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ISO〜運動音痴でもいいですか?〜  作者: 安
はじめてのVRと運動音痴
23/30

ep23

遅れました!

「いやーマジで勝てねぇなぁ」


「こんなんじゃ全然だめだね」


「あ、終わったんだー。お疲れ様」


振り返ると、二人がPvPの専用エリアから出てくるなりそんなことを言っている。

二人が戦ってる間、何が起こってるか全くわからなかった私はというとその辺の木に向かって矢の練習をしていた。


「おう、興味ないのはわかってたけど、応援位してくれてもよかったんじゃ」


「だって最初から見えないんだもん。どうなってるのかも全然分からないし」


「動体視力の問題だったかー」


ちょっと馬鹿にしたようにいうふーちゃんを小突きつつ、リザードマンさんが出てくるのを待つ。

少しして、ようやくリザードマンさんはエリアから出てきた。


「いやー出方が分からなくて時間がかかっちゃったね。はじめてみる物ばかりだし。やっぱり冒険の女神の加護はすごいね。これなら寸止めとか当て止めでやってた今までの模擬戦ももっと面白くなっただろうになぁ」


結構物騒な発言をしていらっしゃる。でも実際退屈だったんだろう。今は結構すっきりした顔をしてる…ように見えるし。実際はリザードマンさんは顔がトカゲだからまったく表情とか分からないんだけど。


「またやりに来てもいいですか?」


「おお、もちろんだよ。この子の顔を見るついでにいつでも挑みに来なさい。来訪者は成長が早いんだろ?模擬戦とは言っても僕にも経験になるし最近伸び悩んでるからね」


あそこの戦闘狂の人たちは放っておこう。私にはついていけない類の話をしてる。


「じゃ、はーちゃんは修行のほう頑張れよー!」


「おいしいご飯待ってるからね!外売りのはカロリーメ○ト見たいなのでモソモソしてるし、なるべく早めにね!」


「私も早くお爺さんに料理を届けたいし、頑張るよ!」


「爺さんには俺のほうから言っとくから」


「うん、お願いね」


とにかく早くおじいさんに料理を届けるために行かないと。二人は今度は絶対勝ちますと言って帰っていった。パーティーが壊滅させられるようなエリアボスとか言われてる人?に二人で勝とうってこの幼馴染二人はいったいどこを目指しているんだろう。


「さあじゃあ早速はじめようか」


「はい!えーっと…」


そういえばまだこのリザードマンさんの名前を聞いてなかったことを思い出した。


「そういえば自己紹介もまだだったねぇ。僕はリザードマンのシヴェット。よろしくね」


「私は駆け出し冒険者のハルです。よろしくお願いします」


「修行は簡単だよ。あのおじいさんがよく食べてたメニューをしっかり僕を満足させられる味に一人で仕上げられるようになったらお終いだ」


「わかりました!」


「覚えてもらうメニューは…ブラックリザードのステーキセットだね」


いきなりなんとも言えない気持ちで修行は始まりそうです。

次回は9月の、第二土曜日朝6時更新予定です

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