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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
9/30

ep9

どうもご覧いただきありがとうございます!

執筆が止まってる!ヤバイ!

しかも話が進まない!なぜ!

「30000Y…」


「は、はーちゃん?」


「そんなの貰えるわけないじゃない!」


ふーちゃんも鉄さんももっと自重するべきだと思う。

私の料理に期待してくれているのはうれしい限りだけど、流石に30000Yポンとくれても困る。


「えーでももう作っちゃったし代金も払っちゃったし」


だ、だよね…。


「それにせっかくトップの生産職の人に作ってもらったのに…。特に鍛冶屋の人なんてかなり職人気質であんまり誰にでも装備を作ってくれるわけじゃないのに了承してくれたのに…」


「え…?」


トップの生産職?あのお茶らけた鉄さんが?職人気質?芸人気質の間違いじゃなくて?

確かにルーさんは度々鉄さんにロールが崩れているって言っていたけど、鉄さんのロールって寡黙で職人気質な鍛冶屋なの?

私の頭の中でハテナマークが渦巻いているのをふーちゃんは喜びのあまり呆然としていると思ったようだ。


「ふふん。いいでしょ!だから貰っときなって!


「うん…。そうだね」


もう何か気にしたら負けな気がしてきた。


「ね、ね!早速何か作ってよ!


「う、うんそうだね。材料はある?」


「あるよ!」


ふーちゃんがトレード欄に出してきたのは【角羊の肉】【角兎の肉】【力豚の肉】…全部肉だった。


「ふーちゃん。」


「なに~?」


「野菜買にいこ」


「やっぱりだめですか」


「ダメです」


いやだーと暴れるふーちゃんを引っ張って商店通りに向かった。

この時なぜかSTR値で上回るふーちゃんを抑えられたのはシステム外的な力が働いているみたいだった。

多分働いてないけど。






◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

そういうわけで商店通りに行ってみた。

案外ファンタジーっぽい野菜は全然なくて、あっても結構な高値だったから泣く泣く諦めて普通の野菜にした。

あのファンタジーな野菜をいつかは食べてやるんだ。

そんなこんなで宿。


「はーちゃん何作るの?」


「とりあえず簡単なものとホワイトシチューかな」


「シチュー!!」


シチューはふーちゃんの好物のうちの一つだ。

シチューは一応30000Yへのお返し。

ふーちゃんは見た目は大人っぽいのに好物は子供っぽい。


「はーちゃん何か失礼なこと考えてない?」


「べ、別に考えてないけど」


こういう時の人は本当に敏感だと思う。

無駄口をたたきながら人参やジャガイモを刻んでいく。

兎肉を料理で使うのは初めてだから―――現実の兎肉とは味が違うかもしれないけど―――ハーブと一緒に焼くだけでいいかな。

後で現実でどんな料理があるか調べてみよう。

小麦粉をバターで炒めてそこに野菜を投入していく。

後は肉を入れて炒めて水を入れてコンソメを入れて牛乳を入れれば完成だ。

正しい作り方は知らないけどうちのレシピはこんな感じ。

ほんとは隠し味を入れるけどそれがここには売ってなかったので割愛。

そしてあとは煮込むだけだ。

そして雑談をしつつコトコト煮込み、ようやく完成した。


「ふーちゃんできたよー」


「おーいい感じじゃないですか!うんうん匂いもいいし、ISOはやっぱり流石だね!」


「冷めないうちに食べよー。でもゲーム内でもご飯は冷めるの?」


「…冷めるんじゃない?ISOだし」


「確かに」


ISOなら確かにその辺まで作りこまれてそうだ。


「でも食べるにはちょっと待ってねー」


「なんで?」


「流石の私も30000Yポンと出せるわけじゃなかったからね。れー君と割り勘したのよ。だかられー君も今こっちに向かってるよ」


「そんな高価なのにしなければよかったのに…」


「そこはあんまり依頼を受けてくれない鉄さんが受けてくれるっていうんだし、奮発したらいつの間にか…」


「ほんとにもう…」


やっぱりこんなにお金を使えるのもゲーム内ならではなのだろうか。でもVRで使いすぎたりすると現実の方でも浪費癖が付いちゃいそうな気がする。








◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「おーい。あけてくれー」


やっとれー君が来たみたいだ。


「遅い!せっかくはーちゃんが作ってくれるって言ったのにれー君のせいで冷めるでしょ!」


「いや、俺部活あるし…」


因みにれー君はバスケ部。なんか結構上手いという噂を聞いたような気がする。

確かに一年生の時の球技大会のときバスケに出ていて活躍していた…気がする。私はその時友達にと一緒にバスケを観戦していたはずだけど、球技大会は絶対一人一種目でないといけないので多分満身創痍だったんだろう。


「それに俺は男子だから態々VRで飯食おうとか思わないし。どちらかというとリアルの方で食べたいんだが。それにふーちゃんは別に細いだろ」


あ、れー君が爆弾を落とした。太るのを気にしないとか、ふーちゃんが若干気にしてる体型の話。


「れー君は今、すべての女子を敵に回した」


「なんかふーちゃんが怖いんだけど!?」


「それは自業自得だよ、れー君」


「はーちゃんまで!?」


そのあとキッチリふーちゃんにお仕置きされてた。

…そろそろ冷めそうなんだけど。


「早く食べよー」


「れー君のせいで冷めたじゃない」


「もう、俺のせいでいいよ…」


れー君の目から光が!頑張れ、れー君。


「「「いただきまーす!」」」


私たちは冷めてしまったものは温めて、まずはシチューから。


「美味いな。やっぱりはーちゃんのシチューって美味いよな」


「…ありがと」


自分から見ても、初めてのお肉を使ったにしては上手くできている。


「こっちのステーキも美味しいよ!」


ふーちゃんは早くも角兎の香草焼きに手を伸ばしているようだ。

私も早速手を伸ばす。美味しい。兎のお肉というからどんな味がするかと思ったけど、ISOのなかでは変な味ではないらしい。

ISOの中ではNPCも暮らしているから、その狩人たちの主な狩猟目標が角兎らしい。

私たちプレイヤーはこの中の人たちから見るとチートじみた存在なのだろうけど、私は普通の兎にも負けるんだよね。ちょっとブルーになった。


「あ、そうだ」


「なに~?れーくん」


「あ、いや俺のところ明日両親居なくてさ。はーちゃん昼作ってくれない?」


「明日?明日はたぶん大丈夫だよ」


「じゃあ頼むわ」


「はーちゃんあたしも頼んでいい?」


「別にいいよ。じゃあお昼に家に来てね」


「さんきゅー」


「ありがとう」


「30000Yも払わせちゃったしね」


「あれは全面的にふーちゃんが悪いから。確かに鉄さんは滅多に武器を作ってくれないけどさ、それにテンションあがっちゃって予算はいくらでもいいって言っちゃったから」


「あははは」


私も後で鉄さんにお礼を言いに行こう。


次回2015/08/08午前6:00更新予定

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