ヒロインの外泊期間が終わってた件
短いです。
「あかつき…。ゆりね…しばらくここをあけるね……」
へぇ。そうなんだ。
「って、ええっ!!!?」
「こわいから大きな声をださないで……」
「あ、ごめん。」
すまぬな…。どうしてもなおせないんや…。
「で、どうしていきなり?」
「えっとね、おばさまに呼び出されてて…。」
おばさま?…ああ。女王さまか。まぁ、私がユリのおばさんが女王さまだ、ということを知っているのを、ユリは知らないけど。
「たぶんだけど…きょうから一週間はいないと思う…」
「一週間!!!?」
「こわい……。」
「ごめん…。」
一週間か…。長いな…。王位継承者についてでも決めるのか…?それに一週間後っていうと…。
「舞踏会はどうすんのさ?」
「それは…。いけるよ……。ぎりぎりになっちゃうけど…。」
「ああ。それは良かった。」
舞踏会の最初のダンスは同性だろうが異性だろうが、自分と一番近しい人と踊らなきゃだからね。
「それじゃあ…いってきます…。」
「え、荷物はどうすんの?」
「ぜんぶあっちで用意されてるから……。」
「はぁ……。」
「じゃあ…ばいばい…。」
「あ、うん。ばいばーい。」
あっという間に見えなくなった。なんかちょっと寂しいぞ。もうちょっと悲しんでくれてもいいのに。あ、いや、それはそれで面倒だからやっぱいいや。
トントン
「はーい。だれー?」
ユリかな?忘れ物とか?
「ディアポロだよ」
「帰れ」
「なんだよそれ!!勝手に入るかんな!!!」
その声とともにズカズカとディアポロが部屋に侵入してきた。
「ユリちゃんは…いないか。よかったー」
「は?ユリを馬鹿にしてんのかオラァ!!?」
「違うっつーの。いや、多分だけどオイラがアカツキに会いに来た、とばれたらオイラはユリちゃんに殺されるから」
「天使ユリエルがそんなことするかよ」
「ザビエル?」
「ちげーわ!!誰がてっぺんハゲだ!!」
聞き間違えが酷いわ!!耳鼻科に行ってこい!!
「どうどう」
「私は馬か!!」
このヤロウっ!!
「まぁ、とにかく黙れ。オイラな、アカツキにお願いがあって来たんだよ」
「断る」
「まず話を聞けよ!!」
「断る」
「二回言う必要あるか?!」
「断る」
「…。アカツキさ、今度の舞踏会でオイラと踊ってくんね?」
「その心は」
「…友達がほとんどいない。」
「……。切なっ…」
「わかってるよ!!でもマジでそうなんだよ!!」
「なにが悲しくて友達0のお前と踊らにゃならん」
「そういうお前こそ友達いるのかよ!!それにアカツキは友達だよな!?」
「ユリ…」
「一人じゃん!!つーかオイラも入れてよ!!」
「残念ながら私にはユリという名の恋人がいるので君と踊る事はできない」
「一息で言ったな!!それにお前、いつからユリちゃんと恋人になったんだ!!」
煩い!!ノリで恋人とかいっちゃうことあるだろ!!
「オイラだってな、殺されるの覚悟でお願いにきてるんだかんな!!」
「知るか」
誰がお前を殺すかよ。
「舞踏会でオイラはユリちゃんに半殺しにされるだろう。だけど!!それでもオイラに友達いるよアピールがしたいんだ!!!」
「悲しい奴だな。」
マジで哀れになってきた。つーか、舞踏会で私と踊ることのどこにユリに殺される要素があるんだよ。
「まぁ、とにかく1ミクロンくらいは考えとくよ」
「ちっちゃ!!まぁ、さんきゅ!!」
マジで1ミクロンだけど。
「ん?って、げほっげほっ!!首が!!ちょっ、床にひきずりこまれる!!」
「えっ!?」
ディアポロの方を見ると、ディアポロの全身に紫色の手の形をした、スライムのようなものがまとわりついて、ディアポロを床へ引きずりこもうとしていた。
「えええっ!?なんじゃこりゃあっ!?」
「すみません!!すみません!!やっぱアカツキ!!さっきの話なしにしよう!!」
「はぁっ!?別にいいけど!!それどころじゃ…あ、消えた…」
驚くべきことに、紫色のなにかはあっという間に消えていった。
「うん…。オイラ部屋に帰るわ。バイバイ。さっきの話、マジでなしにしよう。オイラ、良い人見付けてくっから…」
そういうと、ディアポロはヨロヨロと自分の部屋に帰って行った。その背中は思いなしか哀愁を帯びていた…。…さっきの紫色のは本当になんだったんだろ…。
コンコン
なんだよ…。またディアポロか…?
「はーい…。だれですか…?」
「ユリだよ」
「ええっ!!!!?」
さっき出かけたばっかじゃん!!




