ep8
やっちまいました…
まさか予約投稿を間違えて木曜日に上げてしまうなんて…
まぁ5分くらいしか公開してなかったんであれですけど
それはそうとうれしさのあまりストックを減らしました!
月一更新が途切れる日も近いかもしれない!
そうなったら謝ります。
20,000PVありがとうございます!
2015/09/05冒頭を修正
その後少しだけフィールドでミルの実探しとポーション作りをして直ぐにログアウトした。
夏休みだからって勉強を疎かにしてると後が怖い。
「むぁ…」
ベッドから体を起こして体を伸ばす。
動いているとはいえそれはVRの中だから実際には全く動かしていないが、何となく疲労感と満足感がある。
RRR…
「ん、電話だ。…ふーちゃん?なんだろ」
こんなログアウトのタイミングを見計らったかのような電話。
「もしもし、どうしたの?」
『あ、はーちゃん?ごめんねーまさかSTR値が足りないなんて思わなくて』
半笑いで聞こえてくる幼馴染の声。
「切るよ?」
『ああ!ごめんごめん。だからちょっとだけお詫びをしようかなーなんて思ってさ』
「お詫び?ふーちゃんがそんなこと言うなんて珍しいね」
『いやーだって。デスペナでレベル上げできないなんてかわいそうじゃん!』
「そ、そう」
私の幼馴染はISOにどっぷりでした。
まさか普段しないお詫びをすると言い出すと思えばその原因が自分のせいでデスペナになったってことだとは思わなかった。
『それでねーなんかはーちゃん欲しいものあるって言ってたじゃん?500Yだしそのくらい出してあげようと思って。』
「え、ほんとに!?」
それは願ってもないことだ。
まさか500Yが向こうから歩いてくるなんて。
親友兼幼馴染をお金呼ばわりしつつも嬉しい。
『ところで何が欲しいの?』
「えーっと初期料理セットかな」
『分かった!でもそれで作った料理とか食べさせてね!』
「…こっちでも結構作ってるじゃない」
れー君もふーちゃんも料理があまり得意ではない。
だから二人とも両親がいないと私に料理を頼むことは多い。
『いやーやっぱりたくさん食べても太らない世界って素晴らしいよね!』
「まぁ確かにそれはそうかもしれないけど。」
ISO内で食事をしても、もちろんカロリーを摂取できるわけではないから太らない。
だからプレイヤーメイドの料理なんかは現実で食べるとかなりの高カロリー料理が多かったりする。
みんな考えることは同じなんだね。
「私素材持ってないよ?最弱のラビットにも負けるもん」
あれはショックだった。狩っても狩らなくてもあんまり変わらない(経験値が少ない)とまで言われている最弱モンスターに敗北する私って…。
『その辺は大丈夫だから!料理を頼むんだから、素材はこっちもちでいいよ!』
「それはありがたいけど、そんなこと言って絶対お肉しか持ってこないでしょ?ちゃんと野菜も持ってきてね」
うっというふーちゃん。当たり前でしょ。
とりあえず明日ISOにログインしたときに料理セットは貰えることになった。
ふーちゃんは今から買いに行ってくるってすごかったけど、別に料理セットは逃げないから今から行かなくてもいいんじゃないかと思う。
あ、集合時間と場所を聞くの忘れてた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そういうわけで金策に走り回らなくて済んだ次の日。
でも走り回るっていう表現なら私は絶対ほかの人より時間かかりそう。
ふーちゃんからは深夜にメールが来た。
私は勉強していたけど、どうやらふーちゃんはISOからメールしたらしい。
本当にあの人は学習しない。絶対今年も宿題を見せてくれって言われるんだ。
そして毎年のように『宿題はほぼ満点なのにテストは壊滅的だな』って先生に白い目で言われるんだ。
因みに集合は第一の街の噴水広場。時間は最初今から!とか書いてあったけど無視して午後にしてもらった。
夏休み中でも午前は家事をしなければいけないし、家庭を預かる者は忙しいのだ。
そんなこんなでお昼ご飯も食べてワクワクしながらISOにログインした。
街中でログアウトすると宿を除いて噴水広場にログインされることになっている。
つまり私はログインしてすぐ集合場所に到着というわけだ。
だからこそ噴水広場は多くの人の待ち合わせ場所に使われる。
そして私は基本自分で言うのもなんだけど時間にルーズ。
実は噴水広場にも10分の遅刻でログインした。
つまり相手はすでに待っているわけで―――――
「遅い!」
かなりご立腹なふーちゃんが目の前にいました。
ISOは感情表現もお手の物らしい。
「ご、ごめんごめん。家事してたらちょっと遅れちゃって…」
なんでログインした瞬間に目の前にふーちゃんが現れたのだろう、という疑問はふーちゃんの次の言葉で解決した。
「遅いからプレイヤーがログインするところの前にずっと立ってたんだから!」
「す、すいません」
「もう!40分も待たせて!」
ふーちゃんは勉強はできないけど時間は結構しっかりするタイプ。
これまでにも何回も遅れて同じやり取りを飽きるくらいしている。
因みにれー君は5分前につくタイプ。
きちんと(?)集合場所で集合できたので、早速ふーちゃんから例のものを受け取っ―――
「あれ?これが料理セット?」
目の前にあるのは確かに料理セット。それに間違いはないけど、
「なんか豪華じゃない?」
私が知ってる初心者キットでは確実になかった。
「そうだよ!その料理セットは鍛冶屋の人に頼んで作ってもらったプレイヤーメイドの特注品だよ!」
「えええ!!!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ほんとにプレイヤーメイドなの?」
「ほんとだよ!試しに見てみればいいじゃん」
とりあえず落ち着くまでに10分、ふーちゃんに言われた通り貰ったフライパン、包丁、寸胴、まな板の説明文を引き出す。
【打撃兵器FURAIPAN-Z】
料理、武器兼用。
鉄で作られ、綺麗に磨かれたそれは焼くものを引っ付かせない。
職人魂がこもった一品。
STR+25
追加効果:【快音】
製作者:鉄
【鉄包丁―黒龍―】
料理、武器兼用。
鉄で作られたそれは食品を傷つけない。
職人魂がこもった一品
STR+20
追加効果:
製作者:鉄
【寸胴改】
料理専用。
合金を使って作られたそれは全体に熱をなじませる。
熱伝導率がよい。
追加効果:
製作者:鉄
【トトルトのまな板】
料理専用。
上質な木で、まな板に最も適した部位を使って作られたまな板。
食物の臭みを軽減することができる。
追加効果:
製作者:トトルト
「どうどう!はーちゃん」
この説明文を見て絶句だった。
鉄さん何やってるの…。最後のまな板を作った人は知らない人だけど、その人と鉄さんの性格の清らかさの違いが如実に表れてると思う。
結構まともな人だと思ってたのに。
それよりも――――
「すごすぎるよ!」
絶対初心者が持つ奴じゃないと思う。
だって合金とか黒金とか上質な木材とか。
「絶対500Yじゃ足りないよね!?10000Yとか軽くするよね!?」
そういうとふーちゃんはあからさまに目を逸らした。
「い、いやー大丈夫だよ?全部で500Yだよ?」
「絶対嘘だから。眼が泳いでるから。これ、いくら?」
こういう金銭面は親友、幼馴染通しでもきっちりしておかないといけない。
いつかはきっと返さないと。
「3…」
「3?」
「30000Y」
目の前が真っ白になった。
次回こそ2015/07/04更新予定です
どうなったってここは譲りませんw
因みに3万yと言うのもうそです(笑)
その辺の話はあと5ヶ月後くらいじゃないでしょうか(笑)