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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
25/30

Ep25

何と書き終わったのが今日の午前二時半です。

おやすみなさい。

遅れなくてよかったです。

「やった!クリアだよクリア!」


私は初めてのクエストクリアに興奮していた。初めてクエストをクリアしたということは報酬をもらうのも初めて。なんだかワクワクする。


「どんな報酬だった?」


それに【Sクエスト】は二人に言わせるとかなり珍しいクエストらしいからどんなレアなものがもらえるんだろう。


「俺は【守りの指輪】効果は…えっとどれかの能力を10%低下させる代わりに体力を10%増加させるってやつだな。俺はSTRを下げようかなぁ。使わないし」


「私は【捧身の指輪】!レイと逆で体力を10%を低下させて何か一つ能力を10%増加させられるみたい。私はAGI一択だよー」


「なんだか思ったよりすごくない…?」


【Sクエスト】ってすごく珍しいって言ってたけど報酬はそうでもないのかな?だってデメリットもあるし。


「いやいや!これ結構すごいからな!対人戦闘もあるVRMMOでそんなにぶっ壊れは作れないだろ」


そう考えてるとれー君にしっかり怒られちゃったs。そんな子といわれてもぶっこわれとか私はゲームそんなにしないしわかんない。


「そうだ、ハルはどうだったの?」


ふーちゃんに聞かれて自分でもまだ確認してないことに気づいた。でもこの流れで行くと私も能力アップ系アクセサリーなのかな。

それでも初めての報酬にワクワクしながらメニューのクエスト欄を教えてもらいながら開く。

目に入ったのはアクセサリーじゃない、【称号:優しき料理人】という文字だった。


「私…報酬が称号だったよ?」


メニューの可視化ボタンを押しつつ二人に説明する。


「称号…?初めて聞くな。ってかこのゲーム称号システムあったのか」


「確かに今まで称号なんて聞いたことないね。私たちは結構いろんなクエストやってるはずだし」


このゲームのベータテスターでもあり現在攻略組トップの二人でもわからないとなるとこれは結構大事なんじゃ…


「なんか効果的なものは書いてないの?」


効果の見方がわからないと言ったらちゃんと教えてくれた。多分称号の名前をタップすれば効果がみられるかもしれないって。その結果出てきたのはこんな効果だった。

【称号:優しき料理人】

おじいさんに対して料理を再現するだけでなく、真心を込めて料理を作った心優しき料理人に送られる称号。料理の成功率に微ボーナス、食材の本当の効果を引き出しやすくなる。


「これまたよくわからない効果だな。成功率にボーナスっていうのはわかるけど本当の効果ってなんだ?」


「さぁ、よくわかんないね」


「でもこの称号がもらえたってことはあのおじいさんはちゃんと心の底から喜んでくれたってことだよね!」


「そりゃあね!ハルの料理を食べて笑顔にならない人なんていないよ!」


「ありがとー!」


おじいさんは確かにこのゲームの中だけの存在だけどしっかり生きてるんだなって実感した。


「お嬢ちゃん、本当においしかった。ありがとう」


さっきまで一心不乱にステーキを食べてたおじいさん。どうやら食べ終わったみたい。


「いえ!私もおじいさんには元気になって欲しかったですか…ら…?」


ステーキを食べ終わったおじいさんはさっきまでの生気のなかった目はどこにやら、存在感を増してそこに立っていた。


「おいおい…この威圧感、化けモンじゃねーか。こうならないとシヴェットさんに勝てんのかよ」


そのれー君の言葉でもわかるように本当に存在感が違う。これも何かのアビリティかもしれないし、本当にこの人の強さがこんな威圧感を生み出してるのかもしれない。


「おお!知らん間に威圧してもうてたか。すまんのう、久々で勝手がわからんのじゃ。わしももう一度鍛えなおさんとのう。ばあさんに天国で浮気なんぞされてほしくないからの」


「じゃーおじいちゃん!その第一歩てことで私たちと一戦やってみない?」


意外にも先には戦いをふったのはふーちゃんだった。


「よかろう。久しぶりに戦うんじゃ、準備運動くらいにはちょうどいいじゃろ」


「カチンときた!絶対びっくりさせてやるからね!」


おじいさんの挑発に易々と乗るふーちゃんは、すごく楽しそうだ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

あの嬢ちゃんには感謝してもしたりんわい。シヴェットに気に入られて料理を教えてもらったってのも驚きだったがの。あやつは料理は自分で開発して味なんかも盗むもんだ、教えられた料理に未来はねぇなんてことを言ってたのによ。でも嬢ちゃんのおかげでばあさんに見放されんですみそうじゃ。それにしてもばあさんは昔の姿で来よって、霊になれば自分の見た目もいじれるっちゅうんならうらやましい限りじゃ。ばあさんが死んでからろくに運動もしとらんかったからの。体の節々がなまってしょうがないわい。そのリハビリに嬢ちゃんの連れの勝気そうな男女二人組と模擬戦をすることになった。ああいう元気がある若者たちに指導をするというのも余生を過ごすいい趣味になりそうじゃ。

それにしても殺す気で試合をしても相手を殺さんでええ加護とは冒険の女神の加護は便利じゃの。道理で冒険者たちの成長が早いといわれるわけじゃ。これならわしももう少しは…なんてのは意味のない仮定じゃな。さて、わしはすぐにあの二人に抜かれるじゃろうが、今はまだ負けてやらんでの。

準備を終えたらしい二人の前に立つ。相棒のハルバードは少し、重く感じる。

「最初の一撃は二人に譲ってやろう。わしからやると終わってしまうでな」


「後悔させるよ!【超加速】【弌太刀-鏡花一閃】


自信に満ちた顔、よほどこの攻撃に自信があると見た!

しっかしこんなに早く動かれたら見づらくてしょうがないわい。これも衰えの1つってことか。じゃが…


「甘い!」


【超加速】は昔は苦労させられたもんじゃが、今や【超加速】程度なら慣れちまった。【超加速】の弱点、直線移動をしまいとジグザグに動いてはいるものの、しょせん直線移動よ。こんなのはしっかり刃を滑らせてやれば隙しか生まれんわい。


「っ!!」


「わしのハルバードの攻撃はちょこまか動いて避けれるもんでもないわ!」


「くぅ…!うっわ!かすっただけで半分持ってかれた!」


わしの反撃を嬢ちゃんが何とかといった体勢で避ける。あのタイミングからクリーンヒットを免れるとは結構反応はいいみたいじゃな。


「【雷】」



「むっ!?」


後ろの地味目な兄ちゃんの魔法か!あの魔法を好んで使うとは変わっとるが、これは避けれん!


「喰らえ!」


身体を雷が貫く。


「ピリピリするの…」


まだ相手の格が低くて助かったわい。これが同じくらいの実力者で、これが冒険の女神の加護のない試合ならわしは殺されとるな。


「マジで何でこの世界の住人たちは簡単にこの魔法耐えてくんだよ…」


なんかボヤいとるようじゃが、あの魔法を当ててくる頭を持っとる魔法使いは厄介じゃな。先に潰すか。


「また俺かよっ!?」


奴に向き直ったのだまた奴が何かを呟いたが本当に聞き取りづらいの。


「【飛龍斬】」


「はっ!?」」


最後の言葉も何か聞き取れんかった。ただ驚いたのは確からしい。そのなにかと一緒に魔法使いの少年は弾けて消えた。なるほどこうなんのか。


「さて、厄介なのは片付けたし、次は嬢ちゃんだ」


「おじいちゃんなんか生き生きしてるね…。口調まで荒くなっちゃって」


呆れた目をした目の前の少女はなんだか懐かしい雰囲気を醸し出していた。

次回は十月の第二土曜日の予定ではありますが、正直きつそうですので十月の更新はもしかしたらないかもしれません。

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