん?もしかしてだけど、この一週間一緒に過ごしてきた、真紅のドレスを妙に押すユリは偽者だったってこと?


「うそだっ・・・!!かたわれはお母さまとお父さまのあいも召使いのあいもぜんぶうばって行った・・・!!僕が欲しいものをぜんぶ持って行った・・・!!あかつきだって・・・・・!!」

「馬鹿だねぇ・・・・。なにも奪ってないし、奪わないよ。」

「かたわれは・・・・・そういってゆだんさせて、全部うばっていくつもりなんでしょ・・・・!!僕は・・・僕は・・・・・もうなにもうばわせない・・・・・!!!」


 その言葉とともに、ユリを中心に紫色の手が大量に地面から生えて(?)きて、偽者ユリを捕らえようとし始めた。


「いや、だからなにも奪わないって!!!」


 偽物ユリが言い返した、と思った瞬間、偽物ユリの周りから光り輝く手が大量に生えて(?)きて、紫色の手に掴みかかった。というかこれ、この部屋が広くなかったら、周りの物ヤバかったよね。いや、もうすでに色々破壊されてるけど。


「ゆるさない・・・・!!ゆるさない・・・・・!!」

「だから!!!信じてって!!!」


 ええー!!これ・・・・どうすりゃいいの・・・・?つーか、現状が理解できないんだけど・・・・。


「アカツキー、居るかー?」


 トントン、と扉が叩かれた。


 ディアポロだ!!よし!!なんだかわかんないからアイツも巻き込もう!!!


「入って入ってー!!ディアポロ!!!」

「珍しく歓迎してく・・・・ええっ!!?なんじゃこりゃあー!?」

「うん。私もわからない。」

「とっ、とりあえず先生をっ!!!」

「先生はダメッ!!ついでに生徒もダメッ!!」


 偽ユリが叫んだ。


「ええー!!じゃあどうすれば!?」

「学園長!!」

「「女王さまっ!?」」


 この学校の学園長といえばこの国の女王さまだ。


「む、む、むりだよ!!オイラ達一生徒に連絡なんてできないよ!!」

「私のバックから黄色いものが飛び出てるしょ!!それについている紐を引っ張って!!」

「う、うん!!」


 ディアポロが紐をパッと引っ張った。


「引っ張ったけど、なんなの!?これ!?」

「何事か!!」

「王女さま!?」


 驚くべきことに、私達のすぐ隣に王女さまが立っていたのだ。


「クロユリとシラユリになにがあった。説明せよ。」


 クロユリとシラユリって誰!?もしかしてこの二人の事!?でもユリの名前ってユリじゃなかったの!?


「はっ!!オイラが来たときにはこのような状況に・・・・。」

「色々あって喧嘩が始まりました。」

「はぁ・・・・?まぁいい。事情は後で聞こう。シラユリ、クロユリ、二人とも能力を使うのをやめよ!!」


 女王さまが凛とした声で二人に呼びかけた、が・・・・・・。


「やめたら死ぬ!!!」

「ゆるさない・・・・。ゆるさない・・・・・。」

「・・・・。まずいな・・・・・。クロユリが錯乱状態になっている。」


 どっちがどっち!?


「そこのお前、もしやアカツキ・コスモスか。」

「はい。そうですが・・・・?」

「なるほど・・・・・。では、クロユリにこう言え『争うな。喧嘩するクロユリなんか嫌いだ。』と。」

「ええっ?」


 なんで!?


「とにかく言え。今すぐにだ。」

「はぁ・・・・・。」

「さっさと言え!!!」

「ひえっ、ごめんなさい!!争うな!!喧嘩するクロユリなんか嫌いだ!!!」


 ピタッ、と紫色の手が止まった。あ、クロユリってユリの事だったんだ。で、シラユリが偽ユリ、と。


「いま・・・・なんて言ったの・・・・?あかつき・・・・?」

「争うな!!喧嘩するクロユリなんか嫌いだ!!だよ。」

「本当に・・・・?喧嘩するゆりはきらい・・・・?」


 え、いや、別に・・・・・。


「嫌いと言え!!」

「はいっ!!嫌い!!大っ嫌い!!!」

「いや・・・・いやだ・・・・・きらいにならないで・・・・・。」

「喧嘩をやめたら嫌いにならないとアカツキが言っているぞ!!」


 え?言ってないんだけど。


「そうなの・・・・・?じゃあ・・・・やめる・・・・・・。」


 あ、紫色の手が消えた。


「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・。叔母さん・・・・・・。」


 偽ユリことシラユリがもの凄く息を切らしている。相当体力を消費したようだ。


「それで、なにがあった?」


 女王さまの怒りを秘めた声が部屋に響いた。

 



すんごいわかりにくくなりました。

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