初めての引越し
卒園まであと3ヶ月
引越しをすることになった
変化は大きかった
私服の上に水色のスモックを被るだけが
黒と白の細かい格子状の制服を着用
黄色くやわらかい帽子から
黒く固い帽子へ
青いくたっとした鞄から
黒くしっかりとした鞄へ
カッチリしておしゃれになった
しかし我には
前と違いすぎてきもちがわるい
施設は新しくピカピカ
なじめない
卒園アルバムの写真0枚
この事態を避けるべく
先生たちは山ほど写真を撮ってくれ
声かけも沢山してくれた
「あと少ししか通えないから、休んじゃだめ。先生がっかりしちゃうから」
母に言われ、ズル休みができない
知っている先生がいない
これが理解できなかった
引越ししたのだから、以前の幼稚園の先生に会えないのは当たり前だが
別れの際、先生が涙ぐんでいたのが不思議だった
まさかもう会えないだなんて
1番激変したのは通園だ
それまでは母に手を引かれ徒歩で通園していたのが
送迎バスに変わった
バスのシートはぐんにゃりしていて
冬なので飛び上がるほど冷たい
エンジン音も大きい
バスに乗れるというから楽しみにしていたのに
ネコバスじゃない!
ふてくされた
母に泣いて抗議したところで
どうにもならない
ガタガタ揺れる車内から
いつも空を眺めていた
乗車時間は短いのに、よく酔った
家に帰るとぐったり横になる日々が終わり
卒園